昨年おこなわれた国勢調査のより詳しい結果が先日発表されたので、まとめておきたいと思います。
人口については、
昨年の速報で171年ぶりに500万人を越えたことが報じられましたが、数値が調整され、人口は514万9139人、前回調査(2016年)から8.1%の増加であることがあらためて発表されました。
ひとことでまとめると、アイルランドの人口は増加・高齢化・多様化しており、持ち家率は減少。自宅からリモートで仕事をする人が急上昇するなど、人々や暮らしの変化が示されました。
Census of Population 2022 - Summary Results より
人口アイルランドはヨーロッパでも人口の平均年齢が「若い」国として知られますが、2011年の36.1歳、2016年の37.4歳に比べ、2022年は38.8歳に上昇しました。
EU平均の44.4歳、日本の48.6歳(モナコに次いで世界で2番目に高い!)に比べれば断トツに若いですが、アイルランドも確実に高齢化の道をたどっています。増加率がもっとも高かったのが70歳以上の26%。25~39歳までの人口は4%減少。
いちばん人口が多いのが40~42歳だそうで、20年後にその人たちが定年年齢になるときを見据えて国は将来を考えていくべき、とニュースの解説者が話していました。
外国人外国人居住者(アイルランドのパスポートを持たない人)の数も2016年から増加しており、現在63万1785人。私もその一人ですが、これは居住人口の12%に相当します。
ちなみに、アイルランド国籍保持者のうち二重国籍を持つ人の割合は3%。17万597人で、2016年から63%増だそう。イギリス人の割合が高いとのことで、明らかにブレグジットを受けてアイルランド在住のイギリス人がアイリッシュ・パスポートをさかんに申請したためですが、居住人口だけでなく、「アイルランド人」のアイデンティティそのものが多様化していることがうかがい知れます。
健康自分の健康状態が「良好」、または「非常に良好」と回答した人の割合が、2016年から4%減少し、83%に。75歳以上の人を除いてすべての年齢層が「良好」から「それほど良くない」に移行したとのことですが、パンデミックの影響でしょうか?
35~39歳の健康状態の減退が顕著で、「非常に良好」と回答した人が2016年の61%から52%に減少したそうです。
そして、家族などのケアを無償でしている介護者の割合が53%増加。ほとんどの年齢層で増加していますが、50代に介護者が多いそう。(前回と質問項目が変わったのでその点を留意する必要があるとのただし書き付き)
家賃貸の世帯数は2016年から7%増加し、33万632世帯に。持ち家率が減っているということです。
結婚独身者の割合は、2016年の41%から43%に増加。女性(48%)より男性(52%)が多いそう。
再婚を含む既婚者や同性のパートナーシップを結んでいる人の割合は6年前の48%から46%に減少。
仕事労働人口の約3分の一(74万7961人)が週の一部を在宅勤務をしていると回答。これは2016年から173%増で、パンデミックにより引き起こされた大きな変化のひとつですね。
宗教無宗教と回答した人が大きく増え、2016年の45万1941人から73万6210人に!
ローマンカトリックの割合は、2016年から10%減の69%に。アイルランド国教会(プロテスタント)の数はほとんど変化が見られず、引き続き2番目に多い宗教(2%)だそうです。
そのほか、イスラム教徒の数が前回の6万4000人強から、8万1930人に増加。宗教に関してもリベラル・多様化が進んでいますね。
※参考→
Working from home up, Catholic households down in Census figures (RTE News) など
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