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レンスターもケイティも負けてしまった昨日のダブリン(そして北アイルランドでは政治ニュース)

こんな日ってあるんですね、昨日のダブリン…。期待値マックスだったラグビー、そしてボクシングの2つの大舞台どちらもが敗北に終わってしまい、なんだかキツネにつままれたような気分。

まずはラグビーですが、欧州ラグビーユニオンのクラブ&地域代表チームの王者を決めるチャンピオンシップ、ハイネッケン・カップの決勝がダブリンAVIVAスタジアムで行われました。
ダブリンをベースとするレンスターVSフランスのラ・ロシェルの対戦。この対戦が特に注目されたのは、現在ラ・ロシェルの監督をつとめるのがローナン・オガラ様だから。もとアイルランド代表の伝説の10番です!(←この人のことは、「様」を付けずには呼べない!)

レンスターは、世界最高の選手としばしば評されるアイルランド代表チームのキャプテン、ジョニー・セクストン率いるチーム。オガラ様のあとに背番号10番を引き継いだのがジョニーです。
現在ジョニーはリハビリ中で昨日の試合には出ておらず、スマートなスーツ姿でベンチから応援。レンスターの監督はリオ・カランだけど、なんだかジョニーが監督かのようで、10番の先輩後輩対決みたいでした。

昨今アイルランド代表選手の多くがレンスター所属なので、まるで代表戦を見ているかのようでもありました。
昨日は自宅でTV観戦していたのですが、試合開始後ものの30秒ほどでコーナン→シーハンの流れるようなトライが決まり、始まりから20~30分は完全にレンスター優勢。ジョニーがいなくても楽勝じゃん!とすっかり安心した私は、追い込み中の拙著の最新改訂版の執筆作業にしばし没頭。
気が付いたらハーフタイム、それでもまだ余裕ありで、友人と「いい試合だね~」、「巨大なフランス人相手によく守ってるね~」などと気楽なメッセージを交わしていたのが…。たちまち追い上げられしまった!

それにしても、残り5分くらいのところでペネルティキックを取ったとき、ロス・バーン君はどうしてドロップゴールをねらわなかったのでしょうね。最後までトライで得点できる!って信じていたのかな。(←といったことを記者会見でリングローズは言っていた。ロスの勘を信じていたから、その点については後悔ナシ、と)
私も残り2分くらいで大逆転になるかと思っていましたが、レッドカートで夢が断たれそのまま負けてしまいました。1点差だったことを思うと、前半のロス君のキックが続けて外れたことまでも残念に思えて…涙。
意識を失って倒れたラ・ロシェルの選手はその後大丈夫だったのかな。

オガラ様は選手時代、感情をあまり表さないクールな人でしたが、監督になってからはすっかり激情派に。というより、選手時代は自分のそういう部分をおさえていたのでしょうね。
昨日も試合後の会見でオガラ節炸裂、自分のチームの扱いに対して大クレームをぶちまけていました。レンスターのキャプテンのジェイムズ・ライアンが試合前のコイントスで目を合わさなかったとか、AVIVAがレンスターにひいきしてラ・ロシェルの選手や家族のスペースが十分ではなかった、とか。自分たちが弱小チームだと思って見くびっていたのかもしれないけれど、それもこれまでさ…っていったことを歯に衣着せず言い放っていました。(ラ・ロシェルはハイネッケンカップ2連覇なのに!)
ハーフタイムにはオガラ様、ジョニーも含む両チームの関係者の間でいざこざがあったらしく、詳細は現在調査中とのことです。いや~、試合中も乱闘があったし、なかなか熱い一戦でしたね。
※選手時代のオガラ様についての考察。ちょっと古いブログですが…→ローナン・オガラの魅力(2009年3月)

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昨日AVIVAで観戦していた友人フィリップから送られてきた写真。大ラグビー・ファンの彼の落ち込みぶりはすさまじく、なぐさめる会を企画中(笑)

そんなこんなでガッカリしていたところへ持ってきて、昨晩はケイティ・テイラーも負けてしまいました。
2012年、女子ボクシングが初めて取り入れられたロンドン・オリンピックで金メダルをアイルランドに持ち帰った英雄。ケイティに憧れてボクシング・ジムに入る女子が急増するほど、社会現象となりました。
※過去ブログ参照→おめでとう、ケイティ、ついに金メダル!(2012年8月)

2016年にプロに転向、女子ライト級4団体王者。昨晩はプロになって初めてのホーム・カミングで、ダブリンの3アレーナでスーパーライト級の4団体王者のシャンテル・キャメロンと対戦したのですが、会場は完全に「ケイティ、お帰り~」ムード一色だったにも関わらず、多数決(?)で判定負け。勝てば2階級制覇…だったらしい。プロに転向して初の敗北だったそうです。
ハイライトで対戦を見ましたが、リング脇にコナー・マクレガーがいましたね。先日彼のパブへ行ったばかりだったから、すぐにわかりました(笑)。
同胞ケイティの応援に地元ダブリンに駆けつけていたんですね、コナー。

