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アイルランドはウクライナへの武器供与は行わず

21世紀の今起こっているとはにわかに信じられないような、ロシアのウクライナへ軍事進攻のニュースが続いています。
第2次世界大戦以来の本格的なヨーロッパ地域での戦争に発展する可能性も示唆され、戦地から2500キロ離れたヨーロッパの西端アイルランドでも、現地からの戦況報道はもちろん、ダブリン市内で反プーチン政権デモ、ウクライナへの連帯を呼びかける集会などが行われています。「戦争」という非現実が現実として身近に現れたことを実感せずにはいられません。

アイルランドに住むウクライナ人の男性たちは、家族や恋人を後に残し、ロシア軍と戦うために祖国へ旅立っています。
その様子を見て、もしも日本が他国に不当に攻め入られたら私はどのような行動を取るだろうか、と思いがめぐり、戦争は反対だけれども、私も愛する家族のためなら銃を手に闘うかもしれない…と思った瞬間、そんな自分に震撼しました。
そういうことなんですね、戦争って。現実に戦争が起こってしまったら、「反戦」というきれいごとでは済まない。だからこそ、平和なときに反戦を訴える必要があるのだと。



アメリカやヨーロッパ諸国が次々にウクライナへの軍事支援を強化する中、一昨日ついにEUも武器調達のための資金援助という前例のない決定を下しました。
すでにウクライナへの武器供与を表明しているチェコ、オランダ、ドイツ、フランスなどに加え、イタリア、ノルウェー、さらにはNATO非加盟国であるフィンランドとスウェーデンまでも、中立の伝統をくつがえしてEUの決定に倣うという異例の事態に。

一方で、同じくNATO非加盟のアイルランドは、ロシアの不当な侵略を厳しく非難しつつも、軍事的中立の原則に則り武器そのものの調達資金の援助には加わらないと表明しています。アイルランドが援助する900万ユーロはあくまで非致死性装備支援であり、ウクライナ軍のヘルメット、医療器具、輸血用血液、燃料などに充てられるそう。
※参考→Ukraine invasion: Ireland's response 'will not be found wanting' (BBC News)など

戦火を追われた人々が次々に国外へ退去する様子も報じられていますが、この6日間で70万人近いウクライナ人が難民として国境を越えたそうです。この人たちはほんの数日前まで国籍も市民権も家も財産も保有していた普通の人々だったのに、ある日を境に難民になってしまうなんて。
ポーランドの皆さんがウクライナから国境を越えてやってくる人々に温かいスープや衣類を提供し、献身的に寄り添っている姿を見て胸が熱くなりました。
アイルランドもEUが受け入れる数の2%に相当する2万人を上限に受け入れを開始するとのこと。現在ポーランドの人々がしているように、一般家庭に空き部屋提供が呼びかけられることになるようです。

祖国を戦場にされたウクライナの人たちのことはもちろんですが、ロシア国内の反戦を訴える人たちのことも気がかりでなりません。
すでに何千人もの人が警察に拘束され、デモ中に手足を抑えられたり、暴行を加えられたりして連行される様子が報じられていますが、あの人たちはその後どうなってしまうのか。
もしも自分がロシア人として生を受けていたら、今どんな心境であろうか…といたたまれない気持ちです。

ダブリン市内ではロシアのウクライナ侵攻開始以来、ランドマークとなる多くの建物がウクライナの国旗色にライトアップされています。昨日はアイリッシュ・ラグビーの殿堂AVIVAスタジアムもブルー&イエローに。
日曜日に行われたラグビー・シックスネーションズのアイルランドVSイタリア戦では、試合開始前にスタジアムのスクリーンがブルー&イエローになり、ウクライナへの連帯が呼びかけられました。



ミホール・マーティン首相は本日の国会で「プーチン大統領は戦争犯罪を犯した」と発言しました。そして、今後の難民危機はこれまで我々が見てきたものとは異なるものとなるであろうから、アイルランドは惜しみない態度(generous)でなければならない、と。
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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