先月より、ダブリンのドックランドに、リフィー川の北と南を結ぶ「渡し舟」が登場しています。

12人乗りの黄色い可愛らしいボートは、その名も、
リフィー・フェリー(Liffey Ferry)。
ドックランドのSpencer Dock(北岸)とSir John Rogerson’s Quay(南岸)の間を、平日の朝7時から夜7時まで、行ったり来たりしています。
オフィスビルや近代的なアパートが立ち並ぶダブリン・ドックランド。
特に北岸のIFSC(銀行のオフィスなどが立ち並ぶ金融街)には、一日に2万人のビジネスマンたちが人々が通勤していきます。
2年後にはここに歩行者専用の橋が架かる予定ですが、それまで、この「渡し舟」が橋の代わりを務めるというわけです。
数日前、ちょうどIFSCから南岸へ行く用事があり、初めて私も乗ってみました。
朝・夕の通勤時間帯には、スーツを着たビジネスマンたちでいっぱいのこのボートですが、昼間の時間は利用者も少なく、乗客は私と他にもうひとりだけ。
それでも、他の人が来るまで待つこともなく、すぐに出してくれました。

ビニールシートがかかっているので、雨が降っても大丈夫!
ほんの20秒ほどで、対岸に到着。景色を楽しむ間もなく、本当にあっという間…。
このボートを利用しないで橋のあるところまで歩くと、プラス15分くらい余計に時間がかかるので、確かに便利。
今、IFSCにLuas(路面電車)を伸ばす工事をしているので、それが完成したら、渡し舟と路面電車を使ってシティーセンターへ通勤…なんて人も出てくることでしょう。
その昔、リフィー川に今ほど多くの橋がなかった時代は、「渡し舟」が川の北と南をつなぐ主要な交通手段でした。歴史的には、リフィー・フェリーは15世紀にさかのぼります。
つい20年ほど前までは、ダブリン港周辺で働く人々の足として、市が運営するフェリー・サービスがあったとのことですから、ダブリン市民にとっては、特に目新しいことではないのでしょう。(1986年に運行中止)
路面電車(2004年に約50年ぶりに復活)にしても、この「渡し舟」にしても、古いシステムを再び再現してしまうダブリンって、なんだか面白い…。
それにしても、黒っぽいスーツを着こんだビジネスマンたちが、小さなカラフルなボートに揺られて通勤する姿は、なんだか微笑ましい感じがしますね。

南岸のGrand Canal Square。少し前までは一大工事現場だったのが、今はすっかり街らしくなりました
Liffey Ferry月~土 7:00~19:00
片道€2、往復€3、10回券€10
Tel 01 4734342
※天候によって運休することもあり。
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コメント
Uisce
ナオコさんのこのブログを拝見して、瀬戸内海ぎわに住んでいた子どもの時、近くの小島から毎日小船で本土まで通勤・通学していたお父さんたちや子どもたちのことを思い出しました(笑)。
2007/11/30 URL 編集
naokoguide
そうか、日本も島が多いから、小舟で通勤…ってことはありますよね。
ちなみに、私の祖父は天草の渡し舟の船頭だったらしいです。私の島好きは、そこにルーツがあるのかしら…なんて、ふと思ってしまいました。
2007/12/02 URL 編集