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湖畔のサウナとカラクッコ(フィンランドでスケート大会④)

(フィンランドでスケート大会)
→①すごいところに来てしまった!一面の雪と氷…
→②湖上のスケート大会前夜!
→③青空と日の丸のもと、無事に完「滑」!

…の続きです。

クオピオ滞在中、スケートをする以外は街を散策してお茶したり、ホテルのサウナ&プールでスケート疲れを癒したりしていました。
フィンランドと言えばサウナ。ホテルのものも使い勝手が良かったのですが、地元の人たちが日常的に利用している公共のものも体験したくて、湖畔のサウナへ行ってみました。会員制ですが週に2回ビジター利用日があり、街のスーパーマーケットでリストバンドを購入する仕組み。そういったことを知らずに行った私たちに、地元の常連さんがカタコトの英語で親切に教えてくださいました。

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まるで近所の銭湯へでも行くような感覚でしょうか。雪降る中、地元の人たちが続々とやって来ます

更衣室は男女別、サウナルームは共用(水着着用)。狭い場所で老若男女20人ほどが肩を寄せ合い、楽しそうに談笑しながら汗をダラダラ流しています。
暑いのが苦手な私は、プールや温泉にサウナがあってもあまり入りたくない方。サウナ慣れしていないのに本場に来ちゃったものだから、強烈な熱さにびっくり。常連さんらしきサウナ奉行がひっきりなしに石に水をかけるので、じゅじゅじゅ~と蒸気があがりっ放しで、それこそ息をするのも苦しいくらいの生涯でいちばん「熱い」体験でした!

それにしてもこの街の人たちは、なんと素朴で温かく、良い人たちばかりなんでしょう。地元の常連さんたちとのおしゃべりも弾み、文字通りの裸の付き合い。熱いながらも楽しいひとときでした。
アイルランドではパブが社交場ですが、フィンランドでは話に聞く通り、本当にサウナが社交場なんですね。

十分に身体が熱くなったら湖に飛び込み、またサウナルームへ戻る…というのを4~5回繰り返すそう。今や湖はスケート大会の会場、つまりはカチカチに凍っているので、代わりに冷水プールへジャッ~ボン!
ああ、これがやりたかったんです、本場フィンランドのサウナで!

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数秒浸かってすぐにあがる人が多い中、向こう岸まで泳いで戻った私は「クレイジー」と言われましたが、サーファーですから(笑)。熱いより冷たい方が好きなので、これがやりたくてサウナに来たようなもの。アイルランドの冬の海(←暖流)よりはちょっと冷たかったかな…笑

湖上でスケートして、サウナで疲れを癒す。なんと健康的な冬の暮らしでしょう。
冬の数週間、この街で暮らすように滞在してみたい!と本気で思いました。来年は長期でスケート休暇に来ようかな、と夢は広がります♪

クオピオは人口約100万人、フィンランドの湖水地方と呼ばれるこの地域ではもっとも大きな町とのこと。
街の中心は徒歩圏内で、大聖堂、市庁舎、港のホールなど歴史を感じさせる建造物がいくつかありましたが、私がすっかり魅せられたのは街の中心に位置するマーケットです。

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20世紀初頭より120年の伝統あるマーケット。まるでお菓子の家かのような可愛らしさです

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外壁にはさまざまな動植物があしらわれ、スウェーデンのファールンのカール・ラーションがデザインした教会を思わせました

クオピオには名物の魚のパイ包みのような食べ物があります。その名もカラクッコ(kalakukko)。滞在中に一度は食べてみたいと思っていたところ、マーケットに一歩足を踏み入れたとたん、それらしきものが目の前に現れました。

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お魚マークのストール、これだ!

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直径20センチもあろうかというほどの巨大なカタマリ。これが「カラクッコ」なの?とあれこれ質問する私たちに、お店の方がフィンランド語とカタコトの英語で丁寧に説明してくださいました

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マーケットではイートインも可能。4分の一の量を温めてスライスしていただき、その場で食べました。ぎっしり詰まった小魚の断面が迫力あり。お店の方はバターがないのよ~と残念がっていましたが、土地の人はバターをつけて食べるのでしょうか

もちっとした食感のライ麦パンと魚の間にはベーコンが挟まっていて、その塩気&脂身のせいか、バターをつけなくとも味はしっかりしているように感じました。魚好きの日本人には抵抗なく食べられる味と食感。このときはこれで十分と思いましたが、今あらためて写真を見ると、もっと食べておけば良かった~とあの味が恋しい。

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中身の魚はこちら、「ムイック(muikku)」というマスの類。湖で採れる魚だそう

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マーケットの表の広場にはカラクッコのフードバンが2台も。この街のソウルフードなのですね

もともと漁師さんの食べ物で、丸ごとのカラクッコの上に穴をあけ、パンを器代わりにしてスプーンで中身をほじくるのが正式な食べ方のようです。

マーケットにはおいしそうなケーキやお菓子もいっぱい。あれもこれも食べたくなり、胃袋がひとつしかないことをあんなに恨めしく思ったことはありません。
湖畔のサウナにもマーケットへもまた行きたいので、やはり再訪しなくては!

あともう一回、スケート大会の後日談をご紹介して、フィンランドでのスケート休暇の報告を締めくくりたいと思います♪

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滞在最後の朝、日の出直後に空がバラ色に染まりました。なんという美しさ、ムーミン谷の冬もこんな感じだったのかなあ…
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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