キラーニー(Killarney, Co. Kerry)に住む友人とは、かれこれ10年来のお付き合い。
私にアイルランドのことをいろいろと教えてくれた恩人のような人なのですが、彼が、出会って間もない頃に私に付けたニックネームがあります。
その名も「ナタージャック(Natterjack)」、カウンティー・ケリーにのみ生息する、珍しい種類のヒキガエルの名です…!

ナタージャック(
Natterjack Toad)は、アイルランドで見られる唯一のヒキガエルの種。カウンティー・ケリーのごく限られた地域にのみ生息しています
なぜ、その名で呼ばれるようになったのかというと、以下の特徴が同じだから?
・小さい → ナタージャックはヒキガエルとしては小型
・ベラベラ止まらずにしゃべる → ナタージャックは鳴き声が大きいことで有名(Natter=「おしゃべりする」)
・なんだか変な日本人 → ナタージャックはヒキガエルとしては珍しい種
・ナオコの「ナ(Na)」が一緒!
いくらヒキガエルとはいえ、呼ばれ続けているうちにすっかり愛着が湧いて(笑)、いつかホンモノに対面したい!…と思い続けて早10年。
冬場は冬眠していると知りながらも、夏にケリーに来る時はいつも仕事で逆に時間がないので、一か八か、生息地であるキャッスルグレゴリー(Castlegregory, Co, Kerry)へ行ってみることにしました。
Castlegregory Golf and Fishing Culbにて(上の写真もここ)、ナタージャックを大捜索!春から夏にかけては、ゴルフ場でナタージャックの大合唱が聞こえるそうです
たまたま居合わせた地元の方が一緒に探してくださいました。
そもそもナタージャックは夜行性なので、夏でも、昼間に見るのは難しいようです。
冬季は通常、池のへりに穴を掘ってその中で眠っているらしいのですが、時々、こういうところにいることもあるそう。

まるでナタージャック博士のようなジョンさん。慣れた手つきで探っていました
あちこち探るもなかなか見つからず、やはり夏に出直しましょう…とあきらめかけた時、ふとジョンさんが、「昨日、うちの排水溝に一匹いたんだけどなあ~」とぼそっとつぶやくではありませんか。
その言葉に固まった私を見て、「まだそこにいるかどうかわからないけれど、良かったら見に来ますか?」とオファーしてくださいました。
早速、ジョンさんの車について、お宅へ。
ジョンさん家の庭の排水溝らしき穴を探ると、なんとそこに冬眠中のナタージャックが待っていてくれました。

水につけて目を覚まさせて、私の手の平にのせてくれました…ついにホンモノに対面!
これはまだ生後1年くらいのサイズで、通常この倍くらいの大きさにまで成長するそうです。
背中のライン(夏には黄色く見えます)は、他のヒキガエルには見られないナタージャックだけが持つ特徴です。
ナタージャックには謎も多く、いつどうやってアイルランドに入ってきたのか、どうしてカウンティー・ケリーの限られた地域にしか見られないのか、わからないそう。
キャスルグレゴリーの他、ドゥークス・ゴルフ・コース(
Dooks Golf Links, Glenbeigh, Co. Kerry)にも生息しており、いずれのゴルフ場もナタージャックの保護区となっています。

ドゥークス・ゴルフ・コースのマークにもなっています
それにしてもアイルランドでは、こういうふうに何か探していると、その方向に導いてくれる人がひょこっと現れたりするから不思議。
ジョンさんが一体何者で、なぜゴルフ場にいたのか分かりませんが、まるで私とナタージャックを引き合わせるために来てくれたような、絶妙なタイミングでした。
10年越しの夢がかなって、ついに対面できたホンモノのナタージャック。
ふと思えば、次の特徴も私と似ているかも?
・冬はシーズン・オフ → ナタージャックは冬は冬眠
・ウサギ好き → ウサギの穴を借りて冬眠するナタージャックも(!)
今度は夏に、その有名な鳴き声を聞いてみたいものです。

'PLEASE STAY OUT OF MY POND' by ナタージャック!
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コメント
きうち
2008/12/03 URL 編集
naokoguide
私もこのニックネーム、とっても気に入っています~。
2008/12/06 URL 編集