日本で『庭の千草』として知られるアイルランド民謡。
原題は『The Last Rose of Summer(夏の名残のバラ)』と言い、19世紀を代表するダブリン生まれの詩人トーマス・ムーア(
Thomas Moore, 1779-1852)の作品です。
1805年、当時26歳だったトーマス・ムーアが、キルケニー近郊のジェンキンスタウン・パーク(Jenkinstown Park, Castlecomer, Co. Kilkenny)滞在中に作詞・作曲したと言われるこの曲。
日本では「ああ白菊~」と訳されていますが、オリジナルはバラの花なんですよね~。メロディーの物悲しい感じが、当時の日本では、バラの花ではハイカラすぎて伝わりにくかったのでしょうか。
そして昨日、キルケニー城の庭園で、まさにひとり寂しく咲き残る「夏の名残のバラ」に遭遇!

ムーアが詠ったバラの花は「庚申バラ(Old Blush China)」であろうと言われているのですが、このピンクの愛らしいバラの花がそれなのでしょうか。
バラの花の種類のことはよく分からないのですが、そうだったら素敵ですね~などとお客様とお話しながら、庭園を楽しく散歩しました。
ちなみにトーマス・ムーアの時代のキルケニーは「アイルランドのアテネ」と呼ばれ、演劇が非常に盛んな街だったそうです。
若き日のトーマス・ムーアは、戯曲家として脚本を書くばかりか俳優としての才能も持ち合わせており、キルケニーで舞台に立ったこともあったとか。
日本で『春の日の花と輝く』として知られる『Believe Me, If All Those Endearing Young Charms』も、キルケニーで生まれたトーマス・ムーアの作品。
このロマンチックな愛の歌は、将来の妻となる若き舞台女優ベシー(Bessy)に捧げたものだと言われています。
※ 『庭の千草』の歌詞(日本語・英語)また「庚申バラ」については、Dr.町田さんの
こちらのHPに興味深い解説があります!
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コメント
Pearl
2007/10/17 URL 編集
アンドー
2007/10/18 URL 編集
アンナム
枯れる直前までひとつふたつ花をつけていたのです。本当に夏の名残のバラとして、、ああ、もっと前にこれが「Old Blush China」で「夏の名残のバラ」というのを知っていたら心入れも強く、枯れたときは歌の一つも歌ってあげられたのに。
でもこの場でPearlさんやアンドーさんたちと共通の話ができるなんてうれしいこと!
ナオコガイドさんありがとう!
2007/10/19 URL 編集
naokoguide
『庭の千草』の歌詞は、年配の方でないとあまり知らないみたいですね。私もアイルランドに関わるようになるまで、知らなかったと思います。
アンドーさんへ
それ、ありがちなミステイクみたいですよ。でも、ちゃ~んと気づくところが、さすがアンドーさん!
アンナムさんへ
アンナムさんのバラのテラス、前に写真で見せていただいて感激しました。庚申バラは、ちなみにアンに出てくるバラでもあるらしいですよ。今度またお話しますね~。
2007/10/19 URL 編集
アルクサンダル・オショユスキー
2011/10/12 URL 編集
naokoguide
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします!
2011/10/22 URL 編集
milk3
2015/06/30 URL 編集
naokoguide
こちらのブログですよね、拝見させていただきました。貴重な情報をありがとうございます。
http://blog.goo.ne.jp/mayanmilk3/c/9df1ef90a093749f8aef233280cc209a/2
日本語の訳詞は、花は違えど原文の詞の真意を日本風に伝えたものだったのですね。よくわかりました。ありがとうございます。
2015/07/01 URL 編集