昨晩のイニシュモア島での宿は、キルマーヴィー・ハウス(
Kilmurvey House)というゲストハウス。
建物は、島には珍しい、18世紀の領主の館で、崖の名所ドゥーン・エンガスのふもとという抜群のロケーションにあります。


キルマーヴィー・ハウスから見えるドゥーン・エンガス。ちなみに、ここに宿泊客はドゥーンの入場料無料です
今回ここを宿泊先に決めたのには特別は理由があって、なんと、お客様の中のお一人M様が、今から20年前にここに宿泊なさったから。
実はご旅行をコーディネートさせていただく際、「宿の名は覚えていないのですが、こんな感じでした」と、地図を描いて送って下さり、それを見てすぐにこの宿だと判明。
そもそもイニシュモアにある宿泊施設は限られており、20年前から営業していた宿となるとさらに限定されるので、いただいた地図を見てすぐ、ここしかない!と確信したのでした(笑)。
20年の月日を経て、今度は奥様やお仲間の皆さんとキルマーヴィー・ハウスを再訪なさったM様。
このゲストハウスのことが強烈に印象に残っておられたようで、裏手に教会の廃墟があって、果樹園があって、廊下に本棚があって…と、細かく記憶しておられてびっくり。
夜にはちょっと、不思議体験もされたのだとか…。
確か宿帳に名前を書いたはず…とおっしゃるM様。そのことを宿の奥様(M様が前回いらした時には、彼女のお母様が女将さんでした)に話すと、当時の宿帳を出してきて下さいました。
そして、20年前のページをくってみると…あった、あった!
1988年5月の日付で、M様とその時の旅のお仲間のお名前、そして、ページのはじっこに描いたイラストまでちゃんと残っていたのです!

現在のゲストブックにも、しっかりサインしてきました。また20年後に来られるかな…?
これには一同、大感激。M様の思い出話をうかがいながら、20年の月日を一気にタイムスリップしたような不思議な気持ちになりました。
この20年、アイルランドには未曾有の経済成長が起こり、アラン諸島のような島までも徐々に変わりつつあります。
経済成長以前のまだまだ貧しかったアイルランドを旅されたM様。当時の旅のお話を聞くにつれ、今となっては多くの人々が忘れかけている古き良き時代のアイルランドを、ちょっぴり懐かしく思ってしまうのでした。
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コメント
kimiko
98年発売の日本の雑誌に、最高にすばらしい宿だが、
「この家で昔のことを聞いてはいけない」とあったので。
ぜひ一度、泊まりたい場所です。
それにしても、9月のほうがお天気よさそうですね。
2008/09/21 URL 編集
naokoguide
どういう意味なのでしょうか?
村人のみが知る、隠された秘密があったりして!
2008/09/24 URL 編集