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聖パトリックの泉(ティペラリー旅行3)

この旅行の日程を考えている時に、私が絶対行きた~いと提案したのがここ、クロンメル近郊のMarlfield村にある聖パトリックの泉(St. Patrick's Well)

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西暦432年、アイルランドにキリスト教を布教した聖人パトリックは、アイルランド中を布教活動して歩いたため、あちらこちらにゆかりの地が残っています。
パトリックはこの近くのロック・オヴ・キャシェルでマンスター王を改宗していますので、おそらくその時にでも、この泉で信者を治癒したか何かしたのでしょう。

泉というのは、キリスト教以前のケルト人の信仰にも、とても大切なもの。
古代アイルランドでは、泉は豊穣のシンボルであり、女神エリューの子宮への入り口と考えられていました。エリューはアイルランドを象徴する大地の女神(国名Eireの由来)ですから、大地から湧き上がる泉を信仰=ケルトの女神と連結することになるわけです。
原始ケルト人は、泉が沸く場所を聖地と崇め、そこでさまざまな儀式を行っていました。この聖パトリックの泉も、キリスト教以前から信仰の場であったことは間違いないでしょう。

地元の聖パトリックス・デー協会とロサンジェルスのアイリッシュ・イスラエル協会などにより、60年代後半にきれいに整備されたこの泉は、現在は湧き水の池といった感じ。
なんと今でも、ふつふつと水が湧き上がっており、水面にバブルが上がっくる様子が池全体に見えていました。

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この現象は、地盤の石灰岩層がキャパシティーを超えたため、地表に水を放出しているためだそう。それだけ水が豊富なわけです。
ちょうど、木の枝を切り落とす作業をしていた地元ボランティアの方たちが教えてくださいました。

湧き水の池のほとりには、12世紀からの古い教会堂の廃墟

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中にあった石棺は、17世紀のクロンメル市長二コラス・ホワイトの棺。この人は、1650年クロムウェル軍の包囲からクロンメルの町が解き放たれた時の市長さんです。クロンメルは国内で唯一、クロムウェルの手に落ちなかった町なのです!

「静寂」という言葉がこれほどふさわしい場所が他にあるでしょうか。
巡礼のステーションにもなっているこの泉、夏には巡礼者や観光客がたくさんやってくるそうですが、何十人の人が来ようと、この静けさは壊されることなく、いつもそこにあるような気がしてなりませんでした。

★ガイドたちのティペラリー研修旅行
1.オタクなガイドたちの研修旅行
2.アイリッシュ・サイダーの故郷へ

コメント

St.patrick's well. すてき~!!
今回の旅行で時間がなくて断念したのがこの場所でした…。
帰国後にブログを拝見していたら、さすがNaokoさま! 当然行かれていらっしゃったのですね。
ご興味の対象が広範囲なのには感嘆しちゃいます。
しかも、お忙しいにもかかわらずブログをきちんと更新されておられるし、内容もしっかりしていてアイルランド初心者には超お役立ち(笑)です。ありがとうございます♪

これからも拝読させていただきますね。
メールもお送りしてみました。こちらとあわせてご高覧頂けると幸いです。

ご多忙と思いますので、レスやお返事はくださらなくても大丈夫ですので、アイルランド再訪の際はどうぞご相談にのってくださいね(^◇^)

大塚さとみさま
古い記事を見つけて読んで下さり、ありがとうございます。
久しぶりに読み返してみると、自分でも忘れていたようなことが書かれていて、我ながら、へぇ~とうなずいてしました(笑)。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします♪

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。
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