2年3か月ぶりの日本。景色にも、食べ物にも、そして人々にも感動することの多い毎日を過ごしています。
今やアイルランドにいても日本のニュースや情報もほぼ時間差なく見聞き出来ますし、スカイプやらZoomやらで相手の顔を見て話すことも出来ますから、久しぶりの帰国でも以前ほど浦島太郎にはならなくなったのですが、やはり3次元での体験はまったく別モノだと感じています。
自国を見る目はどうしても厳しくなりがちなのに加え、もともと外国かぶれの気がある私は、アイルランド人に日本のことを褒められても「そうかな~」とピンと来ないことが多い。ところが、こうして日本の地に降り立ってみると、いやはや我が祖国ながら、なんと美しく、素晴らしい国かと感激しきり。
アイルランドの友人知人が、一度は訪れてみたい!、来たことのある人は、訪れた国の中でいちばん素晴らしい!などと口々に日本礼賛するのは、あながち社交辞令ではなく本心だったんだ、と今さらながら気づいたりして。
日本の風景は美しい。
北陸5県を車で駆け抜けながら、数十キロごとに季節が移り変わるような変化にとんだ景観にあらためて驚かされました。木も花も種類が多く、地域によりそれぞれ異なる特色がある。ああ、外国人が日本の景色が美しいと言う意味がわかるなあ…としみじみ。
日本の人々は美しい。
駅のホームの狭いところで、すれ違いざまに黙礼する人たち。「Thank you」も「Excuse me」もなく、無言で一礼するミステリアスな所作に美を感じました。
さらに、我が故郷信州・上田駅で私が目を見張ったのは、駅のホームで掃除機をかける職員さん。駅のホームってそもそも屋外なので汚れて当然の場所では?…と思うのは、私が外国暮らしが長いせい?目につくゴミなど何も落ちていないホームを、吸い込み口の細い掃除機でさらにきれいにせんとせっせとお掃除するのはどういうことなの~。
一瞬、ここは靴を脱ぐところだったけ?と、駅のホームが新幹線の玄関のような気がしてしまった(笑)。
そうか、日本人ってこういう美意識だったよなあ、と、日本の心を取り戻したような気になりました。

信州上田の実家近くにて。まだ水の入らない田んぼ越しに見える山は上田のシンボル、烏帽子岳(2066m)
大都会である東京でも、人々はマナー良く親切。駅のエレベーターに長蛇の列が出来ていて、それが列だとわからずに並びそこねてウロウロしていたら、若い男性が目線だけの無言の合図で「どうぞ」と私を前に入れてくれました。なんてスマートなんでしょう。
時間をつくって会いに来てくれたり、会食の場を設けてくれる素敵な日本の友人知人にも感謝。
お仕事のついでとは言え、わざわざお時間をつくって上田まで会いにきてくださった
写真家の和田直樹さん、出張ついでに寄り道してランチに誘ってくれたかつての同僚Kさん、ありがとうございます。

私の誕生日に和田さんが持ってきてくださったケーキ!パティシエであるお嬢様の手作り
そして東京で、駅のホームまで会いに来てくれた
歌手・ハープ奏者の奈加靖子さん。時間をつくって会食の機会を設けてくださった『赤毛のアン』の会のお仲間の皆さん、18歳で出会った時から変わらない学生時代の友人たち。
みんな大切な、温かく美しい人々♥

サチコさん宅にお預けしている私のゴグにも再会。詳しくはこちら→
「アン」の通信発送会と、ゴグとマゴクのこと(2019年11月)
今夜は福岡にいます。
明日はいよいよ
ケルトセミナーでの2年越しの講演。ホテルの部屋で準備をしながら、さらなる再会と出会いにワクワクしています♪
- 関連記事
-
コメント
ようはっぱ
日本の良さを教えてもらいました。
ついつい、駅の掃除のこととかは「お客さまに文句を言われてためにしてるんやでー」とか卑屈に考えてしまいますけれど、、、、(- -;;)。すみません。
でも、みんなが使うところを美しくするという私には当たり前で基本のキのことは、日本人としての美意識なんでしょうね。
外からの人からはそこにおる人が普段気づかないところを教えていただけますね。
ありがとうございます。
日本の春を楽しんで過ごしてくださいね。
なおこさんのニッポンレポを楽しみにしています。
2022/04/24 URL 編集
naokoguide
本当はそうなのかもしれません。掃除するまでもなくキレイでしたから(笑)
こういったことを歌手の奈加靖子さんに感激してお話したら、「ナオコさん、小泉八雲の目線になってます」って言われました。おそらく、海外の人が日本を礼さんする目線になっているのだと思います、私(笑)
あと、トイレに入ると自動でふたが開くのに、いちいち驚いてます!笑
2022/04/24 URL 編集
Wada
先日は、直子さんの故郷の信州上田でタイミング良くお会いできて楽しかったです。
娘が作ったバースデーケーキも無事にお届けできましたしね。
ご案内していただいた新緑の上田城址も素敵でした。
もう、帰国期間の半分は過ぎたのでしょうか。
これからも美味しいものをたくさん味わい、日本への里帰りを十分楽しんでくださいね。
私の7月開催予定の写真展「Irish skies」へのご協力も引き続き宜しくお願いします。
2022/04/25 URL 編集
naokoguide
私もお目にかかれてうれしかったです。
そうですね、あっという間に帰国して2週間近く経ってしまいました。
7月の写真展に向けてお忙しいことでしょう。またご連絡させてください!
2022/04/26 URL 編集
chikako
数年前、日本に遊びに来たアメリカ人の友人が道路など公共の場所が「Super clean!」と言って驚いていたことを思い出しました。
でもたまにアメリカなどに行った後、日本に帰ってきて、ガッカリすることもあります。
列車などで重い荷物を網棚に上げようとしていると、アメリカでは周りの人がすぐに手伝ってくれるのですが、日本では誰も助けてくれない。最近は変わっているといいのですが・・・
2022/05/16 URL 編集
naokoguide
街路や公共の場が「キレイ」なのであれば、その結果なのでしょうね。
私も以前は、日本で重い荷物を持って階段を上がっている時にヘルプの手を差し伸べられるようなことはあまり経験がなく、みんな忙しすぎて周囲に構っている暇がないのかなあ、と思っていました。(もしくは、私が強そうなので、この人助けがいらない、って思われているのかな、と・笑)
でも今回の里帰りでは、人がよりゆったりした印象を受けました。東京の駅のホームでさえも。いかにも外国人の外観ならまだしも、日本人の私が作法がわからずウロウロしていても怪しいだけなのに、察してヘルプしてくださった方が何人もいました。列に招き入れ下さったり、荷物いっぱいで手がふさがっていた時に扉を開けて下さったり、落とし物を拾ってかけてきて渡して下さったり。
私にって日本は「旅先」なので、旅先での親切ってこんなに嬉しいものなんだなあ、と感激しました♪
2022/05/17 URL 編集