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諏訪湖畔のかたくらシルクへ(岡谷の蚕糸博物館も)

お正月も終わり、日本滞在も残り少なくなってきました。
新年最初の週末は母と姉と小旅行。1泊2日で同じ県内の諏訪湖畔へ出かけてきました。

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例年に比べ暖かな信州の冬、諏訪湖も「御神渡り」どころか凍る気配なし。かつてはスケーターたちが凍った湖上をこんなふうにスイスイしていたのでしょうね

明治時代初期より3代にわたり養蚕・製糸業で財を成した財閥・片倉家が、1928年(昭和3年)、地域の人たちの福利厚生施設として設立したという日本発のクアハウス片倉館に隣接するホテルに宿泊。

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湖畔の洋館、かたくらシルクホテル(旧かたくら諏訪湖ホテル)。ロビーからも部屋からも諏訪湖が眺められます

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ディナーは信州の野菜や肉を使ったフレンチのコース料理を。見目麗しい野菜プレートのあとには、ガッツリ信州牛のシチューとステーキが続きました

養蚕業で成功した片倉家にちなみ、ホテルの部屋で提供されるお茶は桑の葉ティー、お菓子はその名も「繭(まゆ)」。(繭のカタチ、繭のサイズの白い皮に包まれた茶色いクルミが、まるでサナギかのようで…笑)
国指定重要文化財に登録されている片倉館も見学。ホテルの客室には源泉かけ流し温泉風呂がありますが、現在も公共温泉として利用されている片倉館の名物「千人風呂」にも入りました。

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100年近く前に建設された洋風な外観が印象的な「千人風呂」。深さ110mの立ち湯で、泳ぎたくなるようなお風呂でした

片倉館が開業した昭和の初め頃は、対岸の岡谷にあった製糸工場の女工さんたちが船で湖をわたって温泉に来ていたのだそう。
近年は映画『テルマエ・ロマエⅡ』のロケ地として知られているとのことで、来る前に2作ともバッチリ観てきたので、気分はすっかりローマ人の阿部寛。お湯に吸い込まれたら大変だ~(笑)。

片倉家の製糸工場があった対岸の岡谷にある、蚕糸博物館へも行きました。
先日高崎へ行ったとき、富岡製糸場を見学したばかり。なんだか最近シルクづいています。
明治政府が富岡製糸場を開業したのが1872年(明治5年)、片倉家が岡谷で製糸業を始めたのも1873年(明治6年)と同じころで、1939年(昭和14年)には片倉工業が富岡を吸収合併して、富岡製糸場の最後の経営者となります。片倉の「売らない、貸さない、壊さない」の方針により製糸場の保存状態は良好に保たれ、そのおかげで近年世界遺産登録にこぎつけたわけですね。

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岡谷蚕糸博物館にありました、富岡製糸場で使用されたフランス式繰糸機が!300台のうち唯一現存するものだそう。このほかにも日本の養蚕・製糸業黎明期からの貴重な機械が数多くあり、その充実ぶりに驚くばかり

この博物館にはなんと稼働中の製糸工場が併設されていて、昔ながらの方法で生糸が生産されていました。

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繭から糸を手繰り寄せる21世紀の女工さんたち

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これが生糸の原料となる、おかいこさんの繭。私が子どもの頃はまだ近所に桑畑がたくさんあり、小学校の教室で(おそらく理科の授業の一環として?)おかいこさんが飼われていたものです。幼虫が桑の葉をかじり続けるあの音、子どもの頃はちょっと怖かった…!

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こんな繰糸機も稼働中

博物館の建物内におかいこさんと触れあうコーナーもあり、何十年かぶりに蚕の幼虫も見てしまった(笑)。

諏訪といえばエミール・ガレなどフランス・ナンシー派の作家を中心としたガラス工芸作品を数多く収集する北沢美術館も必見。
その昔、ナンシーの美術館でアールヌーヴォーの作家たちの工芸品を見ていたく感激し、いつか再訪したいと思い続けているのですが、ガラス工芸に関しては本場よりここの方が充実しているのでは?というほどに豊富なコレクションでした。

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有名なガレの「ひとよ茸ランプ」。写真で見るよりかなり大きくて驚きました

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湖畔の足湯にもつかり…

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諏訪大社近くの老舗の和菓子屋、新鶴本店で、名物の塩羊羹をおみやげに買って帰りました。明治6年創業、養蚕業がはじまった頃からあるお店。女工さんたちも買いに来たかな?

ずい分前のことですが、『シルク(Silk)』(2007)という、キーラ・ナイトレイ主演、役所広司さんも出演している日本・カナダ・フランスなどの合作映画を観たことがあります。(音楽は坂本龍一さん!)
19世紀、ヨーロッパの蚕が流行病でダメになり、フランス人男性が危険な旅をして日本へ蚕の卵を買い付けに来て、目隠しされて連れてこられた信濃の国でミステリアスな日本人女性と出会い云々…という話。
今回、富岡製糸場へ行ったり、片倉家ゆかりの地で日本の養蚕・製糸業の黎明期について見たり知ったりしたことで、『シルク』の時代背景がつながりました。次に観たいのは『紅い襷~富岡製糸場物語~』(2014)。配信はされていないようなので、DVDを買うか借りるかしかないかな?
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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