ちょっと間があいてしまいましたが、
スイスの「ハイジ」の舞台を訪ねる旅の番外編です。
この旅の間、「ハイジ」めぐりをしながら連日12~15キロ歩いていました。山の斜面を登ったり、下ったり、結果的に毎日ハイキングしていたことに。
でも、せいぜい標高500~1100メートルあたりをウロウロしているにすぎず、周囲の2000メートル級の山々は眺めているだけ。せっかくならアルプスの山の頂に立ってみたい!という気持ちになり、バート・ラガーツ滞在中に軽登山を決行。

冬はスキー用となるゴンドラやチェアリフト(
Pizolbahen)がハイキング/トレッキング用にオープンしていたので、それを乗り継いで標高2200メートル位の地点へ。2000メートル級の山々が徐々に同じ目線に
5つの湖をめぐる全長11キロの「5 Seen Wanderung Pizol(ピッゾル山の5大湖ハイキング)」が人気のトレッキング・ルートのようでしたが、それだとどこにも登頂しない上、隣りの谷へ降りてしまうので不便。
いっそのこと、この辺りで最高峰のピッゾル山(Pizol、標高2844メートル)に登ろうかとも思いましたが、思いつきで登るには少々難易度が高そうだったので、ピッゾルからチェーン状に連なるホッホヴァルト山(Hochwart、標高2665メートル)を目指すことにしました。

さすが山岳国スイス、こんなに高い山にまでちゃんとした標識が。さらに高い地点に行くと、コース別に色分けされたマーキングが岩に直接ペイントされていて迷うことなし。ハイキング・コース選びや詳細については、こちらのサイトがとても役に立ちました→
Heidiland:Hiking in the Holiday Region Heidiland
朝9時の始発のゴンドラで来たので人もまばらかと思いきや、中間地点の宿に滞在していた人や、別の谷から上がって来る人がすでにポツポツ歩き始めていました
ところどころ、石がゴロゴロの険しい急勾配。この夏にアイルランド国内で登ったクローパトリック(→
6月/
8月)、エリガル(→
9月‐1/
9月‐2)、シュガーローフ(→
6月)を全部合わせたような登山道。高さは、その3つを積み重ねても届きませんが(笑)。

このターコイズブルーの氷河湖が見たかった!ヴィルトゼー(Wildsee)に到着、ここで約2480メートル
ヴィルトゼーまで登って大変だったらそこから下ろう…と思っていましたが、まだまだ行けそうだったので続行。
ここからは道なき道で、岩に記されたマーキングを見逃さないように進みます。思いがけず、雪の上も歩くことに。

まさか雪上を歩くことになるとは思わなかった…!笑
このあと、まるで崖登りのような難所を数か所越えると巨大な岩の塊のような頂が現れ、どうやらそれがホッホヴァルト山のよう。
あれにどうやって登るんだ~とひるんでいたところ、幸いにして降りて来た人がいたので、その人がたどった道筋を登ることで無事に登頂できました!

標高2665メートルのホッホヴァルト山頂。ここまで来ないと見えなかった北側のアルプスの峰々を一望

山頂にて、雪山をバックに気分爽快。山登りに取りつかれる人の気持ちがちょっとわかったような気が…
アルプスの山々が360度見渡せるのはもちろん、眼下には、先ほど通って来たヴァルトゼー含め、2つの氷河湖がきれいに見えました。
現地に行ってから知ったことですが、私が訪れたスイス北東部は、古代の造山活動の形跡が見て取れる地質学上重要なエリアで、「テクトニックアリーナ・サルドーナ」の名称でユネスコの世界遺産にも登録されていました。
アフリカとヨーロッパの大陸プレートが衝突してアルプス山脈ができたわけですが、そのときに何キロにもわたって古い岩石が若い岩層の上に押し上げられたそう。その形跡が如実に見て取れる地域なのだとか。
この登山の前日に訪れたタミナ渓谷も、私が登ったピッゾル山エリアも、ごくごく端っこではありますが、約32000ヘクタールにわたる世界遺産登録地域だったのでした。
ハイジランドの見どころは、ハイジだけではなかった!
思えばこれまで、信州の山育ちの私には山など当たり前すぎて、憧れの対象はいつも海でした。
ところが、最高峰が1000メートル強という、スイスや信州から見たら山などないに等しい低地のアイルランド暮らしが長くなるにつれ、山もいいなあと今さらながら思うように。ないものねだりですね(笑)。
ハイジの舞台を訪ねて来たつもりのスイスで、思いがけずアルプスの頂に登ってしまったわけですが、2000メートル級の山に登るのって、小学校6年生のときの八ヶ岳登山以来だったかもしれません!
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