先月コネマラへお客様をご案内した際、
カイルモア・アビー(Kylemore Abbey, Connemara, Co. Galway)見学後にランチに立ち寄ったパブレストランが気が利いていておいしかったのでご紹介します。

キラリー湾(Killary Harbour)にの付け根にある小さな村、リーナンのハミルトンズ・バー(
Hamilton's Bar, Leenaun, Co. Galway)
目の前に広がるキラリー湾は海からの長さ16キロという大地に深く切り込まれた入り江で、アイルランドで唯一のフィヨルド。アイルランド島にはこのような入り江が数多くありますが、フィヨルドと定義されるにはいずれも深さが足りず。
このキラリー湾もノルウェーのフィヨルドに比べるとそれほど深くはないようで、これをフィヨルドと結論付けるまでには専門家の間でかなりの議論があったと言います。

引き潮時だったので、景観がイマイチですが…
湾内では牡蠣やサーモンが養殖されており、新鮮なシーフードが期待されますが、このエリアにシーフード・レストランはそれほど多くなく、このハミルトンズ・バーくらい。
カイルモア・アビーでフレッシュな秋の空気の中たくさん歩いたので、お客様と共にお腹ペコペコで到着。運よくテーブルが空いていましたが、もう少し遅かったら空くまで待つことになったでしょう。

私たちが着席したときには空席がまだありましたが、この後まもなくいっぱいに…
実はこの2日間前にも
ゴールウェイ近くのモランズ・オイスター・コテージで牡蠣を食べたばかりだったのですが、お客様も食べたい!とおっしゃってくださり、再び牡蠣を少し。

丸っこくて平べったいゴールウェイ・オイスターと違い、こちらの牡蠣はパシフィック・オイスター。いわゆる岩ガキ/真ガキ系
メインはムール貝の白ワイン蒸しを。私は普段、ムール貝をチョイスすることはあまりないのですが、なぜかこの時は食べたくなりました。
アイルランドのムール貝は小さ目なこと多いのですが、ここのは通常より若干大き目で食べ出あり。久しぶりに食べたからでしょうか、ムール貝ってこんなにおいしかったんだ!と感激しました。

アイルランド西海岸で貝尽くしのランチ♪

お客様が注文されたスモークサーモンとエビのオープンサンドも、とってもおいしかったそうです。ブラウンブレッドとスモークサーモンはよく合いますよね
リーナンと言えば、ジョン・B・キーン原作の映画『The Field(ザ・フィールド)』(1990)のロケ地として知られる村。
かなり前に1~2度見たきりで詳細はうろ覚えですが、20世紀初頭、アイルランドがイギリスから独立してアイルランド人に土地が返還されていく頃の話。長年土地を守ってきた小作人の男性は、地主が自分に土地を売ってくれると思っていました。ところがよそ者のアメリカ人に売ってしまい、それが発端で事件が起こり…といったストーリーだったような。
しとしと雨が降る中、小作人はロバを連れて泥炭を掘る…みたいな、暗~い映像だったと記憶していますが、こうしてお話していたらあらためて見たくなりました。

店内に『ザ・フィールド』撮影時のときの写真が飾ってありました。左から2番目のヒゲの方が、主人公の小作人を演じたリチャード・ハリスさん。リマリック出身の往年の大スターで、お亡くなりになられて久しいですが、初期の『ハリー・ポッター』にも出ておられました
ちなみに、
昨日ご紹介した『The Banshees of Inisherin(イニシェリン島の精霊)』のマーティン・マクドナー監督の戯曲『ビューティ・クイーン・オブ・リーナン』のリーナンもここです。
夏の観光シーズンを外れていたせいか、村は人気がなく、でもパブの中はにぎやか…といった、よくあるアイルランドの田舎の光景が印象的でした。
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