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ジョイスのダブリンを撮影

今年最後の仕事となったTV撮影のコーディネートが、今日で無事に終了しました。

今回の撮影は、ジェイムズ・ジョイスの『ダブリン市民』の舞台としてのアイルランドを、直木賞受賞作家の桜庭一樹さんが訪ねるという紀行番組。
ダブリン市内のジョイスゆかりの場所、郊外の作品世界を連想させるような場所を、桜庭さんやスタッフの皆さんと3日間かけて撮影してまわりました。

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ジェイムズ・ジョイス像(Earl St, off O'Connell St, Dublin1)にて。(桜庭さんご本人はスタッフの方の影に…)

この時期のダブリンはとにかく日が短く、明るいところでの撮影時間は朝8時から夕方4時が限界。毎日がまるで、日暮れとの戦いのようでした。
さらに困ったことには、これはお正月番組だというのに、街はクリスマス一色!
どこもかしこもクリスマスの装飾がいっぱい、流れてくる音楽もクリスマス・ソング、さらにはトナカイやサンタに扮装している人もいたりして…。(笑)

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きれいな朝焼け!これで朝8時ちょっと前…。オコンネル橋(O'Connell Bridge, Dublin1)より

今回の仕事は、私にとっては、ジョイスについてあらためて勉強する良い機会となりました。
仕事柄、ジョイスの人生、作品の舞台やゆかりの地についての知識はあっても、作品そのものは、実はあまりちゃんと読んだことがなかったので。
文学はかなり好きな方ではあるのですが、どうもこういう小説らしい小説の鑑賞能力が欠けているのか、『ダブリンの市民』に関していうなら、ひとつのストーリーを声を出して2~3度読むとかしないと、どうも内容がピンとこないのです…。
今回、よく読んでみて、ジョイスは読むより耳で聞くといい、とよく言われる理由が、なんだかわかったような気がしました。

「アイルランド的」だと言われることがあるという桜庭さんの作品も、今度ぜひ、読んでみなくては!
番組の放送は、2009年1月2日(金)です。

一読永劫 ベストセラー作家が選ぶ名作の風景
BS-i 2009年1月1・2日(木・金) 2夜連続 19:00~20:54
(桜庭さんとダブリンが登場するのは、2夜目の1月2日です)

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コメント

kimiko

行く前に『ダブリンの人びと』(筑摩書房)を読んでいきましたが、若いときには味わえなかったかな、と思える苦い味がする。ジョイスは歯がたたないと思ってきましたが、読み直してもそっと深く読みたいです。

桜庭さん、話題の人ですね。
「好きな本」が私のポイントと一緒だったので、読まなければと思っている作家さんです。「アイルランド的」と言われてるなんて、なおさらだ。(笑)

日本の月もデッカいです。それだけでうれしくなります。
月に吠えたくなる感じ。

naokoguide

Re: タイトルなし
そうですね、私もジョイスはわけがわからない・・・と思っていましたが、以前よりも楽しめるようになってきた気がします。
あの、ちょっとブラックな感じが、わかるようになったのかしら?(笑)

桜庭さんは、作家さんとしてのプロ意識のすごい方で、その上、謙虚で素直な感性をお持ちで、素晴らしいなあ、と思いました。
撮影中の、そんなお人柄がにじみ出たトークが、とても興味深かったです。


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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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