ダブリンの街の中心部には今、ウクライナのブルー&黄色の旗がはためいています。
来週はアイルランドの国民の日であるセント・パトリックス・デー。平時だったらこのタイミングで掲げる旗は、アイルランドの色グリーンか、アイルランド国旗の緑・白・オレンジだったことでしょう。

クライストチャーチ大聖堂(Chiristchurch Cathedral, Dublin 8)付近にて
今夜の『レイト・レイト・ショー(Late Late Show)』(毎週金曜日に放送される国民的トークショー)には前大統領メアリ―・マッカリースさんと前々大統領のメアリー・ロビンソンさんがそろって出演され、「(アイルランドは中立国だけど)今回の件に関しては、中立でなんかでいられるものですか!」ときっぱりおっしゃいました。独立国を一方的に侵略した側に対して中立でいることは出来ない、ウクライナの味方である、と。
現時点ですでに200万人以上のウクライナの人々が国外へ逃れたと報じられていますが、そのうち半数が隣国ポーランドへ、そして小国アイルランドにも昨日の時点で3000人が到着し、その3分の一が子供。今後アイルランドが受け入れる数は10万人に達するとも予測されています。(ちなみにアイルランドの人口は500万人)
ほかのEU諸国同様に、VISA手続き免除で入国可。到着後、即座にPPSナンバー(アイルランドで社会保障制度を受けるための番号)が与えられ、携帯電話の充電器とSIMカードも無償で配られます。教育や医療もアイルランド人と同様に受けることが出来、早く到着した子どもの中にはすでに地元の学校へ通い始めた子も。
現在はホテルや受け入れセンターのような施設に宿泊している皆さんですが、アイルランド赤十字社が受け入れ家庭を募集しており、すでに12000件の登録があったそう。早ければ今月末から家庭への振り分けが始まるとのことです。
国をあげてのウクライナへの連帯が強まる中、私が出来ることはせいぜい金銭や物資を寄付することくらい。
すでにボランティアのトラックやバスが何十台も連なって、アイルランドからウクライナ国境へ食料や物資を運搬中。それに間に合って物資の寄付が出来なかった私は、クローゼットを整理をし、まだ着れる衣類を大きな袋にいっぱい車に積み、どこへ持って行けばウクライナの人のお役に立てるやら…と思っていたところ、市内のホテルが衣類や日用品の寄付を呼びかけていることを知りました。
「至急」とあったので、必要品リストにあったシャンプーや歯ブラシなど、家に備蓄していた未使用の日用品を足して、急いで持参。

かつては観光のお客様をしばしばお迎えしたダブリン市内のレッド・カウ・モーラン・ホテル(Red Cow Moran Hotel)。大きな袋をかかえた人が次々に車で到着しては、物資を置いて立ち去っていきました
※呼びかけてからほんの数時間でかなりの量の寄付があり、現在ホテルからは「整理して足りないものをまたお願いするので少々お待ちを」との趣旨のメッセージが出ています。ご興味ある方はホテルのSNS等を要チェック
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Red Cow Moran Hotel FB来週日曜日(5月20日)には、ダブリン在住の日本人の知人が日本食を食べてもらい寄付を募るというイベントを開催します。
お近くの方&ご興味のある方、ぜひご一緒においしい日本食を食べに出かけましょう!

売り上げはアイルランド赤十字社ウクライナ危機アピールに寄付されます
奇しくも今日3月11日は、東日本大震災から11年。あのとき日本は世界中から本当に親切にしていただきました。
自然災害、ウィルスの脅威、戦争…と地球上の悲劇には終わりがなく、まったくもってやるせない気持ちですが、一方で人々の連帯や団結、ウクライナの人々の勇気や正義を貫く態度に日々励まされています。
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コメント
北の国からSHIGE
そもそも、ソビエト崩壊後、ウクライナに配備されていた核兵器をロシアに引き渡すことを条件に、米英露の3国が協定を結び、ウクライナの独立と独立国家としての主権確立が、保証されていました。
それが、ロシアが一方的に協定を無視し、ウクライナへの侵略を開始した事に、憤りを禁じ得ません。
国連総会でも、ロシア非難が採択されたのに、全く何の行動も起こしません。
ロシアが、核兵器の使用をほのめかしているためだそうですね。
本当に腹立たしい思いです。
ロシアとは、海を隔ててではありますが、国境を接している日本としても、今度の事態から学ぶべきものがあると感じます。
アイルランドの国をあげてのウクライナ支援を紹介していただき、とても感動しました。
早速、ウクライナへの支援物資を持ち寄ったというNaokoさんの行動力にも、感心し、嬉しく思いました。
私も、出来るだけ早く、かつ確実に支援するため、在日ウクライナ大使館が設置した「ウクライナ支援銀行口座」へ、お金を振り込みました。
一個人として、お金を送ることしか出来ないのは、何とももどかしい思いですが。
2022/03/13 URL 編集
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2022/03/13 編集
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2022/03/13 編集
naokoguide
ニュース、討論番組、新聞記事など見たり読んだりしまくっていますが、知れば知るほどに憤りを感じ、プーチン政権に一滴の正当性も認められません。
軍事侵攻というより、もはや無差別殺戮のよう。ひどすぎます。
ヨーロッパにいる身としては、もはやこれは欧米(NATO)とロシアの戦争であり、ウクライナは戦場としてロシアに利用されているだけな気もしてきました。ウクライナの人たちはもちろんですが、真実をシャットアウトされ、自国のリーダーに嘘をつかれているロシアの人たちも気の毒でなりません。
本当に腹立たしく、私ももちろん戦争は反対ですが、今回に関してはゼレンスキー大統領には最後まで降伏せず正義を貫いて欲しいという想いです。そうすることで、仮にロシアが軍事的に勝利したとしても、本当の勝利ではなくなりますから。
私も赤十字にわずかなお金を寄付したり、物資を届けたりすることしか出来ずもどかしい想いです…。
2022/03/14 URL 編集