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『ライブラリーの死体』展

トリニティー・カレッジのオールド・ライブラリー内のロング・ルーム(The Long Room)では、数ヶ月ごとに展示内容の変わる古書の特別展が常に行われています。
昨年後半は植物学に関する蔵書の展示で、ダーウィンのサイン入りの押し花ノートの1ページが展示されていました。

そして先日、久しぶりにお客様をお連れしたところ、「The Body in the Library」という新しい展示が始まっていました。
一体何の展示かしら…とよく見てみると、「the great detectives(偉大なる探偵たち)」との副題が。

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1Fのライブラリー・ショップではいかにも…の「探偵」がお出迎え!

1841~1941年までの100年間の探偵小説の歩みを原書でたどってみましょう…という趣旨の展示で、19世紀半ばの探偵小説発祥の頃のもの(エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』がありました。子供の頃、読んだなー)から、シャーロック・ホームズ(生みの親アーサー・コナン・ドイルはアイルランド系)などヒーロー探偵が登場し始めた頃のもの、そして1920~30年代の推理小説黄金期のものまで、この手の本が大好きな方にはたまらない…といった書の数々が。

ショーケースのいちばん最後は女流推理小説家の著書で、アガサ・クリスティー登場。そこではたと気づきました、そう、展示のタイトル『The Body in the Library』とは、ミス・マープルの『書斎の死体』の原文だったのです。

そして、「ライブラリーに死体」…のその名のとおり、白チョークでなぞった死体のマークがちゃ~んと床にあるではないですか。(ロング・ルームは撮影禁止なので、写真を撮ってお見せ出来ないのが残念…)
臨場感たっぷりの粋な演出に、お客様も大喜びでした。

それにしてもここの図書館長さん、とっても厳しい方で、いつもおっかないな~と思っていたのですが、実はこんなユーモアのある方だったんですね。
ライブラリー・ショップで早速『The Body in the Library』を購入し、今読んでいます!

The Body in the Library – the great detectives 1841 to 1941
Trinity College Library, College Street, Dublin 2.
Tel +353 1 896 1661
☆オールド・ライブラリー(Old Library)内のロング・ルーム(Long Room)にて、2009年6月15日まで

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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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