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アイルランド、イングランドにボーナスポイント付きで勝利!

なんという勝利!シックスネーションズ第4節、アイルランドは4トライを挙げボーナスポイント付きの32—15で宿敵イングランドを敵陣で下し、最終節でのトリプルクラウン及び、大会優勝へ希望を大きくつなげました。

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先月の対ウェールズ戦を観戦して以来、すっかりお気に入りとなったラグビーファン御用達パブ、スワン・バー(The Swan Bar, Aungier Street, Dublin 2)にて。ギネス越しのスクリーンに映るのは、来年のワールドカップを最後に引退を表明したばかりのアイルランドが誇るキャプテン、ジョニー・セクストン。ジョニーと飲むパイントもいよいよカウントダウンか…

降りしきる雨の中、キックオフの30分程前にパブに到着して場所取り。すでに混み始めていましたが、ラッキーにもスクリーンに近いカウンター前を陣取ることが出来ました。
このあと狭い店内は身動き取れないくらいに混み始めたので、あと10分程到着が遅かったら、立つ場所もなかったことでしょう。
2週間前よりコロナ禍の制限がマスク着用義務やソーシャルディスタンスに至るまで撤廃されたことに加え、宿敵イングランドとの対戦とあって大変な盛り上がりでした。

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店内4か所に備え付けられたスクリーン。それぞれ近いものを見上げているものの、歓声は店内全体に同時に響き渡ります!

試合開始直後にイングランド5番の巨大な選手がレッドカードで退場。そこへ追い打ちをかけるかのようにジェイムズ・ロウ君の速攻トライが決まり、開始早々からアイルランドに有利な展開に。パブに居ながらにしてスタジアムにいるかのような臨場感で店内がわき上がりました。
この開始3分とか5分とかで、キラキラ笑顔のロウ君が青い歯をむき出しにして(ほかの選手は緑なのにロウ君だけいつも青!笑)脇から突進してくるのは、今やすっかり恒例となりましたね。ロウ君びいきの私は、期待通りの展開にテンションマックスに。(今日はグルメ・バーガーは無料サービスです~とか根拠のない噂を流してしまったほど・笑!参照→秋のラグビー代表戦に向けて、「ジェイムズ・ロウ」バーガーを食す!

でも、盛り上がったのは最初の10~20分で、その後はちょっと中だるみ…。アイルランドのペナルティも多く、試合の流れが止まってばかり。本試合絶好調だったヒューゴ・キーナン君が巧みなトライで加点するも、見せ場が少ないままに後半戦となり、一時は15—15と同点に追いつかれ、気づけば残り時間20分に…。
ところがこの最後の20分で、今のアイリッシュ・ラグビーの真価が発揮されたと感じました。
昔に比べ、昨今のアイリッシュ・ラグビーは選手層が厚い。フィジカルな試合運びで消耗した選手をベンチに待機していたフレッシュな顔ぶれに次々と入れ替えた結果、彼らが活躍し、勝利につなげていったのです。後半戦の2トライはいずれも控えの選手によるもので、70分過ぎにジャック・コーナンが、残り3分という瀬戸際には、まるでケルトの戦士のような風貌の(!)、オーストラリア出身で(アイルランドの4つのクラブチームでいちばん格下とされる)コノート所属のフィンレイ・ビーハム(Finlay Bealham)君がボーナスポイントとなる4トライ目を加えたのです。

こちらは、SNSでさかんにシェアされた、ビーハム君の試合後の感動シーン。コロナ禍で2年以上会えなかったご家族がオーストラリアからスタジアムに駆けつけて来ていて、息子のトライ&勝利、そして2年ぶりの対面にお父さん、思わず涙…😢



