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『ライアンの娘』のロケ地へ(ディングル半島)

ヨーロッパ最西端の地ディングル半島(Dingle, Co. Kerry)は、ディビッド・リーン監督の名画『ライアンの娘(Ryan's Daughter,1970)』のロケ地として知られる場所。

ディングルの町から「スレイ・ヘッド・ドライブ(Slea Head Drive)」と呼ばれる周遊路を進んでいくと、最西端のスレイ岬(Slea Head)の付け根に記念碑が立てられています。

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"Ryan's Daughter Commemorative Stone - 1969"

映画のフィルムがデザインされたシンプルな石碑。
印象的なあの嵐のシーンはこの岬の浜で撮影されたのですが、格好の嵐が来るまで何日も待ったそうです。

映画に出てくる村は完全なセット。
ロバート・ミッチャム扮する学校の先生の家だけが実在するホンモノで、その他は教会もパブもすべて架空の町を作りあげて撮影されました
残念ながら、撮影終了後にすべて取り壊されてしまったので、今は何も残っていません。

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映画村があったDunquin周辺。3つの峰はThree Sisters(三姉妹)と呼ばれる

このDunquinは、その後、トム・クルーズ&二コール・キッドマン主演『遥かなる大地へ(Far and Away,1992)』のロケが行われた場所でもあります。

『ライアンの娘』の撮影が行われた頃の、今から40年前のディングル半島には、テレビはまだまだ普及されていませんでした
あの映画には地元の子供たちがエキストラとして多く出演していますが、子供たちは「映像」というものを見たことがなく、何がなんだかわからないまま、楽しいお祭りに参加しているような気分だったそうです。

また当時のディングル半島には、現金収入を得て生活している人が少なかったため、ある日突然ハリウッドからアメリカ人がやって来て、「お宅の土地を映画撮影のために1年間貸して下さい!」とドル札をど~んと積まれ、きょと~んとなってしまったそうです。

さらに、CGも未発達だったその時代。撮影が長期に渡り、季節が変わって木の葉が落ちてしまったので、スタッフは枯れ木に作り物の葉っぱを貼り付けることに。
その様子を見た地元の人々は、「アメリカ人は頭がおかしいのではないか…」とささやき合ったとか。

…などなど、ディングル半島には、撮影当時のさまざまな興味深いエピソードが残っています。

写真は、サラ・マイルズとロバート・ミッチャムが歩いた白浜のインチ・ビーチ

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Inch Beach(ディングルの町より東へ10キロほど)

これまた格好の晴天がなかなかやってこないので、業を煮やしたリーン監督は、マイルズとミッチャムを飛行機に乗せて、北アフリカのビーチで撮影を完了したそうです!
映画では、それをうま~くつなぎ合わせたわけですね。

久しぶりにディングル半島を訪れて、その美しさにあらためて感激。
何度訪れても、飽きることのない地のひとつです。
一方『ライアンの娘』の映画の方は、結末がなんともやりきれなくて、そうそう何度も見る気がしないのですが。
皆さんはどうですか?

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コメント

私も何度も見る気にはなれないわ~。長いし。
この映画で印象的だったのは何と言っても集団心理の恐ろしさ、です。
でもあの砂浜は実際の場所も映画のシーンでも本当に美しくて・・・。ディングル半島、もう一度行きたいな。

Pearlさん

このブログを書き終わって、今日の新聞を見たら、ちょうど『ライアンの娘』のディングル・ロケのことが書かれていて驚きました。
撮影が行われていた一年間、ディングルは「ハリウッド景気」に沸き、つぶれそうだったショップが持ち直したとか、家の修復ラッシュが起こったとか…そんな話。
ロバート・ミッチャムは、撮影終了後、エキストラの土地の子供たちにフリスビーをプレゼントしたそうです!

わたしはこの映画好きなんですが・・・しかしやはり何度も見るタイプの「好き」じゃないですねえ。2年に一度くらい、それも心に余裕がある時に限って見ます。でもあの乗馬のシーンが大好きで大好きで・・・憧れます。

Kさんへ

こんにちは。
そうですね、あのシーンはとってもロマンチックですよね~。
私は、海辺でのさまざまなシーンが好きです。そういえば、マイケル役の俳優さん、去年かおととしに亡くなってしまいましたよね・・・。

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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