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おめでとう、キリアン!米アカデミー主演男優賞

昨年のアイルランド勢14ノミネート(2受賞)の快挙に続き、今年も盛り上がりました、米アカデミー賞のアイルランド旋風!
13ノミネート中、最優秀作品賞を含む7つのオスカーを受賞した「オッペンハイマー(Oppenheimer)」ですが、主演をつとめたコーク出身のキリアン・マーフィー(Cillian Murphy)が初ノミネートで見事、最優秀主演男優賞に輝きました。おめでとう、キリアン!
アイルランド人俳優がこの賞を獲得するのは、ダニエル・デイ=ルイス(6回ノミネート、3回受賞)に続き史上2人目。デイ=ルイスさんはイギリス出身のため、当地メディアではさかんに、アイルランド「生まれ」の俳優として初の快挙と報じてられいます。

パートナーでアーティストのイヴォンヌ・マクギネスさんと手をつなぎ、2人のティーンエージャーの息子さんを従えて、いつもと変わらぬ様子でひょうひょうと会場入りしたキリアン。
受賞スピーチも素敵でしたね。相変わらずセレブ然としたところがなくマイペースでスマートで。関係者に感謝を述べ、コークのご両親、パートナーのイヴォンヌさん、息子さん2人の名前を呼び、「愛してるよ!」、続いて、「アイルランド人であることを誇りに思い、今晩この場に立っています。我々は原爆を作った人の映画を制作し、良くも悪くも(その)オッペンハイマーの世界に生きています。だからこそ、この受賞をすべての平和主義者に捧げます!」と。最後はアイルランド語の「ありがとう」を意味する、「グラミラマハグート!」で締めくくりました。



キリアン・マーフィーと言えば、長年のアイルランド好きの方は「麦の穂を揺らす風」(2006年)を思い出されるのではないでしょうか。「プルートで朝食を」(2008年)も好きだし、「28日後…」(2002年)、「クワイエット・プレイス」(2018年)も良かったですよね。ネットフリックスで配信されているBBCのドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」は、キリアン見たさに観始めましたが、今、観るもの、読むものが多すぎて中座中。
肝心の「オッペンハイマー」は、劇場で観た友人が劇中のラジオ音などでセリフが聞きずらく、わからない部分が多かった、と言うので、アイルランド人がわからないなら私はムリと配信を待って自宅で観ましたが、それでも理解が難しかった…。日本語サブタイトルが出たらあらためて観直そうかな。

ところで、実は私、キリアン・マーフィーさんに3回、いや、3.5回としておきましょう、会ったことがあるんです!会ったことがあるというのは少々言い過ぎで、1回目は2010年、ディングルのアイスクリーム屋さん、マーフィーズで「見かけた」、2回目は2011年、同じくディングルのカフェにいるとキリアンが入ってきて、テーブル2つくらい離れて斜めに座り、あのどこを見ているのかわからない不思議な目と「目が合った」(その後、メニューを見ていたキリアンに、私の友人が「これ、おいしいよ」と勧めたところ、軽くうなづいて私たちと同じものを注文した!)、3回目は2014年、スライゴでコンサートに出演していたキリアンを「見た」、そして3.5回目は昨年、ダブリンのキリアン宅を通りがかったとき、窓の向こうに本人らしき「人影を見た」(もしかしたら息子さんかもしれないので0.5回にカウント)。
キリアンはセレブらしくないセレブだけれど、それにしてもにセレブこんなに何度も会うなんて、あまりないですよね。いや、アイルランドならあるか(笑)。
キリアンのいとこの一人と偶然知り合いであることもあって、一方的に親近感を抱いているので、今回の受賞はとくに嬉しかったです♪

cillianmurphyoscarcorkschool
キリアンの出身校では子どもたちが大喜び。同じくコーク出身のミホール・マーティン副首相も、今朝いちばんにこの看板の前でおめでとう動画をSNSにあげていました。写真はCillian Murphy’s primary school celebrates Cork actor’s Oscar win (Irish Times)より

今回のアカデミー賞は、キリアンのほかにもうひとつ、アイルランド関係の大きな受賞がありました。11ノミネート中、エマ・ストーンの主演女優賞を含む4つのオスカーを手にした「哀れなるものたち(Poor Things)」は、ダブリンのオコンネル通りにオフィスを構えるアイルランドの製作会社、エレメント・ピクチャーズの製作です。
私も今回あらためて知ったのですが、「アダムとポール」、「ガレージ」「サンドラの小さな家(Herself)」、コリン・ファレルの「ロブスター」など、アイルランドを舞台とした私の好きな作品群はじめ、「ルーム ROOM」も、「聖なる鹿殺し」も、そしてポール・メスカルの出世作となったTVドラマ「ふつうの人々(Normal People)」もすべてこの会社が製作したものだったんですね。
私が日常的に利用しているライトハウス・シネマもこの会社の所有。そう考えると、身近にオスカーがいっぱいだ!シネマにオスカー像が飾られたりしないかしら。

アイルランドは小さな国なので、キリアンやエレメント・ピクチャーズと袖触れる程度で接点あります、という人はきっと結構いて、今回の快挙を受け、私みたいにキリアンと会った話をしているような人がたくさんいるのではないかと思います(笑)。
本日のアイリッシュ・インディペンダント紙に、ダブリンのトリニティ・カレッジ近くの老舗パイプ屋、ピーターソン(Peterson, Nassau Street, Dublin 2)の店員さんの話が紹介されていました。ある日、タバコをやめてパイプを吸うことにしたと話す客が来て、特定のスタイルがありますかと聞くと、原爆の父ロバート・オッペンハイマーの白黒写真を見せられ、その時点でこの人は普通の客ではないと気付いた、と。店員さんがタバコを詰めたり火をつけたり実演して見せるのをスマホで動画撮影し、勧めに応じて「ピーターソン・アラン・87」というパイプを購入したキリアン。記念写真もないし、サインももらわなかったけれど、パイプの吸い方指導をしたのは俺だぜ、映画を観ればわかるさ、という話です。
How a Dublin pipe salesman gave Cillian Murphy an acting class(Irish Independant)

日本勢も快挙でしたね。役所広司さんの「Peferct Days」は当地でも非常に評判が良いので残念でしたが、「ゴジラ-1.0」の日本映画として初の視覚効果賞の受賞、おめでとうございます!受賞スピーチには言葉の壁が…とコメントされていましたが、どんなふうだったのかな。
そして、アイルランド好きでいらっしゃる宮崎駿さんの監督作「君たちはどう生きるか(The Boy and the Heron)」の長編アニメーション賞受賞、こちらもおめでとうございます!宮崎さんもジブリの皆さんも授賞式にいらしてなくて残念でしたが。(確か前回の「千と千尋の…」ときも欠席だったような)
本作品は上述のライトハウス・シネマで鑑賞しました。アイルランド人作家ジョン・コネリー(John Connolly)の小説「失われたものたちの本(The Book of Lost Things)」にインスパイアされたとささやかれていますが、もしそれが本当だとしたら、またまたアイルランド繋がりがあることになり、嬉しいですね。
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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