今週もまた、友人の用事に便乗して、ケリー(Co. Kerry)へ。
リング・オヴ・ケリー(Ring of Kerry=ケリー周遊路)として有名なイベラ半島(Iveragh, Co. Kerry)の先端近くまで行ったので、バレンシア島(Valentia Island)へも足を延ばしてみました。

バレンシア島からディングル湾(Dingle Bay)をのぞむ
バレンシア島は長さ11キロ、幅3キロという小さな島。
小さいながらも大変興味深い島で、石器時代の古墳やオガム石などの史跡が多く残されているほか、スレートの産地として、また、1858年の世界初の大西洋横断電信の発着地としても、その名を知られています。

島内一大きな町、Knightstownの港の時計塔

スレートの石切場(長い間閉鎖していたが、1998年に再オープン)。ロンドンの国会議事堂、ウェストミンスター寺院、セント・ポール大聖堂、パリのオペラ座などにここのスレートが使われている
そんな見どころの中でも、私がぜひとも見てみたかったのが、この島で1992年に発見されたという、世界最古の四足動物の足跡!

島の北側。ラジオ・ステーションを目指して進んで行くと、途中に手書きの看板あり。それに従って進むと、この看板のある小さな駐車スペースへ行き着きます
ここより海へ向かって、歩くこと約5分。
説明書きの石碑を過ぎて、さらに海まで下ると、目の前に荒々しい景色が。

目指す「足跡」は、この岩の上にありました。
脊椎動物の化石としては世界最古で(それより古い化石として発見されているのは魚のみ)、どのくらい古いかというと、なんと3億8500万年前!

この写真ではさっぱりわからないと思いますので、「足跡」を白くマークしてみました
↓
(写真をクリックして、拡大して見てみて下さい)

一部を接写すると、こんな感じ。

この岩に記された点のような「足跡」が、この場所に約200発見されているそうで、1匹の足跡だけではないそうです。
3億8500万年前、アイルランド島は現在の形では存在しておらず、元になる台地は南半球の暖かいところにありました。
その四足動物は体長約1メートル、こんな姿で砂地を這い回っていた…と想像されています。

説明書きのボートより
この巨大トカゲみたいな生き物が、うようよと平和に這い回っていた太古の昔に想いを馳せると、なんとも可笑しくて、楽しい気分になってくるではありませんか。
さらに、こういうかすかなものを、「足跡だ!」と見ることの出来た、最初の発見者はスゴイ。
(発見者はIwan Stosselさんというスイス人。当時は、地質学を研究する学生さんでした)
バレンシア島は本土と橋でつなげられているのですが、島内の道幅が狭いため、大型バスでは周遊することが出来ません。
これまでリング・オヴ・ケリーのツアーをするたびに、車窓からバレンシア島を眺めながら、幾度となく、この四足動物の足跡の話をお客様にしていたので、ついにホンモノを見ることが出来て感激。
アイルランドのかなりの地を見てきたつもりですが、それでもまだ見たことのないもの、行ったことのない地というのが次々思いついてきて、楽しみはつきないな~、とあらためて思ったのでした。

帰り道、本土へ続く陸の橋の手前にて
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コメント
kimiko
風景も、足跡も、大興奮です。
行きたい、行きたいって、住まなきゃ行けないほど行きたいところが増えちゃってたいへんです。(笑)
南半球にあったんですか、アイルランド。そのへんの動き、ちょっと調べてみよ。
2008/12/09 URL 編集
naokoguide
そう、アイルランドは南半球から移動してきたんですよ~。
面白いですね。
2008/12/09 URL 編集