アイルランドでも最近、小皿料理が人気のよう。どーんと盛られた一皿を各自が食べるという昔ながらのスタイルではなく、スペインのタパス・バーや日本の居酒屋のように、小さなディッシュでいろいろな味を楽しむことを提唱するレストランが増えてきたように思います。
とは言え、そういう場合は
先日ご紹介したレストラン、サーカのように「テイスティング・メニュー」と呼ばれる小皿料理のセットメニューになることがほとんどですが、先日友人と行ったライブラリー・ストリート(
Library Street, Dublin 2)は、セットではなくアラカルトで小皿料理が注文でき、それをシェアして楽しむというコンセプト。まるでモダン・アイリッシュのタパス・レストランみたいでした。

お天気のいい日だったので、食事前にテラス席で軽くワインを

シックでモダンな店内。夕方5時の開店直後にいちばん乗りで入店、このあと夜が更けるにつれテーブルは満席に
昨年11月にオープンして間もなく、ユニークなコンセプトと洗練されたお料理で人気となったレストラン。テーブル数が少ない上、週に4日(水~土)しか開いていないこともありなかなか予約が取れずにいましたが、平日の早めの時間帯をねらって数週間前から予約を入れ、待ちに待ったその日がやってきました。

カウンティー・メイヨー産の牡蠣と、トマトコンソメでしめた鯖。鯖のお皿のコンソメは飲み干してくださいね、とスプーンも渡されました

手長エビの炭火焼き

炒めたニョッキのそら豆ソースあえ

ミントのペーストでコーティングされたラム肉。奥に映っているのはアーティチョークのピクルス
地産地消の良質な食材が使われた料理はどれも美味で、シンプルな見た目ながら深い味わいのものばかり。各地のフランス料理店で修業を積んだというヘッドシェフのケヴィン・バークさんも途中でさりげなく登場。手長エビだったか、ラム肉だったかを運んできて、料理の説明してくださったのが今思えばケヴィンさんでした。
そして、ここまでですでに大満足でしたが、私の感激がさらに絶頂に達したのはこのあとのデザート!

羊のミルクのスフレとブラッドオレンジ。オレンジはシャーベットになっているほか、スフレの下にセグメントがごろっと入っていました!酸味と甘みが絶妙な、さわやかな夏の味

「パリ・ブレスト」というリング状シューのパイ菓子。1891年に開催されたパリ~ブレスト間の自転車レースにちなんで考案されたフランスのお菓子だそうですが、間に挟んだクリームはアイルランドらしくギネス風味でした!
少量を品数多く食べたい日本人にはぴったりのレストラン。この日は友人と2人でしたが、もう一人二人一緒だったらさらにいろいろな味を楽しむことが出来るでしょう。
そして、同じお皿を「シェアする」というのはアイルランドでは新しいスタイルですが、社交的なアイルランド人にもぴったりかも。お酒を飲みながら、おつまみをつまむような感覚で食べるというスタイルが、ようやくアイルランドにも普及しそうな気配です。
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