パブ観戦だと解説が聞こえないのでよくわからなかった部分も多く、今日もう一度、飛ばし飛ばしながらも試合を見返したところ、ギブソンパーク選手がなぜプレイヤー・オブ・ザ・マッチを受賞したのかもよくわかりました。
私のような素人ファンはトライを決める選手にばかり目がいきがちで、スクラムハーフとか、スクラムの下敷きになる「縁の下の力持ち」的な役回りの選手にまでなかなか目が届きにくい。見返してあらためて、今回の試合は特にチーム全体で勝ち得たものだったなあ、と感動を新たにしました。

そして、相手チームのイングランドですが、若きフライハーフのマルコス・スミス選手がちょっとムカつくほどスゴイですね。
まるで少年マンガから抜け出てきたかのような風貌の、先月23歳になったばかりの期待の星。初対面だったジョニー・セクストンも試合終了後に自ら話しかけ、賞賛の言葉をかけたそうです。
ジョニー引退後のアイルランドに脅威をもたらしそう。ああ、ガンバレ、我らがジョーイ・カーベリー!(昨日の試合では終了間際にほぼカメオ出場だったカーベリー君。最後の2分くらい?笑)

セント・パトリックス・デーの週末となる次週の最終戦は、アイルランドはホームのAVIVAスタジアムでスコットランドと対戦します。
順当にスコットランドに勝利し、イングランドがフランスを破ってくれればアイルランドの優勝…となるわけですが、勝利の女神はいかに。楽しみです!🏉☘

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スクリーンを見上げて一喜一憂する人々。「ウォーリーを探せ」状態、私もいます(笑)(Photo@エリナさん)
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コメント

ようはっぱ

すげー!!(下品な言葉で失礼)
なおこさん、こんばんは。
その試合、日本時間の夜中1時半から見ました。
そのまま、ガンバッて起きてて、7時からの仕事に行きました。
すごかってですね。
前半はウトウトしながら見て(聞いて?)いたのですが、後半最後の方にはぱっちり目が覚めました。
あー、ラグビーのすばらしいところは、みんなが主人公になれるところ。
それぞれの特性に合わせて、トライ取るための下準備をした人たちもスターです。(あ、エミリーが入ってしまった!)

全勝を続けるフランスもすごいですが、敵地でボーナスポイント含めて勝ち点5を取るアイルランドもはもっとすげー!!です。
20日も1時半から2試合を見ようと思います。
たのしみですー。

naokoguide

Re: すげー!!(下品な言葉で失礼)
ようはっぱさん、こんにちは!
はははは、エミリー・スターに笑いました(笑)。
「それぞれの特性に合わせて、トライ取るための下準備をした人たちもスター」って、いい表現ですね!さすが、ラグビーを愛するようはっぱさんならではのお言葉。
トライした選手たちが試合後のインタビューで「〇〇のパスのおかげ」とか、「チームトライだよ」と言うのは、謙遜ばかりではなく、心からそう実感しているだなあと感じました。

来週楽しみですね!アイルランドはスコットランドに勝利すると思いますが、イングランドがフランスに勝てるか…難しそう。
私も2試合続けてみると思います!楽しみ♪

Hongnao

まずは勝つ! そしてパリからの吉報を待つ
ナオコさん
PUB観戦!羨ましい!! 
攻守目まぐるしいおもしろいゲームでした。ただEnglandファンの不満もわからんではないですが、せめて「リスペクトキッカー」位は遵守してほしかったかな.....

ところであくまで個人の意見ですが、レッド一発退場はなんとかならないものですかね。もちろん即重大な後遺症に繋がりかねないスポーツですから危険なプレーは絶対ダメって大前提ですよ!!!ただ彼ら自身が身をもってラフプレーがどれだけ危険かを知っているからこそあえて私は、ゲームを成立させることもありじゃないかなあとも思うのです。
たとえば前節のイタリアはフッカーがいなくなってしまってアンコンテストスクラムにせざるを得なくなりそのためにナンバー8まで退場させられたことはイタリアにとって大きなペナルティなのですが、そのためにスクラムでの戦略が全てできなくなったIrelandにとっても小さくないハンディだったと思うわけです。
すみません、だからどうすればいいのかってことはうまくまとまりませんが、昨今あまりにレッドが多くなったことが気になった次第です(-_-;)

