ベルファーストの市内観光中に、
壁画(murals)の描き換え作業に遭遇しました。
(壁画についての詳しいことは
こちら)

Falls Roadにて
ここは西ベルファーストのカトリック系の人々の居住区で、かつては過激な場所だった地区。
お隣りのプロテスタント系の人々の居住区とは、ピース・ライン(Peace Line)という鉄の壁で仕切られ、鉄のゲートが閉められていた地域です。(壁やゲートは今も残っています)

今も残るピース・ライン。プロテスタント居住区より
そんな地域での壁画作成、なんと今回は
カトリック系・プロテスタント系両住民による、初の合同製作だそうです!
壁画のテーマはもはやテロ関連ではなく、
女性差別を訴えるもの(写真中央)や、
バスクの平和をサポートする意味でピカソのゲルニカ(バスク関連、写真左)など。
メイン・アーティストさん3人がリーダーシップを取り、ボランティアの学生さんや、地元の子供たちのヘルプによって作業が進められているそう。
その中にはなんと日本人の学生さんもお一人いらして、私たちを見るや否や駆け寄って来て下さり、壁画について詳しく説明して下さいました。
(ありがとうございました!)
昨日の新聞では、
北アイルランドのリスバーン(Lisburn)に駐屯していた最後の英国部隊撤退のニュースが報じられたばかり。
1969年より38年間続けられていた英国の北アイルランドへの軍事作戦が、ついに幕を下ろしたわけです。
整列する軍隊を背にしてアイリッシュ・ダンスを踊る女の子の写真が、Irish Timesの一面を飾りました。
IRAの武装解除、
プロテスタント系・カトリック系の連立政権による自治政府の誕生、そして今回の
英国の軍事作戦停止…と、北アイルランドの和平プロセスもいよいよ大詰めに入ったようです。
数日前には、
ダブリン-ベルファースト間の高速道路がついに国境線を越えて開通、南北の距離が物理的にも縮まるという喜ばしいニュースも加わりました。
いずれも私がアイルランドに関わり出した10年前程前には、予想さえしなかったような出来事ばかり…!
かつては観光バスが通るのも危なかったような地域で、両サイド合同の壁画作成の現場を目の当たりにするとは…アイルランド人でない私でさえも、なんだか胸が熱くなるような想いです。
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