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シネイド・オコナーが出ている1992年の映画『嵐が丘』

週末に友人たちとおしゃべりしていて、私が4月におこなうオンライン講座のテーマが「ブロンテ姉妹とアイルランド」だという話から、1992年公開のジュリエット・ビノシュがキャサリンを演じた映画『嵐が丘(Emily Brontë's Wuthering Heights)』の話に。
そう言えばこの映画、ずっと観たいと思いつつまだ観ていなかった!と思い出し、早速に昨晩アマゾンプライムで視聴しました。(なんて便利な世の中になったことでしょう!)

ElmilyBrontesWutheringHeightsmovie1992JAPAN
『嵐が丘』(アマゾンプライム配信)。まるで「風と共に去りぬ」を彷彿させるようなポスター!

エミリー・ブロンテ作の原作小説の『嵐が丘』は、中学生か高校生のときに初めて読み、ちょっと激しすぎてついていけない…とかなり引いたものです。冒頭の嵐の夜の屋敷でのシーンが怖くて、その先を読み進めるのが大変だった記憶が…。とちらかと言えば、ブロンテ姉のシャーロット作の『ジェーン・エア』の方が好きでした。
その後、大人になってから、小説の舞台となったイギリス、ヨークシャーのヘイワース(Haworth)を訪ね、エミリーが、そして小説の中のキャサリンとヒースクリフが駆け回った荒野を歩き、姉妹が育った牧師館を訪ねたあとに再読したときには、とても感動した覚えがあります。

友人たちが絶賛していたとおり、この1992年版映画のジュリエット・ピノシュのキャサリンは最高。90年代というとそれほど大昔ではないような気がしますが、かれこれ30年前の作品なんですね。ヒースクリフ役のレイフ・ファインズも若く、この作品が映画デビュー作だったそうです。
ちょっと驚いたのは、冒頭と最後に、アイルランド人シンガーのシィネード・オコーナーがカメオ出演していたこと!(日本でのカタカナ表記は「シネイド・オコナー」が一般的なようなのでブログタイトルはそうしましたが、Sineadは「シィネード」だし、O'Connorは「オコーナー」の方が当地の発音により近いと思います)
原作では物語の語り手・聞き手は家政婦ネリーとロックウッド氏ですが、映画のオリジナルタイトル『エミリー・ブロンテの嵐が丘(Emily Brontë's Wuthering Heights)』が示唆するように、本作ではエミリー自身がまるで語り手であるかのごとく登場し、物語の幕開け&幕引きをします。そのエミリーに扮している!のが、若き日のシィネード・オコーナーだったのでした。
当時25歳くらい、「Nothing Compares 2 U」が出た直後の人気絶頂の頃でしょうか。エンドクレジットには名前はないですが、当時は名乗らずとも誰もがシィネードだってわかったことでしょう。

音楽は坂本龍一さん。物悲し気なメインテーマは、アイルランドの伝統曲「Mna Na hEireann (Women of Ireland)」を一部ベースにしているそうです。この曲は、『嵐が丘』にインスピレーションを得て作ったという同名曲が大ヒットして一躍有名になったケイト・ブッシュはじめ、多くの女性ミュージシャンがカバーしていますが、こちらはシィネード・オコーナーによるもの。



そしてこちらが映画のメインテーマ、聴き比べると、なるほど~。(坂本龍一さんによるピアノ・バージョンもステキです→https://youtu.be/BndIWgclafs



90年代はそれまで貧しかったアイルランドに少しづつ光が見え始めた頃で、経済が上向きになるのと並行して、音楽シーンも勢いを増していった時代でした。エンヤがいて、シィネード・オコーナーがいて、ユーロビジョン・コンテストで連勝し、リバーダンスが誕生し、コアーズとか、クランベリーズが出てきて…。
私がはじめてアイルランドの地を踏んだ98年、日本で情報収集してきたアイルランドの「流行り」の音楽はそういった面々に彩られていました。
この92年版『嵐が丘』のサウンドトラックは、そんな時代の先駆けであり「流行り」だったのかもしれませんが、今聴いても十分に新しいですね。伝統のメロディのエッセンスを入れると、ちまたの流行り廃りを超越するのかもしれません。

『嵐が丘』は過去に7度映画化されており、この1992年版が6度目。2011年の7度目の映画は、ヒースクリフ役を黒人俳優が演じたことが話題となりましたね。(実はまだ観ていません…!)
興味深いのは92年度版のひとつ前の映画化で、1988年になんと日本で制作。設定を日本の鎌倉・室町時代に置き換えたリメイクで、松田優作x田中裕子主演だそう。見てみたい。
『嵐が丘』ってストーリーも登場人物もかなりエキセントリックだと思いますが(よ~く考えると、まともな人はエドガーくらいではないでしょうか)、繰り広げられる愛憎劇は、古今東西、時代を問わず普遍的…ってことでしょうか。

ちなみに、アイルランドのリービングサート(全国一斉の高校卒業試験)の国語(英語)の試験課題には『嵐が丘』が採択されることが多いようです。
今どきの日本の国語の受験問題はどんな感じなのでしょう。芥川とか太宰とか、名作文学から出題されたりするのかな。
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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