POMはギブソンパークでしたが、個人的には走れるフッカーシーハン君とレプラコーン!キーナン君押しであります。特にキーナンは出た試合はほぼ交代せずフル出場です。あの細身で(あくまでラグビー選手としてって意味です)ジャンピングキャッチやコンタクトを躊躇わないスタイルで怪我なく頑張ってくれているのが頼もしいです。
ほぼ全ポジション頼もしい若手が順調に台頭してきてますね、(残念ながら10番以外(-_-;))ジョニー引退まで1年半、頑張れ10番候補君たち!!)

さあ、残すはスコットランド戦です。ホームでは断トツの勝率ではありますが、油断せずまずはトリプルクラウン、そしてパリからの吉報をGuinness飲みながら待っててほしいものです。ただ、Englandはおフランスホームでの勝率がとってもよろしいないのが気掛かりではありますが...Young Englandに期待します。
スタッドフランスの観客の歓声は怖いですけど。

余談ながらイングランド戦の直後にベルファストでUlster 対 Leinsterがあったのですが、冷たい土砂降りの中、文字通りのスタンド席の満員の観客がずぶぬれになりながら最後まで観戦しているのを見て、なんかIrelandがEnglandに勝ったことはそれとして、それとは別におらが地元チームはもっと大事!を感じてちょっとうるっとしました。

naokoguide

Re: まずは勝つ! そしてパリからの吉報を待つ
Hongnaoさん、こんにちは。コメントお待ちしてました!
「リスペクトキッカー」って、キックのときに「しぃ~」って静かにすることですか?だとしたら、パブではやってました!そこでやっても、トゥイッケナムには聞こえないんですが(笑)

レッドカードの件、そうなんですね。勉強になります。そうか、プレイする人数が少なくなるとラグビーのプレイそのものが成り立たなくなったりするってことですね。

レプラコーン・キーナン君、すんばらしかったですよねー。私は彼がプレイヤーオブザマッチかと思っていました。
そう、10番以外は若手がいっぱい。カーベリー君がいつ出るか、いつ出るか…ってずっと待ってたら、カメオだったのには笑えました。そして、ジョニーが退場するとき、パブ全体で拍手の嵐だったのには感動しました。

あの日、尋常でない大雨でした。その中でずぶぬれで応援する地元ファン、熱いですね。代表チームももともとはそこに支えられての晴れ舞台なんですよね。
最終節は田舎のパブで応援予定。ああ、Hongnaoさんと一緒に観戦したいです!

Hongnao

ナオコさん
Twickenhamはゴールキックの時、電光掲示板とスタンドの電光広告帯(?)に「Please respect the Kicker」とか「Quiet please」って出るんです。割といつもは静かに敵味方どっちに対しても見守ってくれるんですが、土曜日はEngland ファンはみんな結構苛立っていたと思います。
もちろん一番静かしてくれるのはIrelandの人々ですよ。「シー」がTV越しに聞こえるしコメンテイターもひそひそになるか黙りますもんね。
(Munsterのファンはもっとすごい!!)

週末は田舎のパブで観戦ですかあ......いいなあ!そちらの紹介もぜひぜひお願いします。
私もSwanで観戦したい! ぜひぜひ一緒に観戦したい!!
歪んだ建物のPUBにも行きたい!行きたいとこたくさんたくさん貯まっているんです!!!!
早く行きたいんです。
ふ~(-_-;)
まずは週末見届けます!


naokoguide

Hongnaoさんへ
えぇ~、そうなんですね!静かにして、って言われちゃうんだ。なんだか学校っぽい(笑)
どこの国でも静まるものだと思ってました。確かに、土曜日のトゥッケンナムはキックのときも騒がしかったですね。

傾いたパブ、次回ご案内します!
またご一緒できる日を楽しみしています!!!☘
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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