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ドルメンだらけの不思議な森「バレン」

先日、ジャーナリストの方たちの取材旅行をご案内した時のこと。
全く予定外に、不思議な場所へ足を踏み入れることとなりました。

そこは「バレン(Burren)」という場所で、立て看板のマークを見る限り、どうやら森があってドルメンがあるらしい。

burrendolmen6

「バレン(Burren)」と言えば、カウンティー・クレア(Co. Clare)の石灰岩が露出した地域が有名ですが、こちらの「バレン」はそれとは全く別の場所。
北アイルランドとの国境に程近い、カウンティー・キャバン(Co. Cavan)の西端。ブラックリオン(Blacklion)という小さな町の近くの丘の上です。

岩だらけのクレアの「バレン」とは違って、こちらの「バレン」は下生えの羊歯の葉もまぶしい深い深い森

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この森へ足を踏み入れる時の、行っていいようないけないような、でも何だか歩く足が止まらない…といった不思議な感じは正しかったようです。
何故ならその森は、古代の聖地だったから。

森の中には苔むした石がゴロゴロ点在しており、一見ただの石のようですが、近づいてよ~く見ると、どれも足が5本+キャップ・スートンという、新石器時代のドルメンの様相をしているではありませんか。

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こんなのがいっぱいで、ドルメン好きの私にはたまらない…!

さらに森の奥深いところへ入っていくと、大きなドルメン登場

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思わず「トトロが出てきそう~」

明らかに、点在するその他のミニ・ドルメンは、この巨大ドルメンを中心に配置されたものと思われます。
スライゴのキャロウモアなどと同様に、この丘全体が一つの儀式の場であり、古代の聖地だったのでしょう。

後で調べて分かったことですが、この付近は今から5000年前、新石器時代の農耕民族が定住した場所の一つ。
同時代の史跡が残る東海岸のニューグレンジから西海岸のキャロウモアを直線で結ぶと、ちょうどその線上に位置しているのがなんとも興味深い。
この古代人の、スケールの大きいような小さいような独特のセンスがたまらなく好きです。

ここにあるドルメンは新石器時代から青銅器時代まで時代も形もさまざま。相当の数のドルメンを見たと思ったけれど、私たちが見たものはまだまだほんの一部だったようです。
巨大ドルメンは巨人の墓であるという伝説があったり、「ドルイドの祭壇(Druid's Altar)」と呼ばれていたり。
後にやってきたケルト人も、当然、この地を聖地としていたのでしょう。

私は「土地の精霊」の存在を信じているので、こういう地には特別な力や営みがあるような気がしてなりません。
俗世に生きる人間が簡単に感知できるようなものではないのもしれませんが、それでも、その地を踏むと懐かしい想いにとらわれたり、自分の中から何かが解き放たれるような感じになって、これまでとちょっと違った自分が見えてきたり…
この「バレン」というドルメンだらけの不思議な森は、私にとってそんな場所のひとつでした。

森の精の化身のような、愛らしい花がぽつぽつと咲いていたのも印象的でした。

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ちなみに「バレン」とはアイルランド語で「岩だらけの地」の意味
始めはこんな森がどうして…と思ったのですが、石灰岩の石がドルメンとなって点在する様を見て、なるほど納得がいきました。

※行き方:ブラックリオン(Blacklion, Co.Cavan)からグレンガブレン(Glengavlen, Co.Cavan)へ抜けるR206沿い。森の手前まで車で上ることが出来ます。


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コメント

これだけ色々紹介してもまだまだアイルランドには素敵な場所が沢山あるみたいですね。確かにトトロが出てきそうですが、私は写真をみて「もののけ姫の森みたい」と思いました。最近ストレスが溜まっていて、こんな森の写真を見るとアイルランドの空気が恋しくなります。現実を忘れてnaokoguideさんとおしゃべりしながらアイルランドの森を散歩したいです。

Pearlさんへ

ほんと、一緒に森を歩けたらいいのに!
今日は、Pearlさんのことを思いながらきれいな景色を眺めたいと思います。新鮮な風が、Pearlさんの元へ届きますよように…!

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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