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スレーン城のハロウィーン祭り、プーカ・フェスティバルへ

本日、NHKちきゅうラジオ「アイルランドのハロウィーン」でもお話しましたが、近年アイルランドではハロウィーンにちなむフェスティバルも多く行われるようになり、コロナ禍の制限緩和が進められたことで、今年は多くのイベントが再開されています。
ダブリンの隣県、カウンティー・ミース(County Meath)では、10月23~31日の間、県内各地で「プーカ・フェスティバル(Púca Festival)」という祭りを開催中。
昨晩さっそくに友人と連れ立って、ボイン川のほとりに建つ18世紀の美しい古城、スレーン・キャッスル(Slane Castle, Co. Meath)の敷地で行われている、「プーカ・イルミネーションズ(Púca Illuminations)」というイベントに出かけてきました。

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マジカルに彩られた敷地内の森。奥の方にライトアップされたスレーン・キャッスルの四角い建物がチラリ見えています

ダブリンから車で小一時間ほど、ニューグレンジ遺跡などのあるボイン渓谷のスレーンという小さな町に隣接する300年の歴史ある城。コニンガム(Conyngham)一族の居城で、一般公開されていると同時に、今もご子孫の方々が住んでおられます。
スレーン・キャッスルは敷地で野外コンサートが行われることでも知られ、音楽ファンにとっては聖地のような場所。ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、レッド・ホット・チリ・ペッパー、ディヴィッド・ボウイ、クイーン、マドンナ…といった超有名海外アーティストのほか、アイルランドが誇るティン・リジー、U2、そして日本でもファンの多いケルティック・ウーマンもここで演奏しています。
(城内のレストランや、城内見学ツアーでは、コンサート時のミュージシャンの写真やゆかりの品々が壁に飾られているのを見ることが出来ます)

「プーカ・イルミネーションズ」への入場は予約制(有料)で、感染対策の人数制限のため、滞在は90分。(とはいえ、滞在時間のチェックはありませんでしたが)
城の外観と約1キロの森の中のトレイルがプロジェクト・マッピングなどでイルミネーションされていて、その中を自由に歩き回って楽しむスタイル。
子ども連れのご家族、高校生くらいの友人グループ、若いカップルからご年配の方々まで、さまざまな年齢層の人々が楽しそうに集っていました。

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圧巻は城の外壁に映し出されるプロジェクトマッピング。プーカとは黒くて怖~い姿をした妖精で、馬や鷹やヤギの姿に次々変身して人々を脅かすのだそう。写真は鷹の姿に変化したプーカでしょうか、プーカのストーリーらしきものを映写しているようでした

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次々変わる絵柄を見ながら、スレーン・キャッスルの絵に変わった瞬間をパチリ

ストーリーは何パターンもあり、見飽きがありません。動画も撮影してみたので、よろしかった雰囲気だけでもお楽しみください。(背後にガサガサ聞こえる風の音が、いかにも…きゃ~👻)



森の中のトレイルもなかなか楽しくて、子どもだましのお化け屋敷的なものを想像していたらとんでもない。動きのある手のこんだオブジェがそこここにあり、どれもれっきとしたアート作品でした。

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ゆらゆら揺れる巨大タコのお化け(と、思われる)

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納屋の壁に映し出された首が取れる人…きゃ~

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トレイルの最後はこんな素敵なオブジェ。どういう仕掛けなのか、クルクル揺れながら回るのがきれい

スレーン・キャッスルでは近年、ウィスキーも製造販売されています。かつての厩舎エリアが蒸留所とビジターセンター、ショップになっていて、蒸留所の見学ツアーもあり。
昨晩は、中庭でスレーン・キャッスル・ブランドのウィスキーを使ったカクテルやアイリッシュ・コーヒーなどを楽しめるようになっていました。

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サウィン(古代ケルトの暦で新年にあたる11月1日のこと。ハロウィーンはその前夜祭)と名付けられたカクテルもあり試してみたかったのですが、残念ながらドライバーだったのでアルコールなしのノン・アップル・パンチを

この後、城の前に設けられた飲食スペースへ。規模は小さかったけれど、バーガー&チップス、クレープなどの屋台が出ていて、日本のお祭り屋台をそぞろ歩くかのようで楽しかったです。

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こちらもマジカルな雰囲気。子どもも大人も大喜び

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伝統音楽の生演奏も。夜が更けるにつれ次第に盛り上がり、演奏に合わせて踊る子どもたちが続出。アイリッシュ・ダンスのステップを可愛らしく披露しては、大歓声をあびていました

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仮装して来ている子どもたちも。私たちも仮面をかぶってノリノリ・笑→写真

久しぶりに出かけた夜のイベント。こういう広々した場所でなら感染対策もしやすく、安心感がありました。
ハロウィーン本番の来週末はアーティストによるライブ・パフォーマンスも披露され、コルカノンやバーンブラックなどハロウィーンにちなんだ食も楽しめるようです。(その分、入場料も高くなります)
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コメント

北の国からSHIGE

スレーン城のハロウィーン祭り、プーカ・フェスティバルへ
昨年、naokoさんに紹介していただいたダブリンのクリスマス・イルミネーションは見事でした。
このスレーン城のイルミネーションも素晴らしいです。
思わず見とれてしまいました。
festivalでは、お店や出し物もでているとのことで、冬を迎えるまさにお祭りですね。

しかし、このコニンガム家、城主の方は普段はニコリともしない気難しそうな方なのに、有名ミュージシャンを招いて毎年Slane festivalを主催したり、お城が焼け落ちた時には大々的に復興資金を集めたり、最近ではSlane Whiskeyを売り出したりと、中々経営手腕がおありの方のようですね。

naokoguide

Re: スレーン城のハロウィーン祭り、プーカ・フェスティバルへ
SHIGEさん、こんにちは。
懐かしいですね、スレーン・キャッスルで奥様がスケッチされておられたことを思い出します。
イルミネーションの写真&動画、楽しんでいただけて良かったです!

今、城の維持は大変なことのようですね。こういうビジネス手腕がない限り、国家に寄贈して観光資源となるか、売却して古城ホテルになるか…。
現在も城主が居住している城は、国内でも数えるほどしかないかと思います。
普段はニコリともしない…に笑ってしまいました(笑)。
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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