そんなわけで敗北の土曜日だった昨日。先ほど友人とブランチしながらあれこれ考察し、語ってきたところです。
スポーツだけでなく政治面でも北アイルランドの統一地方選挙でシン・フェイン党(南北統一派)が初の第1党になるなど、書くべきニュースがありましたが、長くなりますのでその話はまた今度。
あ、北アイルランドと言えば、RTE(アイルランド公共放送)の「The Late Late Show」の次のホストが北アイルランド出身のコメディアン/プレゼンターのパトリック・キルティ(Patrick Kielty)さんに決まりましたね。(「The Late Late Show」は金曜夜に放送されているトーク番組で、1962年から続く、世界で2番目に長く続いているトーク番組)
グッドフライデー合意(北アイルランド和平終結の合意)締結25周年の節目らしいセレクト。時代は明らかに進み/変わりつつあります。あ~、あれこれお伝えしたいことがありますが、今日は時間切れなのでまた今度。
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コメント

Yama

『56日間』キャサリン・ライアン・ハワード著について
横テーマで失礼します。

タイトルのミステリーが、日本経済新聞、「半歩遅れの読書術」欄に取り上げられました。解説はあの山本一力さん。(2023.5.20 朝刊読書ページ)

「ロックランド下のアイルランド・ダブリンが舞台のミステリー小説。多視点のテンポのいい進行に引き込まれた。かのエラリー・クイーンの基準に照らし合わせても基準にかなうと確信した。」(山本氏より)
こうありました。巻末には執筆秘話と読み応えのある解説が掲載されているとのこと。ぜひ読んでみようと思っています。
アイルランドでの評判はどうでしょうか?


hongnao

気持ち切り替えましょう!
ナオコさん
ラロシェルが強かったと納得しましょう。
Leinsterの前半の前半の3トライはどれもちょっとトリッキーでしたね、開始直後の穴をついて取れるだけ取っておきたかったってとこでしょうか?そのあとのラロシェルの正当に攻め入ってのトライでじわじわ追い上げていく形はもうドキドキしかありませんでした。イエローで相手が一人少ない状況でも目立った優勢は見られなかったし....結局前半の後半から後半まるっとトライとれなかったし
ロスがPG狙わなかったのは私の素人考えですが、あそこで3点取って2点上回ったとしても残りがロスタイムを入れると7分以上あったと思われ、その時点でハーフウェイラインまで戻って相手のキックで自陣での攻防ってのは長すぎて持たないかもって思いもあったんじゃないかなあ.....もちろんトライとれると信じたのも事実だろうし、仮にすぐにトライできないとしても相手陣にさえ残っていればぎりぎりワンチャン....とは素人考えです(;^_^A 
いずれにせよ力負けだったと思います。あくまでもクラブチームではあるのですが、あまりにおなじみの顔ぶれすぎてまるでIrelandが負けちゃったような心持であります。
おフランスだとどうしてもトゥールーズばっかり見ちゃう私はほとんどラロシェルは知らないのですが、オガーラはいいチームを作りましたね、来年からIRELANDのHCになちゃったりしますかね!? でもまだチームと近すぎるかなあ....
長かったシーズンも一区切り!できるだけリフレッシュして!
さあ9月まで4カ月!!

naokoguide

Re: 『56日間』キャサリン・ライアン・ハワード著について
Yamaさん、こんにちは。
カトリン・ライアン・ハワードというコーク出身のミステリー作家さんのようですね。複数の作品で受賞歴もあるベストセラー作家さんのようです。
ロックダウン中に執筆した小説、面白そうですね。当地での批評などをざっと見たところ、評判良いようですよ。
情報ありがとうございます。

naokoguide

Re: 気持ち切り替えましょう!
hongnaoさん、こんにちは。
そうですね、ラ・ロシェルの強さにはレンスターが負けちゃってガッカリだけど脱帽、ってところでしょうか。RTEの解説に出ているジェーミー・ヒースリップ(もとレンスター所属の代表)が、もう残念で残念でならないっ!って気持ちがにじみ出て仕方ないけれど、解説者という中立の立場でラ・ロシェルを称えていたのが印象的でした。
ただ、若手が多いですからね。レンスターはまだまだチャンスがある!

それにしてもオガラ様の評価はうなぎ上り。この人、選手時代にもいつも敗者に寄り添うところがあって、心の温かい人だなあって思ってましたが、選手に寄り添う気持ちが人一倍強いようです。アイルランドの監督になることにも意欲的なので、本当にそうなるかもしれないですね。うわ~、オガラ様がヘッドコーチのチーム・アイルランドなんて、考えるだけでも鳥肌モノです!
ワールドカップ、楽しみですね~!
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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