夏のシーズンになると、それこそ何十回となくお客様をご案内することになるタラの丘。
ここへ来る時はいつもツアーのお客様とご一緒なのですが、昨日は別の用事があったので、友人を誘ってプライベートで出かけて来ました。

綿菓子みたいなフワフワの雲!
タラの丘は、古代ケルト時代のアイルランドの首都であった場所。首都といっても、当時のアイルランド島は統一国家ではなかったので、現代の行政上の意味合いでの首都というのではなく、儀式の上での中心地…とでも言ったらよいのでしょうか。
年に一度、島内に連立する部族単位の小王国の王たちがここに一同に会し、宴会を開き、王の中の王、すなわち象徴的なアイルランド王を選出する儀式を行っていました。
時間があったので、普段はなかなか歩いていかない遠くの塚を歩いてみたり、隣接するお墓をじっくり見てみたり。

タラの丘の「妖精の木」。ご神木として崇められている木を、アイルランドではこう呼びます。近くで見ると、枝に布切れやリボンが結び付けられているのですが、それを結んで「願掛け」をします

タラの丘は私有地なので、ナショナル・モニュメントであると同時に、羊の放牧も行われています。可愛いけれど、丘を歩く時は落し物に注意!

隣接する墓地のエリアにあるスタンディング・ストーン。おそらく初期キリスト教時代のもの。下の方に
シラ・ナ・ギグっぽい人像が彫られています
タラの丘が重要であったのは、紀元前700年~紀元後700年位の間。キリスト教が定着し始め、修道院が社会を統制する中心的な役割を担うようになると、タラの王の威厳が薄れていき、徐々に廃れてしまったようです。
当時の建造物は木造でしたので建物は何も残っておらず、それこそ「つわものどもは夢のあと」。その何もない、でも何か目には見えないものが宿っている感じが、タラの丘を特別な場所にしてくれています。
丘にのぼると、アイルランド島の4分の3が見張らせると言われています。
昨日は素晴らしいお天気でしたので、本当にどこまでもどこまで、それこそ西海岸の大西洋まで見えそうな勢いでした!
※過去の関連ブログ:
タラの丘の「妖精の出入り口」!/
タラの丘の聖なる泉
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