アイルランドのブライアン・カウエン首相(Taoiseach Brian Cowen)とメアリー・コクラン副首相(Tánaiste Mary Coughlan)が、来週、日本にやってきます。
本日外務省より正式な発表があり、来日予定は1月12日より6日間。東京と大阪でビジネス関連の視察を行うほか、天皇陛下との会見、麻生首相との首脳会談、慶応大学での講演も予定されています。
慶応大学での講演は以下の日程で行われ、一般の聴講が可能です。
アイルランド首相による外交政策に関する講演会
「アイルランド、欧州、そして日本-拡大する世界のパートナー」
日時: 1月15日(木) 13:30~14:30
場所: 慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール
※入場無料、日英同時通訳あり、事前の申し込み要(申し込み締め切りは、1月13日9:00)
慶應義塾大学国際センターのこちらのページより、オンラインで申し込みが出来ます。
昨年5月にティーショック(=アイルランドでの「首相」を指す正式名称。アイルランド語の部族の族長を指す言葉に由来)に就任したカウエン氏。
就任以前、外務大臣→財務大臣だった頃、ある時はランチタイムに国会議事堂付近で、またある時にはテンプルバーのパブで(ちなみにカウエンさんのご実家はパブ)…と、何度も街でお見かけしました。
シティセンターの狭いダブリンでは、政治家や芸能人と街で行き交うのは珍しいことではないのですが、大抵の場合、私は気がつきません(笑)。が、カウエンさんだけがいつもぱっと視界に入ってきたのは、そのコワモテの外観のせい…?
Wikipediaより
北アイルランドの和平プロセス、EU拡大など、難しい時期に外務大臣として重要な役割を果たしたカウエン首相。豊富な外交経験には定評があるものの、首相になってからは「コミュニケーション能力に欠ける」「品がない」など、いつも「たたかれ役」。
しかし、見ていると、たたいても強気な感じのカウエンさんに、国民はなんとなく安心しているような…。
多少のことがあってもノイローゼになったりはしなそうだし、それどころか「オレ様に何を言うか、ガッハッハ~」ってパブで豪語しては、次なる作戦を立ててそうだもの。
EU内での新たなアイルランドの位置づけ(リスボン条約)、景気の低下など、ある意味、国の転換期ともいえる難しい時期に突入した今のアイルランドには、人気者のニコニコ首相より、カウエンさんのようなコワモテ首相の方が、現実味のあるリーダーとしてふさわしいのかもしれません。
汚職をしても人気が衰えなかった前首相とあまりの違いに、初めは馴染めなかったのですが、こういう存在感を示すリーダーもあるのでしょう。
最近は、この人はもしや、国民の批判的精神を育てることで政治力を発揮しているのでは?などと思うことも…。
現に人々の国政を見る目は、以前より厳しくなったような気がします。
いずれにしても、ヨーロッパの現役首相の話を日本で聞ける絶好のチャンス。
私もぎりぎり帰愛前なので、時間が取れたらぜひ出かけてみようと思っています。
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コメント
シャー
ここ1ヶ月、日本はアイルランドづいていますね。紅白のエンヤ、桜庭一樹さんのジョイス・ダブリーナズ(見逃してしまいました)、12月にはダーヴィッシュのコンサートがあり(行きました!)、スウェル・シーズンが来て、仕上げは首相という愛蘭土ラッシュです。ああ、『聴いて学ぶアイルランド音楽』というテキストも出版されましたね。
今年もアイルランドからの楽しい情報、よろしくお願いします。
2009/01/07 URL 編集
naokoguide
『聴いて学ぶ…』も読んでみたいと思います。ありがとうございました。
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします!
2009/01/07 URL 編集