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バイキング船の再来・シースタリオン号

先日、国立博物館(National Museum, Collins Barracks)へバイキング船を見に行ってきました。

seastallion
長さ30メートルの巨大な船!博物館の中庭にど~んと展示されています

シー・スタリオン・フロム・グレンダーロック号(The Sea Stallion from Glendalough…Stallionは種馬・雄馬の意味)と名づけられたこの船は、1042年、バイキング時代のダブリンで造船された軍艦のレプリカ。
デンマーク国立博物館&バイキング船博物館のプロジェクトにより、出来る限り当時の方法・技術を再現する形で復元されたものです。

seastallion2

その昔、バイキング世界で一番の港町として栄えていたダブリン。
バイキングというと略奪・侵略…といった悪いイメージが先行しがちですが、実は、それまでのアイルランドにはなかったすぐれた土木建築技術や、現代に伝わる実用的な文化をもたらしたのは、デンマークやノルウェーからやって来たバイキングたちでした。
リフィー川に最初の橋を架けたのもバイキング、貨幣の鋳造技術を伝えたのもバイキング(ケルト人は川の浅瀬に丸太を並べて家畜を渡らせ、貨幣の概念は持たず、人や物の価値はウシ何等分…で決めていたので)、さらに「ダブリン(Dublin=Dubh Linn=アイルランド語で「黒い水溜り」の意)」という町の名を命名したのも、他ならぬバイキングだったのです。

シー・スタリオン号の元になったオリジナルの船は、アイルランド沿岸から北欧界隈にて半世紀ほど活躍した後、11世紀の終わりごろにデンマークのRoskilde Fjordで難破。
1962年、その難破船が実際に引き上げられ、今回のプロジェクトが始まりました。

見事完成したこの船は、もちろん、実際に航海可能なホンモノの船。
何度も試験航海を行い、ついに今年の夏、65人のクルーを乗せ、デンマークよりダブリンに向けて出発。
6週間の航海を経て、8月14日にダブリンに到着し、約1000年ぶりにリフィー川にバイキング船が再来したというわけです。

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2007年8月14日、リフィー川に姿を現したバイキング船(関連Websiteより)

この日、ちょうど仕事に出かけようと近くを通りがかった私は、ラッキーにも船が入ってくる場面を目撃。
舳先の尖ったバイキング船がリフィー川をのぼってくるその様子は、近代的なビル群に囲まれているもかかわらず、バイキング時代を彷彿とさせる感動的なものでした。
川岸の交通は遮断され、多くのダブリン市民が出迎える中、教会の鐘を一斉に鳴らして歓迎。
長い航海の末に目的地に無事着いたクルーたちは、さぞかし感激したことでしょう。

翌日、シー・スタリオンのクルーたちは、当時バイキング船を作るために多くの木が伐採されたグレンダーロックへ出かけ、木をありがとう、と植樹をしました。

来年夏には、デンマークへと帰っていくシー・スタリオン。それまでの間、国立博物館に展示されています。
館内の特別展スペースでは、復元の様子、航海の様子などの映像が見られ、これが大変興味深く、長い間見入ってしまいました。

国立博物館(National Museum, Collins Barracks
シー・スタリオンの展示は2008年8月まで
※Kildare Streetの方ではなく、Collins Barrackの方です。

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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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