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ハリウッド・インなど『アイリッシュ・ウィッシュ』のロケ地いろいろ

昨日のブログでチラリ触れた、アイルランドを舞台にしたリンジー・ローハン主演のネットフリックス配信の映画『アイリッシュ・ウィッシュ(Irish Wish)』をついに観ました。
これ、思っていたより、全然悪くないではないですか。お気楽でベタなアメリカ人が思うザ・アイルランドを描いたロマンチックコメディですが、1時間半と短く、耐えられなくなる前にさらっと終わってくれて、思いがけず楽しく視聴(笑)。

Irishwish
リンジー・ローハン演じるマディのファッションが可愛い💓

いつぞやの映画、『P.S. I Love You (P.S. アイラヴユー)』(2007年)をもっと軽くしたようなノリ?
あの映画のときは、日本公開に合わせて雑誌などで大々的にプロモーションしていただいたものでした。当時は上からの予算があったんですね~、エッセイストの酒井順子さんが来て下さったことを懐かしく思い出します。→『P.S. アイラヴユー』のロケ地へ(2008年7月)

さて、この『アイリッシュ・ウィッシュ』で私が良いと思った点は2つ。
まず、近年アイルランド国内で人気上昇中の聖ブリジッドを絡めている点。アイルランドと言ったら聖パトリックかレプラコーン…というこれまでの常識を破り、国外ではまだまだ知名度が低いと思われる3大守護聖人中、唯一の聖女をフィーチャーしたところが新鮮でした。
ただ、そのキャラクター設定は癒しと祈りに生涯を捧げた聖女ブリジッドからはほど遠く、「奥様は魔女」みたいになっちゃってましたが。

2つ目は、この国の美しい自然、ロマンチックな貴族のお屋敷、(実際にはそういうシチュエーションは今どきめったにないものの!)村人が総出で歌って踊るパブが描かれていて、アイルランドのプロモーション映画さながらである点。『P.S. アイラヴユー』もそうでしたよね。あれを見てヒースの花咲く荒野へ行きたいんです!って来て下さったお客様が実際にいらしたことを思うと、アカデミー賞にはノミネートされないけれど、これはこれでいい映画なんですよね、きっと。
(『イニシェリン島の精霊』はアカデミーにたくさんノミネートされたけれど、あれを観てアイルランドに来たくなりました、という人にはまだ一度もお会いしたことがありませんから・笑)

そして、その美しきアイルランドのロケ地について。観ていない方にはまったく意味のない話で申し訳ありませんが、気になる方もおられるかと思いますので、自分の覚えのためにもリストアップしておきます。
アイルランド映画を観ると、まるでクイズに答えるかのように映る場所を端から当てたくなる「観光ガイド病」の私にとって、この映画はかなり初級編でした。わかりやすい、ベタなスポット満載(笑)。アイルランドをイニシュモア島くらいの小さな島に収めちゃっているようで、地理関係がめちゃくちゃなのは笑えますが。
まず、私が見てすぐに分かったスポットを、カウンティごとに挙げてみますね。

●カウンティ・メイヨー(Co. Mayo)
・マディたちが到着したのは、アイルランド・ウェスト空港(ノック空港)。これは空港名が大きく出るので分かりますね。
・ブリジッド・バス(こんなものはないけれど、ここから魔法が始まっているということなのでしょう)にマディが乗り、走り出すとアイルランド各所の景色が映り、ウェストポートの町からクロー・パトリック山へ行く途中の湾沿いの道が。パブ、シビーン(The Shebeen)が映るので、これもすぐに分かります。このパブ、食事もおいしくて大好き♪
・町のシーンはウェストポート(Westport)です。マディがジェイムズの車に落ちるシーンも、最後に2人がベンチで話すシーンも。オクタゴンと呼ばれる聖パトリックス像が上に立っている柱や、Wyatt Hotelが映るので分かりやすい。バスでか車でか忘れましたが、町の中を流れるキャロウベッグ川(Carrowbeg River)にかかる橋を渡るシーンも数回ありました。
・ジェイムズが立ち寄る本屋さんは、ウェストポートに実在するWest Coast Rate Books。内部がそっくりですし、店名が映ります。この本屋さん、ウェストポートへ行くといつも立ち寄るお気に入り♪
・ジェイムズが行くパブは、Scruffy Murphyと店名を変えてあるものの、あの外観はまぎれもなく、私の本でも紹介しているチーフタンズのマット・モロイさんのパブ、マット・モロイズ(Matt Molloy's)だ!内部は別カウンティのため、後述。

