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ダブリンで『すずめの戸締まり』鑑賞、思いがけずナルニア的、ケルト的だった!

友人に誘われて、ダブリンで上映中の『すずめの戸締り』を見に行ってきました。

suzumelighthousecinema0523
英語タイトルは『Suzume』。友人がチケットを買ってくれていたので日本のアニメーション映画だということしかわかっておらず、それが『すずめの戸締り』であることに気が付いたのは当日というぼんやりぶり(笑)

ほとんど前知識なしに見に行ったのですが、いや~、すごい作品でした。どんな映画?ってひと言で言い表すことが出来ないようなすごさ。
ファンタジー、SF、アクション、ロマンス、コメディ、生死観、親子の絆、親子をこえた絆、震災の記憶と教訓…といった、あらゆる要素が詰まっていて、登場人物もそれなりに多くストーリーも複雑と言えば複雑なんですが、鑑賞後の「あれはなんだったんだろう」といったモヤモヤが一切ない。最後はちゃんとひとつの場所に着地して、懐かしいような安堵感に包まれて映画館をあとにできる作品でした。
そのあたりは、さすが同郷・同世代の新海誠監督。感覚が「昭和」のお茶の間文化でホームドラマを見て育った世代だなあ、と親近感を覚えずにはいられませんでした。

そして「ドア」を開けたら…ってところは、まったくもってナルニア的で、「常世」は「ティルナノーク(注1)」。さらに言うなら、ネコはパンガ・ボン(注2)だ!
椅子も魔法がかかりやすいモチーフですよね、ナルニア4作目の『銀の椅子』のように。
神々の国・日本の民話神話は、やはりケルティック・ファンタジーとオーバーラップしますね。

ちなみに「ドア」と言えば、映画館に入ろうとして、私、思い切りドアにぶつかったんです。コーヒー片手に友達としゃべりながら歩いていて、ちょっとあり得ないんですが、真っ黒い大きなドアを思い切り無視して突き進んでしまった!(笑)
コーヒーはこぼれるわ、ヒステリックな笑いは止まらないわ…で、優しいアイリッシュの若い子たちがみな、大丈夫?ってドアを開けて、私が落ち着くまで待っていてくれたけれど、可笑しくて笑いたいけれど笑ったら悪いよね、って顔をゆがめていた彼らがこれまた可笑しくて…。
で、映画を見始めたら「ドア」の話だったから、あれは前兆だったのか!と納得すると同時に、となりにすわっていた友人ディヴィッドが「サイキック・ナオコだ~」とか言いながらツンツン突いてくるので、そこでまた笑いが止まらなくなり…。
(ちなみに、ぶつかってそのまま開いちゃったら、私、「常世」行きだったのかも!)

ドアにぶつかったヘンな日本人だった私は、上映中も迷惑な人だったかもしれません。
というのも、チェッカーズ、ユーミン、聖子ちゃん…と80年代歌謡曲が次々登場するものだから、一緒に口ずさまずにはいられなくて。(←さすが同世代の新海監督!)
河合奈保子の「けんかをやめて」がかかったときには、もうテンションマックス。新海監督、奈保子ちゃんのファンだったんでしょうかね。聖子ちゃんまではわかるけど、奈保子ちゃんをかけるってかなりツウなチョイスですよね。

そして私は見逃しませんでしたよ、スズメちゃんの部屋に『赤毛のアン』があったのを!
すでに日本では話題になっていることでしょうが、ここでは基本、観客は日本語が読めませんから、あれに気づいた人は私くらい。
ものの1秒あったかといった瞬間でしたが、茶色っぽい背表紙にくっきり「赤毛のアン」の文字。新海監督はきっと、奈保子ちゃんだけでなく、隠れ「アン」ファンでもあり、スズメちゃんの勇気と行動力はアンゆずりなんだ!って妙に納得したのでした。

ナルニアにケルトにアンに…と私が好きなものがこんなにテンコ盛りな作品だったとは。見に行こう、とチケットまで取って誘ってくれた友人こそ、サイキックかもしれない!

(注1)ティルナノーク=ケルト神話の永遠の若さの国
(注2)パンガ・ボン=『ブレンダンとケルズの秘密』に出てくるネコ。中世のアイルランド修道士が書いた詩に出てくるネコがモデル。過去ブログ参照→「ケルズの書」についてのオンライン講座終了、そしてパンガ・ボンが来た~
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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