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ヒツジ・チーズの農場へ!(ティペラリー旅行7)

乳製品では世界のトップクラスを行くアイルランドですが、チーズに関しては歴史が浅く、アイルランド産チーズが評価され始めたのはここ10年のこと。

そんなアイリッシュ・チーズの代表格といえば、食品加工業が盛んなここ南ティペラリー産のCashel Blue。国内に広く流通しているので、ダブリンに住んでいる私もよく食べています。家族経営で行っているCashel Blueの製造過程をぜひぜひ見学したかったのですが衛生上の理由から実現せず、代わりに、工場へミルクをおろしている農場を紹介してもらいました。

訪れたのはロック・オブ・キャシェルのすぐ近く、ブラウンさん一家が親子2代で経営するバリナモナ(Ballinamona)農場
ここではCrozier Blueというチーズになるミルクを生産しているのですが、なんとこのチーズ、牛ではなくヒツジのブルー・チーズ。バリナモナ農場は、国内に5件しかない、乳牛ではなくて乳ヒツジを飼育している、珍しい農場なのです!

こちら、お母さんヒツジから離れたばかりの、生後3日の子ヒツジちゃんたち。かわいい~。

babylamb


哺乳瓶でミルクをあげさせてもらいました~。

milkinglamb


ちなみにここに集められているのは全員オス。乳ヒツジにはなりません。ということは…この子たちの運命は、おいしいラム肉となって天寿をまっとうすること。中には、パリの高級レストランでその生涯の幕を閉じる子もいることでしょう(ラムの輸出の9割はフランスへ)。

17世紀から続く伝統的なファーム・バリナモナ。ご長男ルイの案内で、広い敷地をすみからすみまで見せてもらいました。

ballinamonafarm


跡継ぎとなるルイは、ダブリンの大学で農業を学び、研究所に勤めていたという新しい時代の農業を目指す若者。2年前にバリナモナに戻り、ご両親と弟さんのヘンリーと、本格的に農場経営を始めたそうです。

「ここの草は、200年前から一度も種をまいたことがないんだ。それでも枯れることはなく、春になると特別なハーブか何かでとってもいい匂いがする。具合の良くない牛やヒツジをここに放すと、すぐに良くなるんだ。どうしてなのか、僕たちにもよくわからないんだけどね~」
そこは、岩の上のロック・オブ・キャシェルを遠景に見晴らす場所。古代からの、不思議な力が魔力をおよぼしているのでしょうか…。

土地に敬意を払い、伝説的な方法を大切にしながらも、海外のマーケットを視野に入れ、多角的な農場経営を目指す夢いっぱいのルイ。
「育てる」仕事って夢いっぱいで素敵だな~私も農場経営してみたいな~なんて、私たちが楽しく農場を歩いている頃、姿を消していた弟さんのヘンリーは…

milkinghenry


じゃ~ん!250頭ものヒツジの乳搾りの真っ最中…でした。

いっせいにお尻を向けているヒツジちゃんたちのお乳にチューブをはめていくこの作業、なんと一日2回、朝6:30と夕方4:30に行うそうです。やっぱり、農場経営の現実は厳しい~。

牛の乳搾りは見たことがあっても、ヒツジの乳搾りの光景って珍しいですよね!
作業が終わったら、競走馬のスタートのようにゲートを開けると、ミルキング終了のヒツジたちはいっせいに飛び出していって、次のヒツジたちが入ってくる仕組みです。

見学の最後は、いよいよヒツジのブルー・チーズの試食。出来立てのCrozier Blue Cheeseと、同じくCrozier印のヨーグルト

cheesetasting


ヒツジのブルー・チーズは、牛やヤギよりも癖がなく食べやすい!私はキャシェル・ブルーよりもおいしいと思いました。ルイ曰く「ミルクは牛、バターはヤギ、チーズはヒツジが一番」。
そして、ヒツジ・ヨーグルトの濃厚でクリーミーなことといったら!通常のヨーグルトと、クリーム・チーズの合いの子みたいな感じ。近くに売っていたら、毎日食べたいくらいです。

ちなみに、商品名のCrozier(クロージャー)=司教杖。司教座だったロック・オブ・キェシェルにちなむ名前。パッケージをよ~く見ると、渦巻状になった司教杖の先端がうっすらとデザインされていました。

ほんの1時間ほどの予定で立ち寄ったバリナモナ農場でしたが、なんと3時間も過ごしてしまった私たち。試食が終わった頃にはすっかり日も暮れて、外は真っ暗。(しかしヘンリーは、まだまだ乳搾りをしている…)
近頃パパになったばかりのルイに、あらかじめ用意してきた赤ちゃん用トーイをプレゼントして、クロンメルのホテルへと引き上げました。

ブラウンさん一家の情熱&夢いっぱいの姿に、アイルランドの農業&食品加工業の明るい未来を見た気がしました!

バリナモナ農場の見学&お問い合わせ
Louis Clifton Brown
Ballinamona Farm, Cashel, Co. Tipperary
Tel: +353(0)62-61120
Fax: +353(0)62-63752
Email: crozierblue@eircom.net


★ガイドたちのティペラリー研修旅行
1.オタクなガイドたちの研修旅行
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4.ヒツジに注意!
5.クロンメルのミネラ・ホテル
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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。
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