友人に誘ってもらい、とても楽しいディナー体験をしました。
シックス・バイ・ニコ(
Six By Nico, Molesworth Street, Dublin 2)という、スコットランド出身の人気シェフ、ニコ・シメオン(Nico Simeone)さんのグラスゴー発祥のレストラン。UKではすでに数店舗展開されていて、ベルファーストに次ぐアイルランド島2店舗目として昨年秋にダブリンのシティセンターにもオープンしたお店です。
店名の「6(シックス)」はニコさん考案の「6コース」のメニューを、「6週間」ごとに新たに発表するというコンセプトから。アラカルトはなく、テーマに沿った45ユーロのセット・メニューのみ。
テイスティング・ポーションとは言え、6コースで45ユーロって、今どきのダブリン・シティセンターのレストランとしては破格の値段です。今のテーマは「Hollywood(ハリウッド映画)」とのことで面白そうではありますが、UKのチェーンですし、いくら有名シェフとは言えこの料金ではお味の方はそれほどでも…とあまり期待せずに出かけたところ、思いがけず美味しかったのです。
ベジタリアン向け6コースもあり、コースの一部をべジタリンにすることも可。アペリティブを付けたり、プラス39ユーロで各コースに合うテイスティング・ワインを付けることも出来ます。
私たちが美味しくいただいた、懐かしのハリウッド映画をテーマにした6コースはこちら。

コース1「シュレック」:カモ肉のムース、グラニースミス(リンゴ)、ジンジャーマン・クッキー。メニューブックもセレブのサイン入り映画パンフを連想させます

コース2「ゴッドファーザー」:ここだけベジタリアンにしてみました。キノコ、ウズラの黄身、スモークしたネギ、ダシ汁。葉巻に見せかけたチーズ入りカンノーリが「Leave the Gun, Take the Cannoli(銃を捨てて、カンノーリを取れ)」と書かれて出てきて笑えました。ネギがおいしかった!(ベジタリアンでないメニューはチキンのパテ、チキンの冷製コンソメ)

コース3「パルプ・フィクション」:牛肉のサガリ(細切れ)、バーガー・ソース、パルメザン・チーズ。この映画だけ知らなかったのですが、タランティーノ監督xジョン・トラボルタ主演なんですね。細切れ肉はピクルスの味もちゃんとして、バーガーのおいしいところだけをずっと食べているような感じ

コース4「パイレーツ・オブ・カリビアン」:タラ、ノリをレイヤーしたジャガイモ、ワイルド・ガーリックのペスト、タラコのペスト、(ホタテの皿の上に)イカ墨でコーティングされた魚のムース。ここからの2コースが温かいディッシュ。お皿の上のひとつひとつがどれも、とても美味しい!

コース5「スクリーム」:中華風ポーク(豚バラとヒレ)、豚皮のクラッカー、甘酢のペッパー、味噌風味のペースト。ひと目でホラー映画と分かる血が飛び散ったようなディッシュ!

コース6「ゴーストバスターズ」:イチゴとピスタチオのミルフィーユ、レモン・カード、メレンゲ、ゴーストバスターズのロゴ型カラメル。思わず「ゴーストバスタ~ズ♪」と歌ってしまった!
全体的にニュートラルな優しいお味で、6つのお皿がすうっとお腹に入ってしまった感じ。見た目にも楽しく、たくさんの食材が使われているせいか、各ポーションは小さくともしっかりいただいた満足感がありました。いろいろなモノを少しづつ食べたい日本人にはぴったりではないかと思います。
そして、レストランのコンセプトにも賛同できます。予約制を基本に6週間同じメニューにすることで、食材の必要量が見込めるため、食品廃棄はぐんと減るのではないでしょうか。同じものを作り続けるので若いシェフのトレーニングにも良いでしょうし、旅館の食事のように皆に同じものを出すのでサービスも早く、テーブルの回転もいい。だからこそ、このクオリティーで45ユーロという価格が実現できるのだなあ、と感じました。

会計時にチョコレートのお土産をいただきました。これもきっとハリウッド映画にちなむものに違いない!と思い調べてみると、「フォレスト・ガンプ」の名言でした!「Life Is Like A Box Of Chocolate(人生はひと箱のチョコレートのようなもの)」、う~ん、粋な計らいに脱帽
美味しくて、楽しくて、コスパ良し。すっかりニコのファンになった私と友人は、6月初めに始まる次の6週間のテーマ「From Miami to Ibiza(マイアミからイビサまで)」も早速に予約。
ハリウッドに続き、真夏のトロピカル・ホリデーを食べ尽します!

モダンでおしゃれな店内。そういえばこの場所は、
以前はベルギー発祥のカフェ&レストラン、ル・パン・コティディアンでした…
- 関連記事
-
コメント