昨晩のRTEニュースで、チャリティーのためにアイルランド各地の港で泳ぐという挑戦をしておられる、御年80歳のパディ・コナハンさんのことが紹介されました。 ドネゴールのアランモア島(Árainn Mhór, Co .Donegal)にお住まいの、元「トンネル・タイガーズ」のおひとりだったパディさん。「トンネル・タイガーズ」とは、かつてアイルランドが貧しかった時代、危険な仕事であるトンネル工事に従事するためにドネゴールから国外へ季節労働者として働きに出ていた人たちのことです。 パディさんは長年イングランドやスコットランドの「地下」で働き、夏は地元に戻り漁に出ていたそう。
最後に海で泳いだのは1962年…というパディさんが、半世紀たった今、再び海へ入る決心をしたのは、パンデミックで財政難に陥った地元の「ジェマズ・レガシー・オヴ・ホープ(Gemma's Legacy of Hope)」というカウンセリング・サービスを救うため。 アイルランド各地の港を出来るだけ多く訪れ、冬の冷たい海で泳ぐ!というチャレンジによるクラウドファンディングを立ち上げ、先週日曜日にアランモア島を出発して、ご自身のバンで寝泊まりしながらアイルランド沿岸部をロードトリップ中!
RTEのキャスターの「どうして季節のいい夏でなく、あえて寒い冬にチャレンジするんですか」との問いに、「季節のいい夏だと楽しんでるだけに見えちゃう。より厳しい時期にチャレンジすることに意義がある」と答えておられたパディさん。さすが元トンネル・タイガーズ、命がけの経験の数々から培われたであろう精神のたくましさと潔さ。 チャリティーをすることについては、「これまで長く生きてきたし、「くたばる(kick the bucket)」前に人のために何かしたい」と、シンプルかつ清々しく答えておられたのが印象的でした。
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