数日前にアイルランド北西部へ取りに行き、お預かりしていたハープの奏者となるお客様が本日ついにダブリンに到着しました。

朝早く空港へお迎えにうかがう前にご宿泊ホテルへ預けに行くと、フロントスタッフのジョージさんがリフトで丁重に運んでくれました。大きな楽器箱の中身はゴーンさん…じゃなくて、もちろんハープ・笑
長旅の疲れも見せず元気に到着したのは、11歳の若きハープ奏者・莉愛(りあ)ちゃん。
開催中の伝統音楽の祭典フラー・キョール(
Fleadh Cheoil)に出場するため、ご両親とともにはるばるアイルランドに来て下さいました。このハープで週末のコンペティションに出場し、日本一の腕前を披露します!
(お母さんのTwitterより↓)
王子様というのは、莉愛ちゃんの前にこのハープを弾いておられたハープ王子として知られる方。王子様→王子様のステイ先の妙子さん→ナオコガイド→莉愛ちゃん…と最終走者(奏者)へついにバトンがつながった!
午後からは、莉愛ちゃんがぜひ行ってみたかったというタラの丘(Hill of Tara, Co. Meath)へご案内。
同じくフラーに出場するためにアイルランド入りしているティンホイッスルやフルートの名手・ぱとりさんもご一緒。古代ケルトの王が即位した丘の上で、お2人のセッションが始まりました。

莉愛ちゃんがタラの丘へ持参したのは持ち運べる小型サイズのハープ。2人が奏でるハープ、フルート、ティンホイッスルの演奏がたまたま丘にいた地元の人たちや観光客を魅了し、大喝采

ぱとりさんは莉愛ちゃんのティンホイッスルの先生でもあるそう。草の上にすわって楽しそうに演奏するお2人、土地の精霊さながらエネルギーを放っていました
丘の上はいつもながら風が強く、風が楽器を鳴らしてしまうことも。ぱとりさんのフルートに入り込んで奇妙な音を出したり、莉愛ちゃんのハープを勝手にかき鳴らしたりするのです。
この風のいたずらが奏でるハープの音が驚きの美しさで、ふと、ダニーボーイの原曲とされる「オカハンの嘆き(O'Cahan's Lament)」という曲が生まれたときのエピソードを思い出しました。
今から400年ほど前、城での演奏の帰り道に酔っぱらって眠りこけた盲目のハープ奏者・オカハン。朝になって目を覚ますと、どこからともなく美しいメロディが聞こえ、なんと妖精たちがオカハンのハープを奏でていたのでした…という話なのですが、それって実は妖精ではなく、風の仕業だったのでは、と思い当たったのです。
アイルランド語で「妖精」を意味する「シー(sidhe/si)」という言葉は、もとは「風」の意味だったと言います。「妖精」と「風」は同義であり、同一。
だからイェイツの詩では妖精は風に乗って現れ、メアリー・ポピンズは風に乗って現れるんですね♪
そして、あんなに素直に楽しそうに演奏できる莉愛ちゃんとぱとりさんも、きっと「風」になれるお2人に違いない!って思いました。
帰り道に車の中でぱとりさんが所属するアイルランド音楽バンド、
Dé Domhnaigh(ジェドゥーナ)のCDを聴かせていただき、そのオリジナリティとレベルの高さに感激。それについては後日あらためてご紹介します。

風に姿を変えた妖精が奏でた、莉愛ちゃんの緑のハープと、日本からはるばるやってきた緑のドラえもん!ドラえもんは日本へ帰らずアイルランドの我が家に残ります、嬉しい~☘☘☘
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