この週末はウィックロウ(Co. Wicklow)でキャンプとハイキングを楽しみ、気の置けない友人たちと忘れがたいひとときを過ごしました。
土日にかけてウィックロウ・ウェイ(
Wicklow Way)の一部を歩き、夜はルートの途中でキャンプをしよう!というプラン。
私は土曜は別の予定があったので、初日のハイキングを終えた仲間たちがパブでラグビー観戦&ディナーをしているところへ合流。ウィックロウ名産の鹿肉のソーセージをがっつりいただき、山の中で過ごす一夜にワクワクしながら皆と一緒にグレンマル―ア(Glenmarure, Co. Wicklow)近くのキャンプ地へ移動した時には、すでに夜9時をまわっていました。

なんとか日暮れ前にテントを張り終わりひと安心。川のせせらぎが聞こえる美しい場所にて楽しい夜の始まりです
ここはトイレやシャワーの施設があるいわゆる指定されたキャンプ場ではなく、人里離れた山の中のただの原っぱ。ウィックロウで生まれ育ち、現在もウィックロウ在住の友人カトリンが情報収集し、なんと事前に下見までしてくれて、安全にワイルド・キャンプの出来るスポットを見つけておいてくれたのでした。
山の中のワイルドな場所がいいけれど、テントや食料を背負ってえんえん歩くのはイヤ…という平均年齢40歳越えの私たちのワガママな希望に耳を傾けてくれたカトリン。キャンプ用品を積んだ車をほぼ横付けできる絶好の場所を見つけてくれたのでした、スバラシイ!

テントを張り終わったらキャンプファイヤー。アウトドア上級者のスティーブンとフィリップが、持参した薪や集めた木の枝で素晴らしい火を焚いてくれました(フィリップ撮影)
キャンプファイヤーなんて本当に久しぶり!持ち寄ったワインやビール、チョコレートやクリスプス(ポテトチップス)が飛び交い、久しぶりに会うオウエンロウがギターを奏で、皆で歌いました。

ノーラ・ジョーンズ、カーペンターズ、TOTO、シュネード・オコーナー、懐かしの映画音楽やフォークソング、ジャズ、そしてバンド名もタイトルも知らないけれどよく知ってる名曲が次から次へと。オウエンロウのプロ顔負けのレパートリーの広さと腕前にあらためて感激しきり

フラッシュを付けて撮影するとこんな感じ。左から時計回りに、カトリン、ルース、オウエンロウ、スティーヴン、フィリップ、ディヴィッド。昼間は20度近い夏の陽気でも山の夜はぐんと冷え込むので、みんなしっかり防寒しています
私はキャンプは初心者で、最後にテントで寝たのは3~4年前。自分のテントも持っておらず、カトリンの2人用のテントに入れてもらいました。
アイルランドでは夏でも野外のキャンプはとても寒いので、持参した分厚い折り畳みマットレスの上に、ダウンジャケット&ジャージを着こんで厚手の靴下&ウールの帽子をつけたまま寝袋に入り、さらにその上に毛布をかけて就寝。私はこれでぬくぬくと安眠出来ましたが、寒がりの人にはこれでも寒いと思う。仲間の中には毛布一枚分持ち物を省いたがために、寒くて夜中に何度も目が覚めた、という人もいました。
もちろん、電気なし、携帯電話の電波もなし。キャンプファイヤーの火から離れたら一歩も歩くことが出来ないほどの暗闇です。ところが、ふと空を見上げると、暗いはずの空が明るいではありませんか。地面や木々は真っ黒なのに夜空は白々と明るくて、街で見るのとはまったく逆。そうか、夜空が闇になってしまうのは、街が明るいからなんですね。夜の空って本当は暗くないんだ、ってことを今さらながら知りました。
そして、空には満天の星、星、星。北斗七星も、北極星も、オリオン座も、ひとつひとつの星のきらめきが街で見るのの何十倍にも見えます。月のない晩だったことも幸いして、それこそ降り落ちてこないのが不思議なほどの見事な星空を眺め尽くしたのでした。
そして迎えた朝。なんと、天然の鳩時計の「クックー、クックー」で目覚めました!

清々しい朝を迎えた、一夜限りの我らがテント村

持参したミネラルウォーターはモーニング・コーヒー用に残し、歯磨きはこの小川の水で。泥炭地を流れてくるためタンニンで茶色く見えますが、水は澄んでいます

ルースとスティーヴンがキャンプ用コンロを持参し、お湯をわかしてコーヒーをいれたり、朝食にポリッジを作ったりしてくれました。私はコーヒーに入れるアイリッシュクリーム(ミルク&ウィスキーのリキュール)を持参、みんなにベイリーズ・コーヒーをふるまいました。実は半分ジョークのつもりだったのですが、運転手以外はみな「わぉ~、ありがとう!」と喜んで飲んでくれました、朝っぱらから!笑(このボトルはベイリーズではないけれど、別メーカーのベイリーによく似たアイリッシュクリームです)
なんと楽しく、マジカルな一夜だったことでしょう。次回のキャンプがすでに待ち遠しい。
そして、次までには自分用のテントを買って、カトリンとフィリップが頭からかぶっていた虫よけネットも買おう!と心に誓いました。山にはミッジズ(midges)と呼ばれる小さな虫がわんさか飛んでいて、虫よけスプレーをし続けていたのですが、スプレーが目や口に入るは、それでもミッジズは耳や首元に入って来るわ…。
まるで養蜂家のような出で立ちでミッジズをものともしない2人がとてもスマートに見え、うらやましかったので!

ようやくテントをたたみ、ハイキングにだけ来た友人たちと合流していざウィックロウ・ウェイへ!出発点のグレンマル―ア・ロッジ(Glenmarure Lodge, Co. Wicklow)前の景色。ハイキングのことは後日あらためて書きます
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