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イーリアンパイプ名人レオナード・バリーさん in コブルストーンと名曲「シダーズ・オヴ・レバノン」

昨晩は、近著『アイリッシュネスへの扉』(ヒマール)、ロングセラーの『家庭で作れるアイルランド料理』(河出書房新社)などでご活躍のスライゴ在住の松井ゆみ子さんにギグにお誘いいただき、ご一緒にコブルストーン(The Cobblestone, Smithfield, Dublin 7)へ。伝統音楽オンチを自認する私でも楽しめるかなあ、と若干不安ながら、これも勉強!なんて思って出かけたら、とんでもない、それはそれは楽しくて、音楽って素晴らしい!と感極まったのでした。

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伝統音楽セッションの老舗パブ、コブルストーンのコンサート用別室にて。ステージがカッコいい!小さな部屋に立ち見も含めて100人くらいの聴衆が。元気のいいチューンになるとノリノリでした

ゆみ子さんイチオシのスライゴ在住のイーリアンパイプス奏者、レオナード・バリー(Leonard Barry)さんと、その仲間たち。それぞれが活躍しているミュージシャンで、写真左からブースキのシーミィ・オダウド(Seamie O'Dowd)さん、レオナードさん、フィドルのアンディ・モロウ(Andy Morrow)さん、フルートのマイケル・マクゴールドリック(Micheal McGoldrick)さん。

レオナードさんは、現在アイルランド最高と言われるイーリアンパイプス奏者だそう。
伝統音楽のセッションでは、フィドルやブースキなどアイルランド起源でない楽器も多く使用されますが、イーリアンパイプスはハープやバウロンと並ぶ、数少ないこの国古来の伝統楽器。同じパイプスでも、よく知られたスコットランドのバグパイプとは異なり、口から呼気を送り込むのでなく、肘に取り付けられた鞴(ふいご)を用いて皮袋に空気を送ることで音を出します。太ももに押し付けるような体勢を取るので、バグパイプのように立奏は出来ず、すわって演奏されます。(イギリス支配のもとパイプを上に向けちゃダメ!と言われて、こういう低い体勢になったなんて都市伝説も)
イーリアンパイプスは楽器そのものが高価であることや、マスターするのに時間がかかることなどから奏者が少ないと言われますが、ゆみ子さんによれば、近年少しづつ増えているそう。それでもセッションに含まれることは少ないので、こういう形で見られるのは貴重です。音が大きいイメージがあったので、パイプの音がもっと突出するのかと思いきや、そうでもなく、ほかの楽器と見事に調和。音色もさまざまで、曲によってはまるで古い教会でパイプオルガンを聞いているような荘厳な気持ちにさせられました。

レオナードさんのパイプもさることながら、途中でブースキのシーミィさんが歌ったある曲がとても印象に残りました。
「シダーズ・オヴ・レバノン(Cedars of Lebanon=レバノンの杉)」という曲で、前奏が流れたとたん、あれ、大きな古時計?と思ってしまったほど(笑)耳馴染みの良い曲。スライゴで活躍した故トム・ムーア(Thom Moore)さんの名曲だそう。トム・ムーアさんというのはアイリッシュ・フォーク・ロックの祖のような人で、メアリー・ブラックやクラナド、ザ・ダブリナーズも彼の曲をたくさん歌っているので、このレバノン杉の歌も多くの人に歌われてきたのでしょう。過去に聞いたことがあるような、ないような。
歌詞を聴くうちに、かつて旅したレバノンやパレスチナの地に想いが広がり、たまらなく懐かしくなりました。タイムスリップしたような心地良い気持ちと同時に、今かの地で起こっていることを想い、思わず目がうるみました。
シーミィさんが歌う、2015年のウィーランズでのライブ動画がありましたのでシェアさせていただきますね。



歌詞の内容からレバノンやパレスチナの平和を願うものであるとは思いましたが、曲がつくられた背景をちらっと調べてみると、やはり1974年、中東情勢が悪化していく中で発表されたパレスチア解放のメッセージソングでした。
昨晩はレオナードさんの新アルバム発表会であり、この曲は入っていない。にもかかわらず歌われたのは、今だから、だったんですね。

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レオナードさんのアルバム「Littoral」、ジャケットも素敵。ゆみ子さんにプレゼントしていただき、早速聴きながらギグの余韻を楽しんでいます♪

良いものはやはり良いのですね、伝統音楽オンチの私でも楽しめた!(笑)
お誘いくださったゆみ子さん、ありがとう。自分が好きだと思うものにばかりに固執せず、ときには友人のパッションに乗っかってみると、新しい世界が開けることをあらためて実感。

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パブの店内では昨晩も遅くまで伝統音楽のセッションが繰り広げられ、入る隙間もないほどの人だかりで盛り上がっていました
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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