今回のスコットランドへの和解の旅の参加者、ファシリティターのうち4名はデリー出身者。
彼らの取材のため、私たち取材班は、旅の前後に何度もデリーへ足を運びました。

デリーへ行くといつも虹が…。よく見ると、ダブル・レインボーです!(城壁からボグサイドを見晴らす)
カトリック、プロテスタントの人口比がほぼ同数のベルファーストに比べて、デリーは70パーセント以上がカトリック。
ここでの紛争はベルファーストとはまた様子が異なり、主に、リパブリカン(カトリック)と英国軍との戦争でした。
今はすっかり活気ある街となったデリーですが、思えば私が初めて訪れた10年程前には、まだ英国軍の装甲車が走っていたものでした。

'Hands Across the Divide'(Carlisle Road, Derry City)…分断を超えて手をつなぎ合おうとする「和解」とテーマとしたモニュメント。デリー出身の彫刻家によるもの。
デリーはアイルランド唯一の城塞都市。今回、何度も訪れるうちに、以前にも増して街の美しさ、人の温かさに胸を打たれました。
今回の旅にはデリーから元IRA兵士だった男性が2名参加していたのですが、2人とも素晴らしい人間性の持ち主。彼らの壮絶な過去の話、紛争時代の辛い経験を聞いたあと、あらためてデリーの街を見晴らすと、それは胸が痛いほど美しく、彼らの家族やコミュニティーへの想いがひしひしと伝わってくるのでした。
人は彼らを殺人者と呼ぶかもしれませんが、私には、愛する人を守ろうとする真の戦士に見えました。
(ちなみにお2人とも実刑を受けて服役、その後改心して和平の活動に携わっておられます)
今回の取材でデリーを訪れるのは、今日が最後。
ベルファーストへの帰り道は、今はタクシー運転手である元IRA兵士Cさんが送ってくれ、楽しく帰って来ました。
彼らを訪ねて、またデリーへ行きたいなと思います。
※デリーに関する過去ブログ:
「私の愛する街」デリー
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