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アカデミー賞候補のアイリッシュ

明後日のアカデミー賞授賞式(アメリカでは24日ですがアイルランド・日本では翌25日)に向けて、ここ数日、アイルランド人俳優・関係者へのオスカーの行方が話題となっています。

今回、アイルランド国内でとかく注目されているのが、日本でも昨年暮れから公開中の『Once~ダブリンの街角で』に主演のグレン・ハンサード(Glen Hansard)とチェコ人のマルケタ・イルグロヴァ(Marketa Irglova)。
映画の中で2人が歌う‘Falling Slowly’という楽曲により、最優秀歌曲賞(Best Original Song)にノミネートされているお2人。水曜日に関係者一同とロサンゼルスへ発ったグレンとマルケタですが、連日のさまざまなオスカー前夜祭パーティーに楽しく参加している様子が、テレビ、新聞等で日々伝えられています。

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2月22日(金)付けThe Irish Times。とっても楽しそうなグレン、マルケタ(真ん中の2人)、監督のジョン・カーニー(右)。ロサンゼルスのホテルのレセプションにて

『Once』は、制作費15万ドル(約1700万円)という低予算、セットはほとんどそのままのダブリンの街並み、2台のカメラでわずか17日間で撮影したという驚くべき作品。
さまざまな国際映画祭に出品するもすべて断られ、国内のゴールウェイ映画祭で細々と上映されていたところ、たまたまホリデーでアイルランドを訪れていたアメリカの映画関係者の目にとまり、一度は出品を断られたサンダンス映画祭に再出品されることに。
そしてサンダンスで観客賞(ワールドシネマ部門)を受賞、全米で次々に上映館を広げ、まさかの大ヒットになってしまったというミラクルな音楽映画です。

グレンとマルケタのノミネートが最後の最後まで決まらなかったのも、かえって劇的でした。‘Falling Slowly’が映画のためのオリジナル楽曲として受賞資格があるかどうか、ラスト・ミニッツまで決定が下されず、締め切り11時間前に正式なノミネートがわっと伝えられたのです。
その日、ラジオからあの印象的なさびの部分が流れてくるのを聞くにつれ、昨年の秋、監督のジョン・カーニー、グレンとマルケタのインタビューをご案内させていただいた時のことが思い出されました。素朴でまっすぐなお人柄のお3人がどんなにか喜んでいることかと思うと、こちらも嬉しくなり、心の中で「おめでとう~!」と思い切り叫ばせていただいたのでした。
(よろしかったら過去ブログをご参照ください: 『Once』の監督ジョン・カーニー『Once』主演の2人・グレンとマルケタに会う『Once』のロケ地めぐり

発表後のBBCのインタビューで、グレン・ハンサードが語っていた撮影中のエピソードも印象的でした。
ダブリンのWalton'sという楽器店でグレンとマルケタが‘Falling Slowly’を熱唱、歌い終わると同時にOKを出した監督のジョン・カーニーは、「よ~し、これでオスカーをねらうぞ」とジョークを言ったそうです。
その時はみんなで笑い転げたそうで、まさかまさか、本当のことになるとは、本人たちも全く予想していなかったんですね。
この無欲の情熱、本当にいいものを作りたい!という熱意や強い信念にこそ、多くの人の心を動かすものがあったのだと思います。

もうひとり、若きアイルランド人のアカデミー賞候補として話題となっているのが、『つぐない(Atoment)』(2008年4月・日本公開予定)でキアラ・ナイトレーの妹役を演じ、助演女優賞にノミネートされたシーアシャ・ローナン(Saoirse Ronan)ちゃん。Co.Carlowに住む、若干13歳の女の子です!
彼女の演技は、素人目に見ても大変印象に残るものでした。(過去ブログ参照)
ニュージーランドで新作映画ロケ中のシーアシャちゃん、授賞式の前日にハリウッドへ駆けつけるそうです。

その他、今回のアカデミー賞にノミネートされているアイルランド人は…

・主演男優賞の最有力候補であるダニエル・デイルース(Daniel Day-Lewis、イギリス出身ですが現在はアイルランドに市民権を得てCo.Wicklowに住んでいます) … 『There Will Be Blood』

・撮影賞にシェイマス・マクガービー(Seamus McGarvey、北アイルランドのArmagh出身) … 同じく『つぐない(Atoment)』

・録音賞にピーター・J・ディヴリン(Peter J. Devlin、ベルファースト出身) … 『トランスフォーマー(Transformers)』

また、今回は本人のノミネートではありませんが、‘Raise It Up’という楽曲で『Once』と歌曲賞を競うことになる『August Rush』の若き女性監督クリスティン・シェリダン(Kirsten Sheridan)も、ダブリン出身のアイリッシュ。(映画監督ジム・シェリダンの娘)
一体いつくのオスカーがアイルランドに輝くのか、授賞式が楽しみです。

今年で80回目を迎えるアカデミー賞ですが、ニューフェイスが多いこと、またアメリカ人以外の俳優が多くノミネートされていることも話題のひとつ。
プレゼンターとして登場する豪華な顔ぶれを見るのも楽しみですね。


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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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