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ティルト渓谷で心の旅

スコットランドでの撮影を無事に終え、再びベルファーストに戻ってきました。

訪れた場所は、エディンバラより車で約2時間、スコットランド高地のティルト渓谷(Glen Tilt)。
携帯電話も通じない人里離れた谷間にて、和平維持プロジェクトの参加者、ファシリテーター、山岳ガイド、私たち撮影隊の総勢16名で、非常に密度の濃い貴重な5日間を過ごしてきました。

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谷間一面が緑&秋の色…!

宿泊したフォレスト・ロッジ(Forest Lodge, Blair Athol村より約11キロ)は、かつての伯爵の狩りの館。

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思いのほかロマンチックな場所でびっくり。

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日々のワークショップは、暖炉のあるこの部屋で行われました。

食事は山岳ガイドのサムを中心に朝昼晩とみなで作り、なんだか合宿気分。
大自然の中で、仕事とはいえ、心身ともに癒されて、すっかり元気になって帰って来ました。

この旅は2002年から行われているもので、北アイルランド紛争で傷を負った加害者、犠牲者たちが共に旅をすることで理解し合い、和解や癒しといった心の旅を続けていくことを目的としたもの。
今回、撮影クルーのコーディネーター役として全行程同行させていただいたのですが、私にとっても、これまでにない大変貴重な経験となりました。

私の主な仕事のひとつは、ワークショップ中に人々が話す内容をディレクターさんにひたすら通訳すること。カメラが回っているので話せないため、ひたすら筆談で通訳。
かなり繊細な内容で、しかも膨大な量の英語を浴びるように聞いて訳すので、この5日間でなんだか英語力がぐんとアップしたような…。

またワークショップ中、参加者それぞれが自分の過去を話し、死や殺人、戦争などをテーマとした繊細な問題について議論し合ったりするのですが、それはそれはヘビーな場面もあり、私自身が感情をゆすぶられ、ぐっとくることも。
そんな時、4人のファシリテーターたちが私にまで気をつかって「大丈夫?」と声をかけてくれたことが本当にありがたく、彼らの心のキャパシティーの広さに頭が下がる思いでした。
さらに、日に日に顔色が明るくなっていったり、敵だと思っていた人に「人間としての顔」をつけて見られるようになった、と語り出したりする参加者たちの変化を目の当たりにし、彼らと過ごすことで私自身も癒されたようです。真剣に心の痛みや苦しみに立ち向かおうとする人々と一緒に過ごし、私も何かを後にして新しい自分に生まれ変わったような、すがすがしい気持ちになりました。

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屋外でのアクティビティー。雨、雪、嵐、快晴の青空!とすべての天候を体験

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最終日は谷間の景勝地を約4時間のウォーキング。お互いの胸のうちをすっかり出し合ったあとで、皆さん感慨深い気持ちで歩かれていた様子でした

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谷を挟み込むようにそびえていた丘。滞在中に雪が舞い、遠くの山は白く輝いて見えました

北アイルランドから離れ、バックグランドも、住む地域も、旗の色も関係のない、ただただ大自然の懐の中で、みなさん本当に気持ちを楽にすることが出来たようです。
このような真摯な生き方をする人たちと数日間を共にし、交流することが出来たことが、私にとっては何よりの収穫でした。

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私自身もティルト谷の川の流れに、さまざまなネガティブな想いを流して来た気分です…!

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コメント

おかえりなさい。

深く、心ふるえる日々を過ごされた様子が行間からも伝わってきます。これは日本にとっても痛切な問題です。先の戦争を、あまりにも検証していませんから。
つらく困難な作業でも、やっていこうとする意思がある。その意思をかたちにする力がある社会に敬服します。
こういった活動は、本当の勇気がないとできませんね。

スコットランドのハイキングで、心の旅・・・
ピルチャーさんの小説と重なる風景ですね。
ノーテンキな私はなんだか憧れます。
さすがのナオコガイドさんも?ご苦労されたお仕事だった様子が伺えました。心身共にゆっくり休息が取れますようお祈りいたします。

kimikoさんへ

まだまだ書きたいことがたくさんあるのですが、番組の内容に触れてしまっては…と思い、総括的な感想になってしまいました。
これまでの私の人生でひとつ欠けていた部分だったように思うので、この仕事をしたことは、何か大きな意味があったと思っています。

ta-sanさんへ

どうもありがとうございます。
そういえば、ピルチャーさんでしたね…今回は、あまりにもテーマが違ったので、全く思いもしませんでした(笑)。
本当に素敵なところでした。

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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