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セーターは愛!伝説のニッターのアランセーターが日本で復元

アイルランド西海岸沖の石だらけの離島、アラン諸島(Aran Islands, Co. Galway)で生まれたアランセーター。
凝った編み込み模様が特徴のセーターで、1950~60年代に島の特産品として見出され、今やアイルランドを代表する伝統工芸のひとつとしてその地位を獲得しています。

大量生産の時代となり、今ではアランセーターはアイルランド全土のお土産物屋さんで安価で購入できますが、そのほとんどが機械編みの品で模様もワンパターン。編み手の高齢化などの事情から、熟練ニッターの手による手編みの逸品を買い求めるのはアイルランド国内でも年々難しくなってきています。
そんな中、伝説のニッターとしてその名を知られたアラン諸島イニシュマーン(Inishmaan, Aran Islands)の故モーリーン・ニ・ドゥンネル(Máirín Ní Dhomhnaill)さんの特別な一枚が、このほど日本で復元され、販売開始されました。
東京・銀座の森岡書店で展示会が開催されているとのこと、なんと明日(1月8日)が最終日。
私が気がついたのが遅く、もっと早くにお知らせ出来ずすみません!



モーリーンさん作のオリジナルのセーターの所有者は、日本におけるアランセーター普及の第一人者であり、『アイルランド/アランセーターの伝説』(繊研新聞社)の著者でもある野沢弥一郎さん。
本場のアランセーターを扱う洋服店、ジャックノザワヤさんのオーナーである野沢さんは、ほぼ毎年お仕事でアイルランドに来ておられますが、はじめてお会いした時、セーターの糸の匂いで産地を嗅ぎ分けておられるのを見てびっくり。糸フェチならぬプロフェッショナルぶりにいたく感激し、以来、お会いするたびにアランセーターのことや糸のことなど、多くのことを学ばせていただいています。
※野沢さんとご一緒した過去ブログ→ニコラス・モスさんからのプレゼント♪(2018年1月)

ローマ法王ヨハネ・パウロ2世にアランセーターを献上したこともあるというモーリーンさんが野沢さんのために特別に編んだというこのセーターには、なんと30種類以上もの異なる模様が編み込まれています。これを手編みの風合いを損なうことなく、機械を使って復元するのは容易なことではなかったはず。
2020年にモーリーンさんが85歳で永眠され、彼女の愛のこもったセーターを多くの人とシェアしたい!との野沢さんの強い想いと、セーター作りを意欲的に展開する山形のニットファクトリー、米富繊維さんのコラボで実現した夢のプロジェクトです。

今回復元されたモーリーンさんのセーターについての詳細&購入はこちら。→A2 : A SWEATER IS LOVE. セーターは愛。
上記サイト内からもダウンロード可能な、野沢さん著の小冊子『モーリーンへ捧ぐ』をぜひ皆さんにお読みいただきたい。アランセーターの発祥から普及への経緯が実にわかりやすく説明されているのはもちろん、モーリーンさんに代表される島の人たちが一枚のセーターにどんな想いを込めたのか、野沢さんの愛あふれる文章も手伝って胸に迫るものがあります。

aranknitinisheer20140122
以前にアラン諸島イニシア(Inisheer, Aran Islands)で見せていただいた、上記『モーリーンに捧ぐ』で野沢さんが書かれているイニシア島のブリージさんが生前、孫のために編んだという子供用セーター。多くのセーターはほどいてリサイクルしちゃったそうですが、これともう一枚だけは奇跡的に残されていて、娘さん(もやはりブリージさんでニッター!)が所有しておられました(2014年5月撮影)

余談ではありますが、アランセーターは日本でも1960~70年代にかけて「フィッシャーマンズセーター」と呼ばれて流行したそうです。野沢さんも書かれているように、本来アラン諸島ではフィッシャーマン(漁師)が着るものではなく、男性の晴れ着だったんですが。
そういえば、前回日本に一時帰国したときに『東京ラブストーリー』(1991)が再放送されていて、鈴木保奈美さん演じる「カ~ンチ~」の赤名リカがアランセーターを着ているのを発見。あのドラマが放送された今から20年程前にもプチ流行があったのかなあ、なんて思って見ていました。(鈴木保奈美さん、あのドラマでいつもセーターをパンツにインして着てましたが、さすがにアランセーターは分厚くて入らなかったみたいでした・笑)

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ゴールウェイの手編みアランセーターの専門店オモーリャ(Ó Máille, High Street, Co. Galway)さんにて、イニシュマーンのニッターさん作のセーターを手にする店主のアンさん。アイルランドで手編みアランを買うならここがいちばん。アイルランドまで行けない方も、オモーリャさん直輸入のまったく同じ商品が静岡の野沢さんのお店でお買い求めいただけます!→ジャックノザワヤのウェブショップ(写真は2017年3月撮影)
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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