素晴らしいお天気に恵まれて、今日は北アイルランドのモーン山脈(Mourne Mountains, Co. Down)へご案内。
ここはベルファースト出身の『ナルニア国ものがたり』の作者C.S.ルイスが愛した地で、「ナルニア」のイメージの源となった地。「ナルニア」の原作&映画がお好きだというお客様が、私の本『
絶景とファンタジーの島 アイルランドへ』(イカロス出版)のそのことを紹介したページを見て、ここへ行きたい!とリクエストしてくださいました。

ヘアピンカーブをのぼる途中、あまりの絶景に思わず車を停めました。このエリア、こんなかたちの円錐形の山がポコポコと連なっているのです
ヒースが一面斜面を覆うモーンの山々や、まさに「ナルニア」の世界そのもの。『魔術師のおい』でディゴリーとポリーが魔法のリンゴを取りに行くときに越えた、荒野が思い出されます。

1960年に建設されたスペルガ・ダム(Spelga Dam)。ここの案内板にモーン山脈は5600万年前に形成された花崗岩の山で、石の年代としては比較的新しいと説明されていました

春の牧草地の緑の美しいこと!なんと平和で牧歌的な景色でしょう
山に挟まれた道をぐんぐんのぼっていき、到着したのはサイレント・バレー山岳公園(
Silent Valley Mountain Park, Co. Down)。
ここなら登山しなくとも、モーンの山々を眺めながらのんびりしたり、数キロの簡単なウォーキングを楽しむことも出来ます。

公園内を歩いていたら見つけた!アスラン?
園内のいちばんの見どころは、サイレント・バレー貯水池(Silent Valley Reservoir)。1933年、産業都市として発展するベルファーストに水を供給するため、険しい山中に10年の歳月をかけて完成させたという貯水池です。

モーン山脈中の水がここに集められ、完成から90年経った今もベルファーストの主な給水減として使用され続けています
貯水池沿いの、片道4.8キロの道をお客様と一緒にウォーキング。
1000人を動員させたという貯水池の大工事で、周辺の山や森から鳥がすっかりいなくなってしまったので「サイレント・バレー(静寂の谷)」と名付けられたそうですが、名前に反して鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえています。

ハリエニシダに縁どられた道。ココナツのような甘い香りがただよいます
実はこのあと天気が急変し、行く手に雨雲が。途中で土砂降り&ひょうに見舞われ、ずぶぬれになりながらも、「アスランのいるシャドーランズ(影の国)へ、いざ~!」と気分はすっかり「ナルニア」。
『朝びらき丸 東の海へ』でひとりアスランの国へ旅立った、ねずみの族長リーピチープは立派でしたね~、などとお話ししながら(笑)。

園内のティールームで山を眺めながらランチも楽しみました。ありふれたハム&チーズのトースティと紅茶なのに、なんだかとっても素敵なランチに見える!そして、とってもおいしかった!
初めてここへ来たときあまりの美しさに感激して、森の散策記を書いたまま、その続きをなかなかブログに書き起こせないまま今日まできてしまいました。
→
「ナルニア国」を探して秋の森を歩く、サイレント・バレーにて(2016年9月)
その後何度も再訪し、自分の本にも紹介したことで、こうしてまたご案内のチャンスをいただけました。
そして、
先日オンラインで「ナルニア」講座をしたばかりでしたので、自分の知識や記憶がフレッシュなときに「ナルニア」好きのお客様とご一緒に来ることが出来て感無量でした。

このあと、
ベルファーストのC.S.ルイス広場で「ナルニア」めぐりのしめくくり。アスラン越しに虹がかかり、めでたし、めでたしで大団円となりました!(←瀬田貞二さんの翻訳風に…笑)
※
C.S.ルイス、「ナルニア」関連過去ブログ→C.S.ルイスゆかりの地めぐり④~ダンルース城(2019年9月) など
- 関連記事
-
コメント