●カウンティ・ケリー(Co. Kerry)、カウンティ・コーク(Co. Cork)
・カメオ出演。やはりブリジッド・バスが走り出したときに映る、アイルランド各地の景色の中にありました。教会のある港町ディングル・タウン、続いて港町コーヴが。

●カウンティ・ウィックロウ(Co. Wicklow)
・ポールの実家、ケネディ家の屋敷は、アイルランド・ウェスト空港に着いたので西海岸にあるものと思って観ていたため、一瞬スライゴ近郊のベリーク・キャッスルか?と思いましたが、すぐにウィックロウのキルラディ・ハウス(Killruddery House)であることに気が付きました。だったら、ダブリン空港に着いてそこから行けばいいのに!笑
・真っ黒い湖はセリフにある通り、ギネス湖のニックネームで知られるロック・テイ(テイ湖)。湖のほとりへWishing Chairを探しに行きたいですね~・笑
・マディとジェイムズがオープンカーでドライブする背景に、円錐形の山シュガーローフが。合成でなければ、あの角度から山が見えるあの道は、パワーズコートの門から屋敷へのドライブウェイかと思います。

●カウンティ・クレア(Co. Clare)
・いきなり、モハーの断崖が。崖の見え方やウォーキング・パスを見る限り、南端のハグズ・ヘッド(Hag's Head)、北端のドゥーリン(Doolin)側の両方で撮影したようですね。

ここまでが、私が映画を見て分かったシーンです。数々のサイトを見て答え合わせしたところ、正解、またはそこまで細かくは誰も触れていなかった(笑)。

難しかったのはパブの内部のシーンで、それが昨日行ったウィックロウのハリウッド村ハリウッド・イン(The Hollywood Innだったのです。
これは、映画を観ただけでは絶対に分からなかったですね。実際にパブにいても、店主の女性に教えてもらわなかったら、店内のどこなのか見つけられなかったでしょう。

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ハリウッド・インの外観。映画ではこの外観は出てきません。代わりに…

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建物裏手の納屋が使われていて、大雨の中、マディとジェイムズが車で到着したのはここ。アーチの下を車で入って来て、写真左下の窓が2つるある張り出し部分の前に駐車してましたね

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そして、この部屋の写真右のドアから2人が入って来ました。ルームキーを渡されるのがこの部屋

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こちらがダンスを踊った部屋。2人が食事をしたテーブルはこの部屋の手前(上の写真の部屋)に設置され、暖炉の方を背景にしていました

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映画ではフィッシュアンドチップスを注文していたけれど、私が昨日このパブで食べたのはサンデー・ロースト。ターキーとハムのロースト、おいしかったです♪

ちなみに、こちらのサイトなどを見ると、ジェイムズ行きつけのパブ、Scruffy Murphyの内部は、ハリウッド・インの目の前にあるTutty's Barで撮影が行われたらしいです。あの、不自然な赤毛の店主のいる細長いカウンターは、あのパブだったのか。
(普通あのくらいの年齢になったら、赤毛はもっと薄い色になるはず)

さらに上記サイトで知ったことには、ニューヨークでの新刊本の発表イベントのシーンは、な、なんと、ダブリンのテンプルバーのクラランス・ホテル(Clarance Hotel)でした。近年までU2のボノとエッジがオーナーだったホテル。
ニューヨークだとばかり思って観ていたのでまったく気が付きませんでしたが、そうと分かって見直したら、石畳も、背後に一瞬映ってしまったConnolly Booksの看板も、まぎれもなくテンプル・バーでした(笑)。バーでのシーンもクラランスですね。昔よく行った懐かしのオクタゴン・バーと、名前は忘れましたがもうひとつのバー。昔は今ほど敷居が高くなく、そこまで高級ホテルって思っていなかったんですよね。もう何年も行っていませんが、バーの名前はまったく違うものに変わったようです。

そんなわけで、この映画を観てアイルランドに来たくなりました!という方がいるといいなあ。いるかなあ。
そのときに備えて、ウィッシィング・チェアを設置するくらいの演出を今のうちにしておくべきでしょうか、私たち観光ガイドは(笑)。

…と、ここまで書いて思い出したのですが、昨日ハリウッド村にいたんですよ、映画に出てきた聖ブリジッドみたいな人が。雨の中で傘を差し、スカーフを頭に真知子巻きにしてニコニコ立っていたあの女性。同じ道を戻って来たらまだいて、メアリー・ポピンズかしら…って思ったけれどブリジッドだったのね、彼女は。
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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