ここ数日、
ゲーム作品「Fate」シリーズのファンでいらっしゃるというお客様をご案内していました。
「Fate」はケルト神話の英雄たちが数多く登場するゲームで、ここからアイルランドやケルトにご興味を持たれたという方からお問い合わせをいただくことが増えています。今シーズンは2組目。6月にご案内したお客様に続き、今回も英雄クーフーリンゆかりの地を中心にご案内しました。
※過去ブログ→
クーフーリンゆかりの地へ、クロカファーモア立石とアーディの銅像(2023年6月)
ケルト時代の聖地のひとつタラの丘(Hill of Tara, Co. Meath)、アーディの町にあるクーフーリンとファーディアの銅像(Statue of Cuchulainn and Ferdia, Bridge Street, Ardee, Co.Lough)に立ち寄ったあと、クーフーリンが最後を遂げたクロカファーモア立石(Clochafarmore Standing Stone, Co. Louth)へ。

高さ3mの石灰岩の立石。戦いで傷を負ったクーフーリンが、瀕死の姿を敵に見せまいと体を縛り付けて最期を遂げたとされるのがこの石。ワタリガラスに姿を変えたモリガン(死の女神)が肩にとまるも微動だにしないクーフーリンを見て、敵陣は初めてその死を知ったのだとか…
6月に来た時にはたわわに実る大麦の穂をわっさわっさかきわけて石に到達しましたが、今はすっかり刈り取られていました。ルナサ(アイルランド語で「8月」)は実りの季節ですね

お客様持参のクーフーリン人形!カワイイ💓
立石を後にして、ギャップ・オブ・ザ・ノース(Gap of the North, Co. Lough)/モイリー峠(Moyry Pass)へ。
中世アイルランドで「ペイル(Pale=囲い地)」と呼ばれたイギリス支配地域と、北のアルスター王国を隔てていた峠で、数々の激戦が繰り広げられた歴史的な場所です。
神話の世界でも、クーフーリンが西部コノート王国のメイヴ女王率いる軍勢と熾烈な戦いを繰り広げた「クーリーの牛争い」の難所がここだったとされています。

丘の上に立つ1601年建造の要塞、モイリー・キャッスル(Moyry Castle, Co. Armagh)

「クーリーの牛争い」の舞台とされるクーリー半島方面が一望できます。なんと豊かな緑の大地!
このあとさらに北へ進み、クーフーリンが活躍したアルスター王国の王都エワァン・マカ(Emain Macha)ことナーヴァン・フォート(Navan Fort)も訪ねましたが、それについては長くなるので後日あらためて書きます。
お客様のご興味が深いとご案内する側の私も嬉しくなり、ついあれやこれやとお見せしたくなります。
クーフーリンめぐりの翌日のダブリン市内観光では博物館や美術館に加え、きっとお好きだろうと思い、国立図書館のイェイツ展(
National Library of Ireland, Yeats Exhibition, Dublin 2)に立ち寄ったところ…。
さすがクーフーリン好きのお客様、さっと目に留められたのがこちらの展示物でした!

日本の能にケルトとの類似点を見出していたイェイツは、クーフーリンが登場するケルト神話ベースの能作品を何本か書いています。こちらの能面は『イーマーの唯一の嫉妬(The Only Jealousy of Emer)』の舞台で使用されたもの
イーマーはクーフーリンの妻。クーフーリンの浮気を何度も許したイーマーが一度だけ激怒したことがあったんですよね~、と前日にお客様とお話ししていたばかり。絶妙なタイミングで現れた嫉妬にメラメラ...な表情の(なのでしょうか?)能面に、おぉ~!と大感激でした。
※「Fate」のケルト神話キャラクターゆかりの地をまとめたサイト→
「Fateシリーズ」キャラクターゆかりの地を巡る旅(ケルティック・ジャイア)
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