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エミベイルのナナカマドの木

全世界に散らばるアイルランド系の人々の数は、現在、推定8000万人。その昔アイルランドが貧しかった時代に、故郷を後にして移民した人々の子孫です。

『赤毛のアン』で知られるカナダのプリンス・エドワード島とアイルランドとの繋がりは、以前にこのブログ上でも触れさせていただきましたが、19世紀のある時期には、P.E.I.(プリンス・エドワード島の略称)の人口の3分の一がアイリッシュだったこともあったとか。
そして、現在のP.E.I.の総人口の少なくとも20パーセントの人々が、アイルランドのカウンティー・モナハン(Co.Monaghan)に先祖のルーツを発しているのだそう。そんな繋がりから、P.E.I.とカウンティー・モナハンは、姉妹都市提携を結んで交流しています。

2~3年前にモナハン出身のガイド仲間にこの話をしたところ、「エミベイル(Emyvale, Co.Monaghan)の川岸にP.E.I.からの記念樹があるわよ」と教えてもらいました。
その後、気になりながらも確かめに行くチャンスがなかったのですが、昨日、友人に付き合って北アイルランドのオマー(Omagh, Co.Tyron)へドライブに出かけた際、途中、エミベイルを通ったので見て来ました。

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“エミベイル(カナダ)からエミベイル(アイルランド)へ - このナナカマドの木はP.E.I.州首相Mr.Joseph Ghizにより植樹されました - 1991年3月16日エミベイル滞在中に”

カウンティー・モナハンのエミベイルからは、1830年代頃、60家族を超える村人が集団でP.E.I.へ移民しています。親子2代に渡ってP.E.I.へ渡り、そちらで地主となって成功していたジョン・マクドナルド(Fr.John McDonald)司祭の呼びかけにより、「よりより暮らしを!」と村をあげて集団移民したのです。

興味深いのは、初めのうちエミベイルの人々は、スコットランドのグラスゴーへ移民していました。当時のグラスゴーといえば産業革命の真っ只中。開拓時代のP.E.I.より暮らしぶりは良かったのでは…と予想されるのですが、工業都市での暮らしが農村地帯で生まれ育った彼らの性に合わず、グラスゴーへの移民は早々に打ち切られてしまいました。
一方、農業を主とするP.E.I.では、アイルランドの厳しい自然環境の中で培われた経験を思う存分活かし、充実した楽しい生活を営むことが出来たようです。
P.E.I.とアイルランドの繋がりは、移民によって出来たばかりではなく、そもそも土地柄にどこか似通ったところがあったのでしょう。

写真の石碑にあるように、P.E.I.にもエミベイルという地名があるようです。おそらくそこが、アイルランドのエミベイルから移民した人々が最初に開いた集落なのでしょう。
P.E.I.の州都シャーロットタウンの近くにあるようですから、次回、P.E.I.再訪の際には、ぜひ行ってみることにしましょう。
モナハン訛りの人たちが、今も住んでいるかしら?

それから写真のナナカマド、残念ながら今の時期は葉も落ちて寂しげですが、夏の初めに真っ白な花を咲かせる頃、または夏の終わりに赤い実をつける頃に、また見に来れるといいなと思います。

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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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