昨晩、公開中の映画
『Becoming Jane』を観に行きました。
この作品は、ほぼ全編にわたりアイルランドで撮影されたものです。
『自負と偏見』などで知られるイギリスの女流作家
ジェーン・オースティン(Jane Austin, 1775-1817)の恋物語をベースにした作品。
興味深いのは、
ジェーンの恋のお相手トーマス・レフロイ(Thomas Lefroy, 1776-1869)が、リマリック出身のアイルランド人弁護士であること。レフロイはトリニティー大学出身の秀才で、後に法曹界・政治界で活躍し名を残した人物です。
この2人が軽い恋心を抱き合ってたのは事実のようですが、実際には、映画に描かれているほどの激しい恋ではなかったようです。
にもかかわらず、この2人の恋物語が有名なのは、
レフロイが『自負と偏見』のMr.ダーシーのモデルだと言われているからでしょうか。
昨年、
約10週間にわたってアイルランドで行われた『Becoming Jane』のロケ。主役のジェーン役を演じたアン・ハサウェイも、ギネス・ビールを飲んだらしい。(ハーフ・パイントだったそうですが)
ダブリンのヘンリエッタ通り(ジョージ王朝時代の街並み)、
シティー・ホール(最後のシーン。床モザイクとドーム型の天井が映し出されます)、
ダブリン南郊外の海岸(バックにウィックロウの山並みとダンレアリがバッチリ映っていました)などなど、お馴染みのダブリンと近郊の景色が満載。
ウィックロウの山の中の教会も、まるで絵画のような美しさで登場します。
舞踏会が行われるお屋敷は、どうやらBrayの
Killruddery Houseのようです。
ここは映画のロケによく使用されるお屋敷で、先ごろ公開された『名犬ラッシー』もここでロケをしました。

(HPより。長方形の池越しに見えるお屋敷の美しさが、映画の中でも印象的でした)
一方、ジェーンの住むちょっと田舎っぽいが可愛らしい屋敷がどこなのかさっぱり検討がつかず、調べてみると、
アイルランドの内陸部Tullamore近郊にあるCharleville Castleであることが分かりました。

(HPより。このような全体像では登場しないので、映画を観ている間はちょっとわかりにくかったのですが、よ~く見ると見覚えのある部分がたくさん)
※その後、アイルランドに長くお住まいのY氏よりご連絡いただき、ジェーンのお屋敷はトリム(Trim, Co. Meath)近郊で撮影されたと教えていただきました。どうもありがとうございます。上記の城では別の場面のシーンが行われたようです。謹んで訂正させていただきます。(2007/4/10)やはり仕事柄か、「あっ、これって××だよね~」と
場所の特定に燃えてしまった私。
イギリス映画というより、まるで
「アイルランドにやって来たジェーン・オースティン」を見てきたかのような気分…。
いずれにしても、
アイルランドの美しく豊かな景色や、ホンモノの調度品がいっぱいの室内装飾を思い切り楽しめる作品。
レフロイ役のジェームズ・マカヴォイが、もはや、どうしても半人半馬のタムナスさんにしか見えないのには困りましたが…!
※ 日本でも公開予定だそうですが、時期はまだ未定のようです。
- 関連記事
-
コメント
coco
観てたんですよね。。この時は本当にお世話になりました。
最近、TVで「ショコラ」がやってて、思い出して懐かしくなりました。
ジェーン・オースティンの映画、ぜひ観てみたいです!
願わくは早く公開して欲しい… ところでレフロイ役の俳優さんは
「ナルニア」のタムナスさん役の方ですか??
(あとコリン・ファースじゃなかったんですね…)
2007/04/07 URL 編集
naokoguide
そう、レフロイ役はタムナスさんなのです。私の中では、彼はもはやタムナス以外の何者でもなく、どんな役をしようとも、あの挙動不審っぽいイメージから抜けられません・・・。
コリン・ファースだったら、ほんとMr.ダーシーになってしまうところでしたね~。アメリカ公開が夏なので、日本でもその頃に公開されるといいですね。
2007/04/07 URL 編集