キルフェノラ(Kilfenora, Co. Clare)は、アイルランド伝統音楽の里として知られる小さな村。
先日、バレンからモハーの断崖へ行く途中、この村のトラディッシナルなパブにてお客様とランチをご一緒しました。

ヴォハンズ(Vaughans)
夏の間は、ポピュラーなランチ・ストップとしていつも観光客でにぎわっているヴォハンズ。
その日はカウンターに地元の人が数人いるだけ、暖炉がパチパチいう音まで聞こえるくらいに静かなランチ・タイムでした。

ローレルの香りの効いたギネス・シチューのおいしかったこと…!
ご一緒したお客様は、自らも伝統楽器の演奏をなさる音楽好きな方々だったので、演奏が行われている時にお連れ出来たらよかったのですが…。
それでも、パブの雰囲気を気に入ってくださり、カジュアルなパブ・ランチをおいしいと召し上がって下さったので良かったです。
ところで、このヴォハンズは、私にとって思い出深いパブのひとつ。
数年前、私の大学時代のサークルの先輩セーラさんが偶然にもアイルランドに住んでいることが分かり、エニス(Ennis, Co. Clare)で再会したことがあります。
水泳サークルだったもので当時は全く知らなかったのですが、彼女はなんとフィドルの達人。このパブでフィドルの先生をしていたのです。
ちょうどその頃、日本から共通の友人が遊びに来て、ヴォハンズで大集合したことがあります。アイリッシュの友人もバンジョー片手にやって来たりして、ローカルのミュージシャンと一緒になってエンドレスのセッション…。それはそれは楽しい夜でした。
その翌年、Katieという女の子と知り合いになりました。
彼女もツアー・ガイドで、その夏は行く先々でよく一緒になったので、連絡を取り合って飲みに行くこともしばしば。何度か会った後、なんと彼女の実家はヴォハンズ・パブであり、セーラさんのこともよく知っているというので、本当に驚きました。
考えてみると、ヴォハンズに来るのも久しぶり、Katieともセーラさんともしばらく会っていません。
パブの店主であるKatieのお父さんに尋ねてみると、2人とも元気とのこと。Katieは今はガイド業を休止して、カレッジに行っているそうです。
「ナオコが来てくれたって言っておくからね」とお父さん。でも多分、言うのを忘れちゃうかもね(笑)。
アイルランドは小さな国なので、日常的に密に連絡し合わなくても、消息が途絶えるということがあまりありません。人々は人伝いにどこかでつながっていて、しばらく会わないでもいても、またどこかでばったり会えるでしょう、といった感じ。
別れや再会、人との縁も、そのまま自然に任せているのかもしれませんね。

ミニ・ハープの置かれた窓辺
Vaughan's PubMain Street, Kilfenora, Co. Clare.
Tel: +353 (0)65 708 8004
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コメント
K
ここ、たぶん一回行ったことあります!!
当時、15キロくらい離れたコロフィン村の英語学校に通っていて(現在はエニスに移転)、ある日「課外活動 アイルランド文化と音楽に親しむ」みたいな感じで校長先生がキルフェノラのパブに車で連れて行ってくれました。お店の中は音楽で一杯で、スミティックス飲みながら恍惚となってたの、今やっと思い出しましたよ。
2007/11/22 URL 編集
naokoguide
Kさんにとっても、思い出のパブだったんですね。
田舎のパブって、ほんとにいいですよね。
2007/11/24 URL 編集