ニューヨークの五番街、ビルの谷間に負けじとそびえ立つセント・パトリック大聖堂(
St. Patirick's Cathedaral)。

1858~1878年建設。北アメリカ最大のネオ・ゴシック様式のカテドラル
マンハッタンに数ある教会の中でもひときわ大きく美しいこの聖堂は、ニューヨークにおけるアイルランド系住民の底力を物語るようです。
街歩きの途中に訪れてみると、ちょうどミサの始まるところで、多くの人が参拝に訪れていました。
アイルランドの守護聖人パトリックをまつった教会であるからには、何かパトリックに関係する装飾があっていいはず。
例えば、ダブリンの聖パトリック大聖堂は、パトリックが信者を洗礼したという泉が沸いていた場所に建てられており、祭壇上部のステンドグラスにはパトリックの姿があしらわれています。
ここにも何か、パトリックゆかりのものがあるのでは…と思い、教会の運営委員らしき人に尋ねてみたところ、ミサの準備でお忙しいところを大変親切に教えてくださいました。
まずは、主祭壇向かって左側の柱に聖パトリックの像。

アイルランドの聖パトリックは先の尖った帽子(司教さんの帽子)をかぶって司教杖を持っているので、これがパトリックだとは気がつきませんでした
そしてもうひとつ。なんとこの教会内に、聖パトリックの聖遺物があったのです。

クリスタルのケルテック・クロスが聖遺物箱(アイルランド製のものかどうかはわかりませんでした)。十字架の真ん中に聖パトリックの聖血が…!(主祭壇の左側の翼の部分にあります)
アイルランドで亡くなったと言われる聖パトリック。彼の聖遺物が一体いつ、どういった経緯でこのニューヨークへやってきたのでしょう。
アイルランド国内にある聖パトリックの聖遺物と言えば、私が知る限り、国立博物館(キルデア・ストリート)にある「聖パトリックの鐘」くらい。(ローマ法王に認定されたものというわけではなく、あくまでも伝説ですが)
本国にもないものが海を越えたアメリカにあるとは…。これもまた、アイリッシュ・アメリカンの底力&宗教心の強さ故でしょうか。
それにしても、ティファニーと同じ五番街に聖遺物が並んでいるなんて、なんだかアメリカっぽくて面白いな~と思ったのでした。

大司教区となって来年で200周年
※聖パトリックについては、
こちらのHPに分かりやすく解説されています。(カトリック豊島教会のHPより)
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