
数日前に、ガイド仲間のシュネードと行ってきた
アーバー・ヒル墓地(Arbour Hill Cemetary)です。
ここは、私とシュネードが前々から訪れたいと思っていた、
1916年イースター蜂起のリーダーたちの墓所。
昨年何度も行こうしたのですが、そのたびに大雨に降られて実現せず年が明けてしまっていたので、この日も強風が吹き荒れる寒い日でしたが、ついに行ってきたのでした。
1916年イースター蜂起というのは、アイルランド独立への第一歩とも言える歴史的事件。
独立を目指す愛国者たちによる反乱で、ダブリン市内で5日間にわたる攻防戦が繰り広げられたのち、降伏、首謀者14名が処刑されたという痛ましい事件です。
皮肉なことに
昨日暴動があったオコンネル通りの中央郵便局(GPO)前で、90年前の蜂起も勃発したのでした。
処刑されたリーダーたちの遺体は、殉教者として崇められて大衆の愛国心をあおることを恐れて、
市街地北西のアーバー・ヒル刑務所の敷地内にひっそりと埋められました。
近年になってモニュメントがつくられ、手前の緑地帯を縁取る花崗岩のプレートに、アイルランド語と英語で墓碑銘が刻まれました。
モニュメントの十字架の両側には、アイルランド語と英語で「独立宣言書」全文が刻まれていました。これが、GPO前で声高らかに読み上げられたアイルランド初の独立文書。

全文を読んでみたい方は
こちらのサイトにあります。
シュネードはアイルランド語で、私は英語で、彼らの墓所の前であたらめて読んでみましたが、何度読んでも彼らの熱い情熱がたぎる感激的な文章だと思います。
シュネードいわく、この「独立宣言書」は出だしからしてすごいんだそうです。
女性の選挙権さえまだなかったこの時代に、「アイリッシュメン並びにアイリッシュウイメン」で始まるとはなんと画期的な!
ジェイムズ・コノリーを敬愛するシュネードは、彼の名が刻まれたプレートの前で感激もひとしお。しばし黙祷をささげていました。
アイルランド人にとっては特に神聖な場所であることはいうまでもありません。
アーバー・ヒル墓地は、国立博物館・本館(コリンズ・バラック)の裏手にあります。博物館の駐車場から坂を上がり、道路を渡った向かい側。
訪れる人も少ない場所ですが、独立時代の歴史にご興味のある方は、ぜひとも行ってみてください。いろいろな思いが込み上げてきます。

(モニュメントはこちら
The Church of the Sacred Heartの裏にあります)

(教会の隣りに今も残る
アーバー・ヒル刑務所の建物。19世紀ビクトリア様式の典型的な刑務所)
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