今週はシーズン中休みといった感じで仕事が少なかったので、久しぶりにプライベートな時間を多く持つことが出来ました。
ベルファーストで、ドネゴールで、ダブリンで…友人たちと会って楽しく過ごし、すっかりリフレッシュ。
そんな中でひとつ、ちょっと不思議なインスピレーションがありました。
どういうわけか、会う人会う人の口から、今は亡きアイルランドのカリスマ的ロック・シンガー、
フィル・ライノット(Phil Lynott)の名が飛び出すのです。
そもそも2週間ほど前、ご案内したお客様のお一人がフィル・ライノットの大ファンで、フィルのお墓参りをしたいのでお墓の場所を教えてください、とおっしゃったのが始まりだったかもしれません。
私はそもそもロックはあまり聞かないし、音楽全般にうとい方なので、フィル・ライノットもティン・リジー(日本では「シン・リジー」と表記されますが正しくは「ティン・リジー」)も実は最近までよく知りませんでした。2005年にダブリン・シティ・センターのグラフトン通り脇(Harry Street, off Grafton Street)にフィル・ライノット像が完成、ラジオでよくかかっているあの曲がこの人だったのね~、とつながったくらい。
職業上の関心から、彼の生涯や演奏したパブ、お墓の場所などをその時に調べたのですが、普段めったに聞かれない質問なので記憶の奥底にいってしまっていて、しばらくしてからあ~っと思いつきました。
なんとフィル・ライノットの墓所は、今年2月に引っ越した現在の私の住まいのすぐ近くだったのです。
そのことがあって以来、フィル・ライノットの名が会う人会う人の口から飛び出し始めました。
いちばん驚いたのは、ミュージシャンである長年の友人が、今から35年ほど前に自分が歌ったアルバムがデジタル化されて、日本でもCDが発売されているらしい、フィル・ライノットと一緒にレコーディングしたアルバムなんだ~、と突然話し出したこと。
その時はフィルはベースで、別のバンドにいた彼がボーカルをつとめたそうです。アルバムの出来はイマイチだったけど、レコーディングはとても楽しかったと、当時の思い出話を語ってくれました。
ベルファースト出身の当時のフィルのガールフレンドがとってもきれいだったこと、フィルが飼っていた子猫がミュージシャンたちのタバコの煙にむせてぴょんぴょんジャンプしていたこと…などなど。
そして先日、また別の友人が我が家に遊びに来たときのこと。突然、「フィル・ライノットのお墓参りをしようよ」と言い出すではありませんか。
なんと彼は子供の頃から筋金入りのティン・リジー・ファンで(よく見たら彼の腕には「Thin Lizzy」とタトゥーが入っていた!)、それこそフィル・ライノットに憧れて北アイルランドからダブリンに出てきたのだそう。22年前、フィルのお葬式の時もまさにそこにいたそうです。
彼のことも過去何年か知っていますが、そんな話は一度も聞いたことがなく、このタイミングでまたもやフィル・ライノット話が出たので驚いてしまいました。
広い墓地の中、何度もこの場所に来ている彼のおかげで、フィルのお墓はすぐに見つけることが出来ました。


フィル・ライノットが亡くなったのは、1986年1月4日。今も世界中からやってくるファンたちの捧げものがいっぱい。St. Fintan's Cemetery(Sutton, Dublin13)にて
私がこの地に引っ越して来たことも含め、フィル・ライノットを通していろいろなことがひとつの糸でつながったような感じでなんだか不思議。
フィル・ライノットのことなら何でも知ってるぞ!と得意げなその友人は、お墓の前でティン・リジーについて次から次へと熱く語り始めました。これまで知らなかった、友人の新たな一面を垣間見た感じ…。(笑)
今度、ティン・リジーのCD&DVDを全部貸してくれるそうです。楽しみ。
- 関連記事
-
コメント
-
2008/08/13 編集
Sumire Woods
先日このブログのPhil Lynottの事を読ませて頂いた後私の
お気に入りのラジオ番組Planet Rock(クラシック ロックを聞かせてくれる)にスイッチを入れたらThin Lyzzyの曲が掛かりました。
新しく昔のライブ版が出るということでした。
私も彼が死ぬ前に2度程コンサートにも行きました。
友達がThin Lyzzyのギターリストと友達で後にバンドのマネジャーを
していた事もあって、やはり曲が掛かると懐かしいと思います。
でもやはり奇遇ですね。
Phil Lynott続きで....
それではまた
2008/08/27 URL 編集
naokoguide
先日CDを買って、ほとんど毎日聴いています(笑)。初めて聴く曲が多いのに、なんだか懐かしくて不思議です。
2008/08/28 URL 編集
rainmaker
http://rainmaker-goldenyears.blogspot.com/2008/10/still-in-love-with-you.html
最近、また彼のことを考えたりして、アイルランドに行きたいな~と思っていたところこちらのブログを拝見しました。 いつか本当に実現した時に、ご縁があるかもしれませんね。 また時折訪問させて頂きますね。
2008/10/16 URL 編集
naokoguide
ぜひぜひ、また、アイルランドにいらしてください♪
これまからもどうぞ、よろしくお願いいたします!
2008/10/17 URL 編集
Nakamura
突然のメッセージで失礼致します。
私は2008年7月にアイルランド政府観光局のファムツアーでお世話になった者で、このページに書かれていらっしゃるフィル・ライノットの墓参りをした者です。NHK BSの「地球タクシー」を拝見し、いろいろ検索した結果、こちらのページに辿り着きました。
もしよろしければお手紙を書きたいので、メールでやりとりさせていただけませんでしょうか?
2019/12/02 URL 編集
naokoguide
もちろんです!メールさせていただきますね。
2019/12/02 URL 編集
深野みさを
私もPHILの墓参に行きたい+彼の銅像と写真を摂りたい・と常々切望している婆さんです。
THIN LIZZYの音楽が気に入られたとの事、嬉しい限りです😹
私は、Rory Gallagherと云う(今は亡き)ブルーズロックギタリストのお陰で愛蘭土に興味を持ち、次いでTHIN LIZZYに依って、かの国が大好きになりました。
THIN LIZZYの“Roisin Dubh(Black Rose)A Rock Legend”は聴かれましたか?
この曲が一番好きな私です。
聴く度に感動に打ち震えます。
ダブリンは暮らしにくくなっている(物価高で)と聞きましたが、あなたは大丈夫でしょうか?
宜敷ければ、メールを頂けたら有り難いです。
かしこ
深野みさを
2023/11/21 URL 編集
naokoguide
フィルのお墓は今も訪れる人が絶えません。育った家も、私が住む場所の近くですし、Lizzyやフィルの楽曲は今もアイルランドのラジオなどでは日常的に流れています。
Rosin Dubh…いい曲ですよね!
いつかぜひ、お墓参りに来てください。
2023/11/28 URL 編集