早いもので今年も2月。本日2月1日は、アイルランド初の女子修道院を創設し、貧しい人や病める人に救いの手を差し伸べた伝説の聖女、「聖ブリジッド(St Brigid's Day)の日」です。
今年からこの日が祝日扱いとなり、「公休(Bank Holiday/Public Holiday)」に定められました。
アイルランドでは多くの祝祭日を月曜日に振り替えるなどしてロング・ウィークエンドになるようにしていますが、「聖ブリジットの日」もその例にもれず、暦上は「2月の第1月曜日」に。(2月1日が金曜日の年はそのまま金曜日)
よって、今年は来週2月6日(月)が「バンク・ホリデー」となります。(アイルランドでは「祝日/公休」のことをこう呼ぶのが一般的)
フリーランスで決まった休みのない私はこれまでわかっていなかったのですが、アイルランドは、ほかのEU諸国と比べて、定められている年次有給休暇や公休日数が少ないのだそう。
●有給休暇(最低日数) アイルランド20日、フランス30日
●公休(祝祭日) アイルランド10日、フランス11日、スペイン&ポルトガル13日
※
Three extra bank holidays proposed in new bill (Irish Examiner) など参照
日本は有給休暇は最低10日だけれど、公休日は16日もありますね。
そのような事情から、パンデミックを耐え忍び、尽力した国民(とくに医療従事者など最前線で働いた人たち)へのご褒美としてお休みを1日増やそうではないか、という案が持ち上がり、10番目の公休日を定めることに。
パンデミックで命を落とした多くの人たちのことを忘れないためにも、「ケルトのマリア様(Mary of the Gael)」と称えられ、慈悲と救済の心で祈りや施しを捧げ続けた聖女ブリジッド、その日がふさわしい、ということになったようです。
コンセプトは素晴らしいと思う反面、冬場にホリデーを増やすことで観光にもプラスに…との政府関係者の発言は、現場の者としてはちょっと違う気が。
海外からの観光客にはアイルランド内のホリデーは関係のないことですし、アイルランド人は、こんな天候がイマイチの時期に国内旅行はしませんよね。この時期のホリデーはカナリア諸島へ太陽を浴びに行くとか、ヨーロッパの雪山へスキーに行くとか。
というより、クリスマス後の今、みんな金欠なんですよ。政府の人たちっていずこも同じ。実情をあんまりわかっていないのかなあ…。
話がそれましたが、聖女ブリジットにまつわる逸話や、ゆかりの地については過去ブログに何度か書いていますので、よろしければご参照下さい。

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キルデアの聖女ブリジッドの泉へ(2022年1月)

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「ケルトのマリア様」聖ブリジッドは5世紀のスーパーウーマン!(2021年1月)
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「聖ブリジッドの十字架」の由来と風習(2021年2月)
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キルデアの聖ブリジッド大聖堂(2016年6月) など
ちなみに、近年、女性の権利が社会的に注目される中で、聖女ブリジッドが女性解放のシンボルに用いられるようになり、伝統的な「聖ブリジッドの日」に新しい意義が加わりつつあります。
ここ数年、ダブリンや、聖女ゆかりのキルデアなど各地でイベントが行われていすが、今年も本日より以下が計画されているようです。
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BRIGIT 2023: DUBLIN CITY CELEBRATING WOMEN(ダブリン)
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St. Brigid's Day(キルデア)
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