パンデミック以降、アイルランドのパッケージ・ツアーを企画・募集している会社さんが少なくなったこともあり、団体ツアーのご案内がとても少なくなっています。
今回のように10日間にわたる全行程をスルーガイドとしてご一緒させていただくのは貴重。行く先々のホテル、レストラン、観光地で「ウェルカム・バック!」と迎えられ、「最近、顔を見ないからどうしたのかと思ってたよ~」と心配される(笑)。そして話は、パンデミック以降お互い大変だよね~という流れに。
大変な理由は単にお客さんが少なくなったというような単純なことではなくて、繁忙期と閑散期の格差がより激しくなったとか、スタッフ不足でより忙しいとか、レストランなら食材の仕入れ先が安定しないとか。状況が変わって大変なのは私じゃだけじゃない、頑張ろう!と励まされる毎日です。
そして、行く先々のホテルのレセプションやレストラン、客室係にウクライナの人々が働く姿を目にするのも日常となりました。
今年5月までに7万6000人のウクライナからの避難民を受け入れたというアイルランド。今はもっと多くなっていることでしょう。
とある高級リゾートホテルのレセプショニストの女性はオルガさんというウクライナ人で、お母さんと一緒にアイルランドに来たそうです。お父さんやほかのご家族がどうしているのかは、聞くことができませんでした。
英語が流暢なのでどこで勉強したの?と聞くと、海外のホテルで働いていて、パンデミックになり仕事がなくなったので国へ帰ったところ、戦争が勃発して避難することになった、と。
オルガさんはヨーロッパ人に良いイメージを持っていなかったとのことですが、アイルランドに来て温かく迎えられ、人々があまりに親切なのに驚いたそうです。ホテル近くの宿舎にほかの避難民の人たちと一緒に住んでいて、通勤は朝晩ホテルのコンシェルジュが送迎してくれるのよ、と嬉しそうに話してくれました。
おしゃべりしているうちに想いが込み上げ、不覚にも涙が出てしまった私、それにつられてオルガさんも涙ぐみ、2人でしっかりハグをして別れました。オルガさんのご家族や友人が無事でありますように。
そう、みんな頑張っているのです。私も頑張ろう!

昨日バレン(Burren, Co. Clare)にて。風にそよぐイトシャジン(英語名はHarebell=野うさぎの鐘)の群生がきれい
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コメント
北の国からSHIGE
アイルランドが7万6千人ものウクライナの人々を受け入れているとは、驚きでした。
オルガさんの、アイルランドで温かく迎えられ親切にしてもらったとの話しにも、うるっときました。
これからも、アイルランドの国やその社会の実情をお知らせ下さい。
楽しみにしています。
2023/08/20 URL 編集
sima-s
(便乗御免です<(_ _)> 以前から何度もSHIGE様のコメントと同じ気持ち、かつ私などよりずっと的確な文章!と勝手に喜んでいました。)
2023/08/21 URL 編集
naokoguide
私も、ニュースで見ているのは良い報道しか放送していないせいかも…と思っている節もあったのですが、こうして実際に生のウクライナ人の声を聞き、本当にそうなんだ!と実感しました。
私の友人の中にも自宅に避難民の方を受け入れ、仕事の世話をしたり、コミュニティーに溶け込んでもらおうと地元のイベントに連れ出したり、積極的にお世話している人が複数いて、本当に頭が下がります。
2023/08/21 URL 編集